Global IT Topics Report # 32

2025.01.27

川島 宏司 川島 宏司

目次

トレンド

Private 5G

米国でのP5Gは、2027年までに年間支出37億ドルとの予測

*ただし、2027年になってもPrivate LTEが新規投資全体の最大80%を占め続ける

新たな傾向として、DASがコストがかかりすぎて実装が複雑すぎるされる屋内、携帯電話のカバレッジを強化するためのニュートラル ホストソリューションの導入が増加しているとのこと。

P5G事例

  • 4Gおよび5Gプライベートネットワークが最も普及している分野はデジタル化と自動化が進む製造業
    Walmartの配送センター
  • Tesla ギガファクトリー・テキサス
  • BMWグループのスパルタンバーグ工場
  • GMのFactory Zero組立センター
  • トヨタ マテリアル ハンドリングのコロンバス生産施設
  • CumminsのVerizonと協業した JEP(ジェームズタウンエンジン工場)
  • LGエレクトロニクスのクラークスビル家電製造工場
  • Delta航空のアトランタ運航拠点 ダラスフォートワース国際空港
  • バージニア港のコンテナターミナル
  • ボストン小児病院クリーブランドクリニックのメンター病院

<参照URL>
https://www.snstelecom.com/private5gus

通信事業者におけるAI

予算の5-15%をAI関連に充て、まだ比較的初期段階にある

スマートフォンの消費者による生成AIアプリへの支出は2024年に約11億ドルに達し、前年比200%増加したとされています。

そうした中、通信キャリアの22% が予算の 5% 未満を AI に割り当てているとし、予算の 25% 以上を割り当てていると回答したのはわずか 4%とのこと。

米国およびカナダの通信事業者の間では、AIによる新たな収益源の創出と顧客サービスの向上が19%で最重要目標。

続いて、従業員の生産性(以前より時間が短縮された割合として)と創造性の向上、意思決定の改善、既存の製品とサービスの強化(それぞれ14%)、ネットワーク計画と運用の改善(それぞれ10%)、運用コストの削減と規制遵守の向上(それぞれ5%)が続くとしています。

例として、Comcast は、ネットワークの効率とパフォーマンスを向上させるためにAI を使用し、DOCSIS 4.0 の導入に向けて新しい AIのツールを実装しているとのこと。

<参照URL>
https://data.gsmaintelligence.com/api-web/v2/research-file-download?id=88244886&file=090125-Telco-AI-State-of-the-Market-Q4-24.pdf
https://www.prnewswire.com/news-releases/sensor-tower-consumer-spending-on-apps-soared-in-2024-and-mobile-rode-the-wave-of-ai-enthusiasm-302356449.html

Stibo Systems

ビジネスリーダーのほぼ 90% が、重要な意思決定のパートナーとしてAIを活用したいと考えている。

AI の導入を急いでいると認めているビジネス リーダーは32% 。

一方で、データを詳しく調べて、公平で偏りがなく、AI パイプライン全体で完全に安全であることを確認するには、変更管理の多大な労力と時間がかかるとされ、ビジネス リーダーの 49% が AI を責任を持って使用する準備ができていないと認めており、企業の 79% が偏見緩和ポリシーを導入しておらず、54% が AI 統合に対応するための
新しいセキュリティ対策を実施していないとのこと。

<参照URL>
https://explore.stibosystems.com/c/ai-high-stakes-gamble-en?x=pjAOX9&_gl=1*788cpo*_gcl_aw*R0NMLjE3MzIxMTg3NTEuQ2p3S0NBaUFydmE1QmhCaUVpd0Etb1RuWGI1eVVyTXVZbGp1aG1rWGZRUFdGbDNNRnpWQVAxcFZrZV84bHRXWlBwZ1NJTzJ4QWNZMWp4b0NnR01RQXZEX0J3RQ..*_gcl_au*MTEyMDQwMTA5MC4xNzI4Njc1MjAzLjE3MDIxMDIxMzAuMTczMjA0ODU1Ny4xNzMyMDQ4NTU3*_ga*MjU2NTcyMjEzLjE3MjYwODExNzc.*_ga_0WSVHSZVMT*MTczMjExODc0OS40NS4xLjE3MzIxMTg3NTQuMC4wLjEyNzUwMzk0MzA.

