Global IT Topics Report # 6

2024.04.01

川島 宏司 川島 宏司

目次

トレンド

生成AIを悪用したTaylor Swiftのディープフェイク画像が大炎上、政治的問題化

MicrosoftとX(旧Twitter)は、AIが生成した歌手Taylor Swiftの露骨な画像が広範囲に共有されたことに対し、
そのような画像の生成と共有を停止する措置を講じています。

Taylor Swiftの露骨な AI 画像は、X 上で共有され始め、即座に炎上、バイデン政権が即座に反応し、AIのさらなる規制を求める声が上がっています。
このDeepfake画像の生成にはMicrosoftの Designer AI image generator が使用されたとされており、Microsoft は、そのような画像の作成を可能にするDesigner の抜け穴を閉じたと伝えられています。新しい保護には、サービスの悪用に対処するためのテキストフィルタリングの強化が含まれているとのこと。

Microsoftは、「行動規範では、アダルトコンテンツや同意のない親密なコンテンツの作成に当社のツールを使用することを禁止しており、当社のポリシーに反するコンテンツの作成を繰り返し試みると、サービスへのアクセスが失われる可能性がある」としています。
Microsoft には「システムの悪用を軽減し、ユーザーにとってより安全な環境を構築するために、コンテンツ フィルタリング、運用監視、悪用検出など、当社の責任ある AI 原則に沿ったガードレールやその他の安全システムの開発に取り組んでいる大規模なチームがある」とのこと。
MicrosoftはAIトレーニングとガードレールを通じてこの問題に対処しましたが、X(旧Twitter)はテイラー・スウィフトの検索を一時的に禁止するという対応にとどまりました。

バイデン政権は、新たな規則を検討しており、政府が国防の観点で必要と思われる契約や注文を優先するよう民間産業に指示できる国防生産法を利用する計画が含まれており、テクノロジー企業は、大量のコンピューティング能力を使用してAIモデルをトレーニングする場合、政府に通知することが義務付けられるとともに、企業は新しい AI 作品についての安全性テストも実施する必要もあります。
加えて、クラウドコンピューティング企業に対し、銀行口座開設に必要な要件と同様に、米国のクラウドコンピューティングを使用する口座を持つ外国人の身元をKYCプログラムを通じて確認することが義務付けられます。

<参照URL>
https://www.nbcnews.com/tech/tech-news/microsoft-ceo-satya-nadella-calls-taylor-swift-deepfakes-alarming-terr-rcna136402
https://www.theverge.com/2024/1/25/24050334/x-twitter-taylor-swift-ai-fake-images-trending
https://www.reuters.com/technology/us-propose-know-your-customer-requirements-cloud-computing-companies-2024-01-26/

高まるDC需要

AIプロジェクトへの需要の高まりに対応するために、AWSはミシシッピ州の2つのデータセンターに100億ドルを投じる計画で、ミシシッピ州に約 1,000 人の雇用を創出すると見込まれているとのこと。
AWS は米国のDCインフラに 1,080 億ドルを投資、ミシシッピ州に 23 億ドルを投資しました。
ミシシッピ州にあるDCインフラには、フルフィルメント センター、配送ステーション、太陽光発電所や風力発電所が含まれているとのこと。
AWS は最近、日本で 150 億ドルを超えるDCへの投資計画を発表し、Googleもロンドン郊外の33エーカーの敷地にあるDCに10億ドルを投資しています。
国際エネルギー機関(IEA)は、2026 年までにデータセンター、AI、暗号通貨の電力消費量が 2 倍になる可能性があると予測しており、DCは 2022 年に約 460 テラワット時 (TWh) を使用し、2026 年には 1,000 TWh 以上を消費する可能性があるとされます。(日本全体の消費量と同程度)
ブルームバーグによると、世界中には8,000のデータセンターがあり、そのうち約33%が米国、16%がヨーロッパ、そして10%近くが中国にあるとのこと。
米エネルギー省によると、「データセンターは最もエネルギーを大量に消費する建物の種類の 1 つであり、一般的な商業オフィスビルの床面積あたり10 ~ 50 倍のエネルギーを消費する」とされています。
こうした中、Meta はインディアナ州に生成 AI ワークロードを中心としたDCを 8 億ドルで建設する計画です。
この 700,000 平方フィートのDCは 2026 年までに完成する予定で、液体冷却技術が利用されます。
このデータセンターは100% 再生可能エネルギーでサポートされ、LEED ゴールド認証を満たしているとのこと。