Vellum

AI を本番環境に導入している企業はわずか 25% で、うち 4 分の 1 がまだ測定可能な影響を実感できていない。

戦略の構築と評価、概念実証フェーズが53%、ベータ テストフェーズが14%、そして最も低いレベルではユーザーとの話し合いと要件収集が7.9%とのこと。

ほとんどの企業はドキュメント解析/分析ツールとカスタマーサービスチャットボットの構築に重点を置いているとしています。

<参照URL>
https://www.vellum.ai/state-of-ai-2025

USキャリア

Verizon

企業がAIワークロードを大規模に導入できるように設計された統合スイートであるVerizon AI Connectを発表

マクロ 5G ネットワークや高速ファイバー接続からエッジ コンピューティング環境、DCスペース、電力、冷却まで、必要に応じて AI ワークロードを提供するように設計され、GPUaaSのVultr、Google Cloud と Meta 等と提携しているとのこと。

AIワークロード需要の急騰により、接続サービスの受注額がすでに10億ドルに達したとしています。

<参照URL>
https://www.verizon.com/about/news/verizon-unveils-ai-strategy-power-next-gen-ai-demands
https://vz.to/AIConnect125NR

AT&T

不動産開発会社Reign CapitaとAT&Tの不動産のセール・リースバック契約を締結

メタル回線の廃止に伴い、利用しなくなる74の不動産、合計1,300万平方フィートの敷地に関して、8億5,000万ドルを受け取るほか、将来の再開発事業からの利益分配も受け取る予定とのこと。

地域のエッジデータセンターは、AIモデルのトレーニングをサポートできる環境への需要の急増の恩恵を受けているため、これらに転用されるのではないかとの憶測となっています。

<参照URL>
https://www.reuters.com/business/media-telecom/att-secures-850-mln-sale-leaseback-real-estate-reign-capital-2025-01-24/
https://about.att.com/story/2025/reign-capital.html

T-Mobile

5G Network SlicingサービスT-PriorityをLAにも提供

ロサンゼルス消防局(LAFD)の350人の隊員にT-Priorityを、少なくとも30日間、無料で提供しているとのこと。

T-Priorityにより、5GSAのネットワークスライスを緊急対応者に割り当て、さらなる容量、より高速な5G速度、最高の優先順位を与えているとしています。(LAエリアのインフラベンダーはEricssonとされています。)

<参照URL>
https://www.linkedin.com/posts/john-saw-86101b5_t-mobile-is-stepping-up-to-help-the-brave-activity-7283881708377063424-OeFC
https://www.linkedin.com/in/anastasia-tindell-2423532/

屋外デジタル広告看板を提供するVistar Media社を6億ドルで買収すると発表

小売店舗向けデジタル広告すくりービジネスにデジタル屋外広告(DOOH)事業に加え、約370社のOOHメディア所有者が提供する110万台以上のデジタルスクリーンと、3,000社以上のブランドパートナー広告主にサービスを提供するとしています。

DOOHなどのディスプレイやデジタル看板は、その前を通過するモバイルデバイスの数を追跡、たとえば、広告主が特定の地域で新車を探している消費者にアプローチしようとしている場合、その消費者のモバイル アプリのダウンロード数と位置データを把握することで、適切な顧客に適切な場所とタイミングで画面上に広告を表示できる可能性があるとされます。

なお、米国キャリアでの広告メディア事業に関して、AT&TはXandrで失敗し売却、VerizonもYahoo/AOLで失敗し売却しています。

<参照URL>
https://www.t-mobile.com/news/business/t-mobile-to-acquire-vistarmedia-dooh-advertising

ワールドワイドキャリア

Telstra

AccentureとAI合弁会社を設立

今後7年間にわたり毎年1億オーストラリアドル(6,200万米ドル)をプロジェクトに投入、AIエージェントなどの導入により、ビジネスプロセスを進化させ、Telstraの従業員が、より効率的かつ効果的に業務を遂行できるようになるとしています。

<参照URL>
https://newsroom.accenture.com/news/2025/telstra-and-accenture-announce-global-ai-joint-venture

Telefonica

AIスタートアップPerplexityのPerplexity ProをMovistar加入者に無料提供

TelefonicaのCVCであるWayraを通じて投資しているPerplexityの得られた回答に関連する追加の質問が可能な機能と、ファイルや画像をアップロードして、コンテンツに関する質問や要約のオプションをスペインでのモバイル事業Movistarの加入者に提供するとのこと。

Perplexity Proはすでに、Deutsche Telekom、Singtel、SK Telecom、SoftBank、Telefónicaで利用されています。

SKTと Singtelも 顧客にPerplexity Proの1年間の無料サブスクリプションを提供しており、DTは 最近、 Perplexityと協力してMeinMagentaアプリでMagenta AIをリリースし、ロイヤルティプログラムMagenta Momentsを通じてPerplexity Proを無料で提供しています。

<参照URL>
https://www.telefonica.es/es/sala-comunicacion/prensa/movistar-ofrece-todos-clientes-espana-servicios-ia-perplexity-pro/
https://www.telefonica.com/en/communication-room/press-room/wayra-invests-perplexity/

SKT

メタバースから撤退し生成AIへシフト

SKTのメタバースサービスiflandは、2025年3月31日月曜日をもってクローズとのこと。

2020年以降メタバースがBuzzっていた際に矢継ぎ早にメタバースサービスを立ち上げた韓国キャリアですが、KTはすでにMeta LoungeとGenieverseサービスを終了しており、LG UplusはビジネスメタバースMetaSlapの立ち上げを延期。

SKTは今年初め、北米などの海外ユーザー向けにエンタープライズサービス「A Biz」とAIアシスタント「Aster」をサービス提供し、ホワイトラベルで通信事業者への提供も開始する予定とのこと。

<参照URL>
https://www.businesskorea.co.kr/news/articleView.html?idxno=231872
https://url.us.m.mimecastprotect.com/s/UQhdCADQm5UEJAg8KhGf8IGI6Qb?domain=ifland.io/
https://news.sktelecom.com/en/1682

政府・団体

米国政府

バイデン政権、チップの出荷やモデルの重み付けの共有など、AIの普及を規制する新しい規則を発表

すでにトランプ政権に移行したため、本規則が変更される可能性はあります。

米国は、誰が GPUにアクセスできるか (1700GPU以上はライセンスを要求、18 の主要同盟国には制限がありません)、また誰がクローズドウェイトモデルのパフォーマンスに関する機密情報にアクセスできるかをコントロールするために、新しい規則を発表。

NVIDIAは、政府の権限の行き過ぎだとし、この動きがイノベーションを阻害する恐れがあると批判してます。

重要なのは、GPUよりも、HBMやインターコネクトであり、大規模モデルの事後トレーニングは 1,700 台よりはるかに少ない GPU を搭載したシステムで実行できるため、高度な AI システムを実現するために大規模なスーパークラスターが必要になることはないとしています。

<参照URL>
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2025/01/13/fact-sheet-ensuring-u-s-security-and-economic-strength-in-the-age-of-artificial-intelligence/
https://blogs.nvidia.com/blog/ai-policy/

トランプ政権、バイデン政権時のAIリスク軽減に関する大統領令を撤回

バイデン政権は、NISTに対し、企業が バイアスなどのモデルの欠陥を特定し、修正するのに役立つガイダンスを作成するよう 指示し、AIシステムの開発者に対し、安全性テストの結果を公表前に米国政府と共有することを義務付けていましたが、報告義務は煩わしく、事実上企業に企業秘密の開示を強制しているとの批判があり、米国のAIイノベーションの障害として、トランプ政権は強力なAIモデルを構築している米国のテクノロジー企業は、そのシステムの詳細を政府と共有してから公表すべきとする当該大統領令を撤回しています。

代わりに、人類の繁栄、経済競争力、国家安全保障を促進するAI開発のビジョンに合わない場合は停止しなければならないと規定し、180日以内に新たなAI行動計画を策定するとしています。

バイデン政権がイノベーションと監督のバランスを慎重に取ったのに対して、トランプ政権は、基本的に規制のルールを放棄し、迅速に行動して後で修正する戦略を採用しています。

<参照URL>
https://www.reuters.com/technology/artificial-intelligence/trump-revokes-biden-executive-order-addressing-ai-risks-2025-01-21/
https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/01/removing-barriers-to-american-leadership-in-artificial-intelligence/

トランプ政権、Stargateプロジェクトを発表

Open AI(運営)、Softbank(財務)、Oracle、MGXなどが投資するこの合弁事業は、テキサス州アビリーンでOpenAIのために大規模データセンターを構築することから始め、他州にも拡大する計画(2029年までに20拠点) とのこと。