<参照URL>
https://finance.yahoo.com/news/amazon-plans-two-aws-data-205550389.html
https://www.techradar.com/pro/aws-is-spending-dollar10bn-on-two-new-us-data-centers
https://www.networkworld.com/article/1298745/meta-to-build-800-million-ai-first-data-center-in-indiana.html
https://www.insideindianabusiness.com/articles/meta-to-build-800m-data-center-add-100-jobs-at-river-ridge

統合SASE提供に舵を切るSD-WAN/SASEベンダ

Netskopeが中小企業・マネージドサービスプロバイダ向けに展開の簡素化、堅牢なセキュリティ、最適化されたパフォーマンスなど統合SASEの提供を発表。
エンタープライズ グレードのセキュリティと Netskope の脅威およびデータ保護機能へのアクセス、ネットワーキングとセキュリティ ポリシーを展開管理するための統合コンソール、コンテキスト認識型 Netskope Borderless SD-WAN、およびグローバル NewEdge ネットワークを提供し、最適なネットワークの敏捷性とパフォーマンスを確保し、MSP が複数のクライアントを展開および管理できるようにするマルチテナントのサポートするとしています。
Gartner は、SASE が今後 5 年間で年平均成長率 29% で成長し、2027 年までに 250 億ドルを超えると予測し、ベンダー各社はこれまでのマルチベンダーの組み合わせから、単一での全般的なSASE提供へと動いており、Versa Networks はパフォーマンスを安全に向上させるよ統合 SASE ゲートウェイを発表し、Cato Networks はSASE ベースの XDR製品を発表し、Zscaler は統合SD-WAN製品で参入しています。

<参照URL>
https://www.crn.com/news/security/2024/netskope-unveils-new-sase-offering-aimed-at-midmarket-msps


ワールドワイドキャリア

SK Telecom

Intelと共同で、6Gにむけコンテナサービスメッシュを改良し遅延を短縮したと発表

現在のクラウドネイティブアーキテクチャは、ネットワーク機能を管理するために既存のコンテナサイドカープロキシに依存しており、サービスの柔軟性が向上するが、コントロール プレーンの処理に遅延が発生するため、5G コア ネットワーク機能 (NF) を展開する際に対処する必要がある問題であるとしています。
解決策は、Envoy のようなサイドカー プロキシではなくインライン サービス メッシュであり、これによりセッション管理機能 (SMF) ゲートウェイとパケット データ ユニット (PDU) セッション マイクロサービス間のトランザクションの遅延を70 % 削減でき、ゲートウェイの CPU 使用率が 33% 減少するとしています。

<参照URL>
https://www.intel.com/content/www/us/en/content-details/814439/toward-6g-core-architecture-using-an-inline-service-mesh.html


政府/団体

米国議会

ソーシャルプラットフォームのCEOを招聘し、オンラインでの子供や十代の若者の保護にあまりにも不十分だと非難

Metaの Mark Zuckerberg、 X (旧Twitter) の Linda Yaccarino、TikTokの Shou Chew、Discordの Jason Citron、とSnapの Evan Spiegel が上院司法委員会にビッグテックとオンライン児童性的搾取の危機という議題で招聘され、Instagramが性的犯罪者と児童性的虐待コンテンツを宣伝する販売者を公然と結びつけているとウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じ、Discordが近年未成年者に対するグルーミング、誘拐、セクストーションの数十件を助長しているというNBCが報道し、Snapchatでのフェンタニル販売(協力な鎮痛剤で違法薬物化によるOvberdoseが問題視)、Xでの白人至上主義過激主義の拡散や自傷行為の蔓延など、深刻な懸念が叫ばれる中、ソーシャルプラットフォームが若いユーザーを有害なコンテンツからなぜ保護できていないのかについて追及。
子供たちをオンラインの有害なコンテンツから守るための追加措置をテクノロジープラットフォームに強制する
キッズオンライン安全法(KOSA)の可決に向けた活動の一貫でもあります。(KOSAは、その注意義務によって、子供の安全に関する法案であるはずのものが、成人ユーザーと未成年ユーザーの両方の権利を損なう検閲法案に変わってしまうと懸念が表明されています。)
そのため、公聴会での質疑の多くは各CEOが特定の法案を支持するかどうかを中心に展開されました。