OpenAIに多額の投資をしているMicrosoftやArm、NVIDIAが技術パートナーとして参画しています。

当初 1,000 億ドルを投じ、今後 4 年間で最大 5,000 億ドルを投入する予定で、これにより、米国で数十万の雇用を創出し、AIにおけるアメリカのリーダーシップを確保するとしています。

これについてトランプ政権の政策効率化省(DOGE:Department of Government Efficiency)トップになったイーロン・マスクは実際のところ十分な資金を用意していないと揶揄し、Open AIのサム・アルトマンが反論するなど
騒ぎになっています。

また、Financial Timesは、OpenAIとSoftbankは当初、それぞれ約150億ドルを投じる予定で、残りの費用を既存の投資家からの株式資金と負債による資金調達で賄う予定(政府資金援助なし)とし、資金もまだ確定しておらず、OpenAIが唯一のユーザーと報道しています。

<参照URL>
President Trump Gives Remarks Regarding U.S. Infrastructure Investment
https://openai.com/index/announcing-the-stargate-project/
https://www.theinformation.com/articles/microsoft-and-openai-plot-100-billion-stargate-ai-supercomputer?offer=rtsu-engagement-24&utm_campaign=Stargate+Demo+Tool+E&utm_content=3595&utm_medium=email&utm_source=cio&utm_term=2553&rc=bdqvyp
https://x.com/elonmusk/status/1881944244480565497
https://x.com/sama/status/1882106524090482701
https://www.ft.com/content/4541c07b-f5d8-40bd-b83c-12c0fd662bd9

Tech Giants

Microsoft

Copilot Chatをリリース

GPT-4oをベースとする企業向けM365 Copilotの機能制限版です。

ユーザーが AI エージェント、つまりビジネス タスクを自動的に実行できるカスタム AI ツールを作成できるようになったとのこと。

顧客サービス担当者からマーケティング担当者、最前線の技術者まで、Microsoft 365 ユーザーが Copilot を日常的に使用する習慣を身に付けてもらうことで有償版へと誘導することを狙っており、無料体験可能で、価格は 1 ユーザーあたり月額 30 ドル、ただし、タスク自動化のエージェント機能は、使用状況メトリックであるメッセージ1つあたり0.01 ドルの従量課金での利用とのこと。

また、IT 管理者は、自然言語プロンプトを使用して AI エージェントを作成できるCopilot Studio を使用して自社固有のエージェントを構築し、Microsoft 365 Copilot Chat 経由で従業員が利用できるようにすることができるとしています。

<参照URL>
https://support.microsoft.com/ja-jp/copilot-microsoft365-chat

Google

Workspace に同梱する AI ツールキット Gemini をアップデート

これまで、Gemini の全機能にアクセスするには、ユーザーあたり月額 20 ドルのアドオンを購入する必要がありました。

アップデートにより、すべての Business および Enterprise サブスクリプションでGemini の全機能がすぐに利用できるようになり、今後はユーザーあたり月額 2 ドルの追加料金が発生するとのこと。

また、無料のGemini限定版を使用していた顧客は、1.5 Proでより高機能なLLMGemini Advancedにアップグレードされる、AIエージェント作成ツールGemsや、リサーチツールとしても機能するメモアプリNotebookLMにもアクセスできるようになるとしています。

<参照URL>
https://blog.google/feed/google-workspace-generative-ai-features/

ArmベースAxion CPUのインスタンスC4Aをリリース

ストレージパフォーマンスを強化したカスタム設計ローカル ディスクであるTitanium SSD(1 秒あたり最大 240 万回のランダム読み取り入出力操作、10.4Gbpsの読み取りスループット)搭載オプションもあるとのこと。

高性能データベース、分析エンジン、検索などのアプリケーションを実行するためのリアルタイムのデータ処理を必要とするワークロードのクラウド パフォーマンスをさらに向上するとしています。

最大 72 個の vCPU、576 GB のメモリ、6 TB のローカル ストレージが搭載可能で、現行世代の x86 インスタンスに比べて、最大 65% 優れた価格性能と最大 60% 優れたエネルギー効率を提供するとのこと。

<参照URL>
https://cloud.google.com/compute/docs/disks/local-ssd

HTCのXR事業の一部を2 億 5,000 万ドルで買収

Google・Samsung・Qualcommが開発した Android XR プラットフォームのリリースに続き、ヘッドセットやXRグラスでのAndroid XRプラットフォームの開発を加速し、仮想現実および拡張現実ハードウェアへの取り組みを拡大するとのこと。