公聴会において、やはりMetaの Mark Zuckerberg、TiktokのShou Chewが槍玉に上がり、(Meta は、毎日合計 31 億 4,000 万人が利用、Snapchat の1 日あたりのアクティブ ユーザー数 4 億 600 万人や、X の 5 億人超よりも多いので )Zuckerbergに対しては、
「今日は被害者の家族がここにいます。被害者には謝罪しましたか?今すぐそうしてみませんか?」
「基本的な安全よりも関与と利益を絶え間なく追求することが、私たちの子供や孫たちを危険にさらしている」「あなたの製品は人々を殺しています。あなたは個人的に被害者への補償に取り組むつもりですか?あなたは億万長者です。」
と上院議員が迫り、
「皆さんが経験してきたすべてのことを申し訳なく思う」
「あなたの家族が経験したことを誰も経験すべきではありません。これが私たちが多額の投資を行う理由であり、
皆さんの家族が経験しなければならなかったようなことを誰も経験しないようにするために業界をリードする取り組みを続けていくつもりです。」
と回答しています。
一方で、
「十代の若者たちにはデフォルトで非公開アカウントを設定し、プライベートで制限された体験ができるようにしています」
「しかし、クリエイターになりたいと思っている十代の若者の中には、コンテンツをもっと広く共有したいと考えている人もいます。それは一律に禁止すべきものではないと思います。」
とも回答しています。( 2019年、モーニング・コンサルトは、10代の若者の86%がインフルエンサーになろうと考えており、レゴが3,000人の子供たちを対象に調査したところ、「宇宙飛行士」よりも「ビデオブロガー」の方が子供たちにとって人気のある夢の仕事だそう)
今回の上院公聴会は、「毎年、私たちは鞭打ち刑を行っています。過去9年間に実質的に何が起こったのでしょうか?」と皮肉られるほど政治パフォーマンス色が強く出ていましたが、それを抜きにしてもオンライン上のこうした問題は今後も引き続き抜け道と非難と対応(プライバシーとペアコントロールの強化)が繰り返されることでしょう。

<参照URL>
https://www.judiciary.senate.gov/press/releases/durbin-graham-announce-january-2024-hearing-with-five-big-tech-ceos-on-their-failure-to-protect-children-online

EU

各国がAI規制を承認

職場や教育機関における感情認識などの有害なAI使用例の禁止、保険や銀行部門で使用されるような高リスクのニューラルネットワークの使用を規制、影響の大きいGPAI(一般的なAI)モデルでは、開発者がモデルの「システミック リスク」をチェックし、見つかった問題を軽減する必要があり、開発者は、ニューラル ネットワークのエネルギー効率のレポートなど、他の特定のタスクも実行する必要もあります。
EUはAI法を施行するAI局を設置、ドイツとフランスは、AI イノベーションへの影響を懸念して反対する可能性を示唆し、オーストリアも、当局が同法のプライバシー規定に懸念を抱いていたため、同様の立場を表明したと言われています。
AI法は今月下旬に欧州議会での委員会採決までに可決される予定とのこと。
可決されれば、法案は本会議での採決に進み、何の変更も加えずに同法が可決されると予想されており、法案は段階的に施行されることになります。
どの有害なAI使用事例を禁止するかを規定した条項は、 この法律が可決されてから6か月後に発効する予定で
2025 年以降から適用されるとのこと。

<参照URL>
https://www.politico.eu/article/eu-countries-strike-deal-ai-law-act-technology/


Tech Giants

Microsoft

Appleを追い抜き、時価総額3兆ドルを達成

Azure クラウド ビジネスの 30% の成長が当四半期の成功の大きな理由であり、その拡大の 6% が、Azure AI およびその他の AI サービスに関連する需要によるものとのこと。
CEOサティア・ナデラは、AIについて語ることから、AIを大規模に適用することに移行したとし、Azure AIには現在5万3000人の顧客がおり、そのうちの3分の1以上が過去12カ月間に登録し、今日、Fortune 500 企業の半数以上が Azure AI を使用しているとしています。
また、Copilotは、30,000 社以上の企業の販売と顧客サービスの向上を支援し、Copilot for Windows は、すでに 7,500 万台以上の Windows 10 および 11 PC で利用可能ともしています。

<参照URL>
https://www.microsoft.com/en-us/Investor/earnings/FY-2023-Q4/performance
https://www.microsoft.com/en-us/Investor/earnings/FY-2023-Q4/press-release-webcast

Meta

Code Llama 70B モデルをリリース

コード生成の問題は、コードが厳密なルールと構文に従って正確かつ厳格でなければならないこと、また、予測可能でユーザーの期待どおりに動作する必要があることとしています。
しかし、コードは非常に長く複雑になることが多く、AI モデルがそれを理解して生成するには大量のコンテキストとロジックが必要であり、それを達成するには、AI モデルが多くのコンピューティング能力にアクセスできる必要がとなります。
このモデルは、Llama 2 LLMの派生モデルであり、5,000 億トークンを超えるコードと関連データでトレーニングされており、100,000 トークンというより大きなコンテキスト ウィンドウを備えることで、処理能力が向上し、精度が向上し、Python、C++、Java、PHP などの特定のプログラミング言語をサポートします。
コードの大量生産を支援することで、生成 AI はソフトウェア開発をより効率的かつアクセスしやすくすると同時に、開発者がより創造的になれるようにするとのこと。
Code Llama 70B モデルは、Hugging Face、PyTorch、Jupyter Notebook、TensorFlow などのさまざまなプラットフォーム経由でダウンロード可能になっています。

コード開発支援への生成AIの活用は課題も多いですが、活発になっており、テルアビブに本拠を置く新興企業CodiumAIが、開発者がバグなくより速く構築できるようにするAlphaCodium を開発し、GoogleのDeepMindが開発したAlphaCode と新しい AlphaCode2 を上回ると話題になっています。

<参照URL>
https://www.facebook.com/zuck/posts/pfbid0KccyDFLszKeHkWVssrcSJYnigb1VYfsLuExTjxVPKWzDpXgmd9FYMfZ1hcWpyf3Zl
https://t.co/GApdj5PW83

2023 年第 4 四半期決算発表でAIコンピューティングにおけるMetaの優位性を強調

Metaでは、数千億の公開共有画像と数百億の公開ビデオがあり、その数は Common Crawl のデータセット(2008 年以来定期的に収集されたペタバイト単位のWeb データ=生の Web ページ データ、メタデータ、テキストが含まれています。)よりも多いとしています。
そのため、推定約 350,000 のNVIDIA H100 を採用する予定であり、他の GPU を含めると、合計で約 600,000 H100 相当のコンピューティングになるとし、世界クラスのコンピューティング インフラストラクチャを持っているとしています。
最先端のLLMは毎年約 10 倍のコンピューティング量でトレーニングされる傾向にあるとし、最先端のクラスターを構築するために、新しいデータセンターの設計や、AIワークロードに特化した独自のカスタムシリコンの設計も行っているとのこと。
一方で、特定の製品の実装を独占的に保ちながら、一般的なインフラストラクチャを構築してオープンソースにする戦略だとし、オープンソースへのこのアプローチは、業界全体に多くのイノベーションをもたらすともしています。

<参照URL>
https://s21.q4cdn.com/399680738/files/doc_financials/2023/q4/META-Q4-2023-Earnings-Call-Transcript.pdf
https://www.bloomberg.com/news/newsletters/2024-02-01/meta-ai-llama-drives-demand-of-real-live-llamas?embedded-checkout=true

Google

Google One ストレージサービスの加入者がもうすぐ1億人を突破すると発言

YouTube Premium と Music、YouTube TV、Google One を含む Google のサブスクリプションビジネス全体が右肩上がりで、年間収益が 150 億ドル超と報告。(2019年と比較して5倍)
YouTube ショートは毎月 20 億人のログイン ユーザーによって視聴されており、毎日 70 億回再生されているともしています。
Google One は月額 1.99 ドルから始まり、5 人で共有できる 100 GB のストレージと、米国内で VPN サービスが提供され、今後AIを活用した機能をGoogle Oneサービスに追加することを検討しているとのこと。

<参照URL>
http://abc.xyz/2023-q4-earnings-call

画像生成AIモデル ImagenをベースとするAI画像生成ツールImageFX を発表

OpenAI のDALL-E 3、Midjourney、Meta のImagine with Meta AIや Microsoft Designer などのツールと同様で、“expressive chips”を使用した新しいプロンプトで画像を簡単に変更できるのが違いです。

先週の騒動もあり、暴力的、攻撃的、露骨な性的コンテンツなどの「問題のある出力」を制限する「技術的保護手段」を追加するなど、意図しない方法でImageFXが使用されないように措置を講じたとしています。

また、チャットボットBardを最新のLLM Gemini Proでアップデートし、Imagen2による画像生成機能を
SynthIDによる電子透かしと合わせて追加。
GoogleMapでは、Google マップ上の 2 億 5,000 万以上の場所と 3 億以上のローカルガイドからの投稿を分析し、新しい場所の発見を支援する生成 AI 機能を導入したとのこと。

<参照URL>
https://blog.google/technology/ai/google-labs-imagefx-textfx-generative-ai/
https://blog.google/products/maps/google-maps-generative-ai-local-guides/
https://blog.google/products/bard/google-bard-gemini-pro-image-generation/?utm_source=tw&utm_medium=social&utm_campaign=og&utm_content=&utm_term=

Amazon

ロボット掃除機Roombaの会社iRobotの買収を発表から1 年半で断念

EUが、iRobotの買収により、AmazonがAmazon Storeへのアクセスを制限したり、アクセスを低下させたりすることで、iRobotのライバル企業を締め出すことが可能になるとし、Noを突きつけたことで、AmazonはiRobotに9,400 万ドルの違約金を払い、iRobotは、CEO(掃除機のセールスマンになってから、ようやくロボット工学者として成功を収めた、は有名なセリフ)の辞任と総従業員数のほぼ3分の1に相当する350人を解雇する結果となりました。

<参照URL>
https://media.irobot.com/2024-01-29-Amazon-and-iRobot-agree-to-terminate-pending-acquisition
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/STATEMENT_24_521


企業

Neuralink

イーロン・マスクが率いるインプラントニューロンチップ開発のNeuralink、被験者にチップ埋め込み試験を開始とTweet

brain-computer interface,(BCI、脳に微細な糸を打ち込んでニューロンの活動を検出し、それによって人間をコンピュータに接続する)により人々が視覚障害者に視力を取り戻すなど、精神的または身体的障害の一部を克服できるようになることを期待しているとのこと。
Neuralinkは、2023年半ばにFDAから臨床実験のゴーサインを得て、それ以来2億8000万ドルの新たな資金調達を行い、設立以来約6億4,000万ドルの資金を集めています。
BCIは将来的に、考えるだけで、携帯電話やコンピュータ、そしてそれらを介してほぼすべてのデバイスを制御できるようになるとのこと。

<参照URL>
https://twitter.com/elonmusk/status/1752098683024220632


ベンダ

OpenAI

ChatGPT有料ユーザーがカスタムGPTを利用可能に

ユーザーは、ChatGPT インターフェイスで「@」記号を使用して、ポップアップされるリストからコーディングを支援したり、健康上のアドバイスを提供したり、画像の生成に特化した GPT を選択し、会話に参加させることができるとのこと。

<参照URL>
https://twitter.com/OpenAI/status/1752391522081980855?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1752391522081980855%7Ctwgr%5E3192b1bec66257c843dfbb0fad308fa6f61b13f8%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Ftechcrunch.com%2F2024%2F01%2F30%2Fchatgpt-users-can-now-invoke-gpts-directly-in-chats%2F

Huggingface

オープンソース AI コードとフレームワークの開発者向けリポジトリを提供するHuggingface、サードパーティ製のカスタマイズ可能なAIアシスタント Hugging Chat の立ち上げを発表

OpenAIのChatGPTに代わるオープンソースのHugging Chatでは、ユーザーは、OpenAIのカスタムGPT Builder/GPT Storeと類似の機能を備えたカスタムAIチャットボットを簡単に作成できるようになります。
ただし、これにはChatGPT Plus (月額 20 ドル)、Team(ユーザーあたり月額 25 ドル、年払い)、Enterprise(ニーズに応じて価格が異なります)のサブスクリプションが必要とのこと。

<参照URL>
https://huggingface.co/chat/

Databriks

自然言語データ サイエンス ノートブックのプロバイダーである Einblicを買収

1億ドルで行われたデータレプリケーターのArcion 、13億ドルで買収したMosiac ML、データガバナンスプラットフォームのOkeraに続く買収となります。
企業向けにデータストレージと分析のニーズにワンストップショップとして提供するDatabricksのサービスをさらに強化、同じく買収を進めているライバルのSnowflakeとの競争を強化することを目的としています。
Einblick は、自然言語の質問を、必要なコード、チャート、モデルに変換するEinblick Promptを開発、データ関連の質問に対して高度に最適化しているとのこと。
ユーザーが Microsoft Word 文書や Excel スプレッドシート、あるいはライバルの Snowflake 自体など「どこからでもデータに接続」し、Einblick Prompt エンジンがそのデータを利用でき、ログ評価数とログ表示数のヒート マップをプロットするなどの指示を与えると、自動的に最適な方法を見つけ出すとしています。

<参照URL>
https://www.databricks.com/jp/blog/welcome-data-intelligence-platform-databricks-einblick

Dynatrace

AIを活用したセキュリティ・コンプライアンスソリューションのスタートアップ Runecast Solutionsを買収

Runecast は、ハイブリッドマルチクラウド環境で、継続的なコンプライアンスの監視、事前の既知の問題評価、リスクベースの脆弱性管理、構成ドリフト管理を提供。
Runecast プラットフォームは、既知の問題、セキュリティ標準、VMware や様々なクラウドでのベストプラクティスに対して構成とログを継続的にスキャンし、構成、セキュリティ、互換性、コンプライアンスの継続的に評価することで可視性を実現、AI自然言語処理を使用して、セキュリティ監査や機能停止の原因となる可能性のある構成ミスを自動的に検出、さまざまな業界標準への継続的な準拠を保証するとのこと。
Runescast の著名な顧客には、Avast Software sro、Kingston Technologies Co. Inc.、Whirlpool Corp.、Orange SA、NYC Health + Hospitals があります。
Dynatrace は、Runecast のセキュリティ管理による状況に応じたセキュリティ保護と分析を統合することで、顧客はAI主導の自動化されたリアルタイムの脆弱性評価に基づいて、ハイブリッドマルチクラウド環境における構成ミスやコンプライアンス違反のリスクに積極的に対処できるようになるとしています。

一方で、Dyantraceは、導入が進む生成 AI システムを綿密に監視するDynatrace AI Observabilityも発表しています。
生成 AI には偏った回答または不正確な回答が発生し、悪いエクスペリエンスや定着率の低下につながるリスクも伴うため、モデルのドリフト、予期せぬデータのシナリオ、または根本的なシステム障害など、常に警戒を怠らず、根本的な問題を積極的に特定して修正する必要があります。
この可観測性ソリューションは、Google TPU や Nvidia GPU を含むインフラストラクチャ層から、最新のアプリケーションの背後にある AI スタック全体をエンドツーエンドで監視、GPT-4などのモデルからセマンティック キャッシュ、ベクトル データベース、最新の RAG アーキテクチャ ( LangChainなど) までをカバーするオーケストレーションフレームワークとのこと。
チームは AI アプリケーションライフサイクル全体の運用ビューを得ることができ、トークン消費量、レイテンシ、可用性、応答時間、エラー数などのサービス レベル アグリーメント (SLA) パフォーマンス メトリクスの可観測性が提供され、パフォーマンスのボトルネックと根本原因を特定できるようになるとしています。

<参照URL>
https://www.dynatrace.com/news/press-release/dynatrace-to-acquire-runecast/
https://docs.dynatrace.com/docs/get-started/dynatrace-for-ai-observability?_ga=2.239326208.267765841.1706716904-1677689162.1706716904&_gl=1*1pf8e6u*_ga*MTY3NzY4OTE2Mi4xNzA2NzE2OTA0*_ga_1MEMV02JXV*MTcwNjcyNTQ1OS40LjEuMTcwNjcyNzU3MC4wLjAuMA..

SentinelOne

企業の脅威の検出と対応を強化するWatchTowerとWatchTower ProをGA

企業は高度なサイバー攻撃に非常に早いペースで直面し、資産とインフラストラクチャの安全を保つために迅速に検出して無力化する必要がある中、潜在的なセキュリティ侵害に対する可視性が限られており、攻撃の量と複雑さが増大しているため、企業のリスクが大幅に拡大しており、それを軽減するための熟練したセキュリティ専門家が深刻に不足しているとし、WatchTower と WatchTower Pro が支援するとしています。

WatchTower は 、専門家による人的分析に裏付けられたインテリジェンスをベースに、緊急の攻撃者を特定し、ビジネスへおn脅威の可視性を提供。
24 時間 365 日のリアルタイムの脅威ハンティング、異常および不審な動作の検出、既知の脅威と未知の脅威の両方に対する幅広い対応範囲、包括的な社内脅威インテリジェンス ライブラリへのアクセスなどが含まれます。
このライブラリには、行動ハンティング クエリ、侵害の兆候、その他の重要なセキュリティ リソースが含まれています。
WatchTower を使用することで、セキュリティチームは重要な可視性と洞察を得ることができ、ユーザーは組織のセキュリティを積極的に管理し、全体的なリスク態勢を改善できるとのこと。

<参照URL>
https://jp.sentinelone.com/global-services/watchtower/

Checkpoint

生成AIをつかったセキュリティツールInfinity AI Copilotを発表

推定400万人の世界的なサイバーセキュリティ人材不足に対処し、サイバーセキュリティ管理の効率化と自動化により、セキュリティ管理の効率と有効性を高めるとのこと。
Infinity AI Copilot は、Check Point が 30 年間蓄積したサイバーセキュリティインテリジェンスに基づいてトレーニングされま、生成AI を活用して、複雑なセキュリティ タスクを自動化し、セキュリティの脅威に対するプロアクティブなソリューションを提供しながら、管理支援と分析リソースの機能を提供するとしています。
各製品のすべての管理者ガイド、14,000 項目を含むセキュア ナレッジ データベース、独自で高度なネットワーク専門知識を提供するCheckmates ナレッジ、および脅威クラウドへのアクセスなど、過去 30 年間にわたる専門知識が組み込まれ、微調整されているとのこと。
また、Check Point Infinity Platform と統合されており、ネットワーク、クラウド、エンドポイントなどインフラストラクチャ全体にわたる幅広いセキュリティ機能を提供するとしています。

<参照URL>
https://www.checkpoint.com/press-releases/check-point-software-unveils-infinity-ai-copilot-transforming-cyber-security-with-intelligent-genai-automation-and-support/

Cisco Systems

MicrosoftとSamsungと共同で新Cisco Rooms を発表

Cisco Room シリーズは、RoomOS 上で動作するスマートビデオ会議ソリューション。
Webexに最適化されていますが、サードパーティアプリケーションの会議へのシームレスな参加をサポートしています。
今日の会議の 98% には少なくとも 1 人のリモート参加者が含まれるが、8,700 万の会議室のうち、ビデオ会議機能を備えているのは 15% 未満で、被ブリッドワーク時代に優れたコラボレーション機能は必須と主張。
今回、Microsoft Teams Rooms の Front Row 、アスペクト比 21:9 と 4Kもしくは5K 解像度の Samsung の105 インチ スマートサイネージスクリーンとMiecrosoft Teams Admin CenterやCsco Control Hubでの管理により、専用デバイス、強化されたソフトウェアエクスペリエンス、包括的な管理ツールを統合、拡張性も向上し、大規模なハイブリッド作業の提供が可能になるとしています。

<参照URL>
https://investor.cisco.com/news/news-details/2024/Cisco-Collaborates-with-Microsoft-and-Samsung-to-Deliver-Superior-Meeting-Room-Experiences/default.aspx

Juniper Networks

ネットワーク変更の影響をシミュレートして技術的課題があるかどうかを判断するAIツール Marvis Minis を発表

Express 5 ASICをベースとする800GbE対応のDC向けルータースイッチを発表するとともに、AI を使用して管理者がネットワーク障害の根本原因を見つけるのを支援し、トラブルシューティングの提案を自動的に生成、管理者がルーターのセットアップなどを問い合わせられる会話型インターフェイスも提供するとのこと。
Marvis Minisは、ネットワークがどのように構成されているかを自動的に学習、ユーザー、デバイス、デバイス上で実行されているアプリの接続をシミュレート、技術的な問題を引き起こしすネットワークの誤動作を事前に明確にできるとしています。
また、Marvis Actionsにより、各故障に対するトラブルシューティングの推奨事項が自動的に生成され、マニュアル作業なしで一部の技術的問題を解決できるともしています。
加えて、Marvis VNA for Data Center により、管理者はDCネットワークのケーブル配線、構成、その他の技術的な詳細に関する情報に簡単にアクセスできるようになり、Juniperのネットワーク機器と競合他社のハードウェアの両方に対応するとしています。
*なお、Marvis と Apstra ネットワーク管理プラットフォーム、PTX ルーターおよび QFX スイッチでAI DCバンドルとしてアップデートもしています。

<参照URL>
https://investor.juniper.net/investor-relations/press-releases/press-release-details/2024/Juniper-Networks-Unveils-Industrys-First-AI-Native-Networking-Platform-to-Deliver-Exceptional-User-Experiences-and-Lower-Operational-Costs/default.aspx

Arrcus

FlexMCN multi-cloud networking softwareを発表

企業が生成AI、データレプリケーション、HPC用の分散LLMモデルなど、帯域幅を大量に消費するアプリケーションを採用するにつれて、クラウド利用時のデータ移動におけるコストの負担がさらに大きくなるとし、Downlinkコスト制御機能によりDownlink料金(データをオンプレミスまたは別のクラウドに戻す場合は料金を請求、料金は 1 ギガバイトあたりわずか数セントですが、大規模なデータセットの場合は数千ドルに上る)を最大40%削減できるとのこと。
コントロールおよびデータプレーンとオーケストレーターで構成されるFlexMCNは、よりスマートなルーティングと可視性と最適化を提供し、クラウドコンピューティングの総料金に最大15%追加される可能性があるDownlinkコストを最小限に抑えることができるとしています。
トラフィックを動的かつインテリジェントに最低のDownlinkコストで宛先にルーティングし、ハイブリッド、コロケーション、パブリッククラウド環境のすべての専用または共有アンダーレイ接続で使用できるとのこと。

<参照URL>
https://arrcus.com/solutions/multi-cloud/

川島 宏司 川島 宏司

2007年中途入社、十数年に渡り通信キャリア様コア・データセンターネットワークの仕様策定/設計/構築に従事。 3年間の米国駐在を経て、通信キャリア様向け中長期戦略を主務とする傍ら、社内外に海外トレンド発信・新製品紹介も行う「いろいろやってる職」の人。