HTCは、この買収により、Lynx Mixed Reality、Sony、Xreal などのQualcommのパートナーは、Android XRデバイスを構築し、大量導入を加速できるだろうとしています。

<参照URL>
https://blog.google/feed/android-xr-htc-agreement/
https://www.vive.com/us/newsroom/2025-01-23/

Anthropicに追加で10億ドルを投資

昨年11月にもAmazonから40億ドルを調達(AIスパコンを構築するProject Rainierで提携)しているAnthropicは、OpenAIのGPT-4oに対抗するClaude 3.5 Sonnetをを提供、Claudeはユーザーに代わってビジネス アプリケーションでアクションを実行することもできるAIエージェント機能を持ちます。

Anthropicは、それ以外にもLightspeedなどから20億ドルを追加調達するとされ、自社LLM にウェブ閲覧機能とプロジェクト間のユーザー設定を記憶する機能を搭載する計画とのこと。

<参照URL>
https://www.ft.com/content/ed631513-dd37-44a3-a536-b2002f5727cc
Inside Anthropic's Race to Build a Smarter Claude and Human-Level AI | WSJ

Amazon

墜落事故を受けてドローン配送テストを一時停止

2030年までに年間約5億件の配送を目指すPrimeAirに向けてのテストで雨天のためドローン2機が墜落したとのこと。

ドローンのソフトウェアアップデートが完了するまで、商用ドローンの運用を行っているテキサス州とアリゾナ州でのドローン配達を一時停止するとしています。

<参照URL>
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-01-17/amazon-pauses-drone-deliveries-after-aircraft-crashed-in-rain

Meta

Oakleyとスポーツ向けスマートグラスを開発中との報道。

<参照URL>
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-01-21/meta-hardware-plans-oakley-and-ar-like-glasses-apple-watch-and-airpods-rivals

今年の設備投資額が600億~650億ドルに達すると発表

資金の大半はデータセンターの建設とAI専門家の雇用に充てられ、今後 12 か月で 約 70 万世帯に電力に相当する1Gwのコンピューティングキャパシティを追加、年末までに、データ センターで 130 万台以上のGPUが稼働するとのこと。

今年後半にはLlama 4を発表する予定でプログラミングアシスタント機能が追加される予定としています。

<参照URL>
https://www.facebook.com/photo/?fbid=10116307989350411&set=a.612287952871

企業

Digital Ocean

わずか数分で AI エージェントを構築展開できるようにするGenAI プラットフォームを発表

クラウドサービスプロバイダのDigital Oceanは、AWS/Azure/GCPなどと直接競合するのではなく、開発者、スタートアップ企業、中小企業向けに「開発者クラウド」を提供することで中小企業に焦点を絞り、クラウド市場でポジションを獲得しています。

同社の生成AI基盤は、小規模な企業でも AI エージェントを利用できるように、AI エージェントを作成するためのBluePrintを提供し、ユーザーは、ドキュメント分析、画像生成、セマンティック検索などのタスクに特化した基盤モデルのライブラリから選択、データセットを接続するだけにすることで、AI/MLの専門スキルがなくても開発者が AI エージェントを構築実行できるようにしたとのこと。

また、安全性と信頼性を確保するためのガードレールも提供し、不正確、信頼できない、または不適切な応答のリスクを最小限に抑えるともしています。

<参照URL>
https://www.digitalocean.com/products/gen-ai

Tiktok

一時米国でのサービスを停止

米国では、中国の監視とプロパガンダへの懸念から、TikTokの所有者であるBytedanceに対し、米国でのTiktokサービスを売却するか米国で禁止するかのいずれかを選択するよう義務付ける法案を可決、(しない場合、アプリの配布、保守、更新をサポートするサービスを提供することを禁止。)バイデン政権が最後っ屁にアメリカ人が利用できないようにする連邦法を施行しました。

Bytedanceは訴訟を起こしましたが、米国最高裁は、1億7000万人以上のアメリカ人にとって、TikTokが表現の場、関わりの手段、コミュニティの源泉として独特で幅広い選択肢を提供していることは疑いの余地がない。

しかし議会は、TikTokのデータ収集慣行と外国の敵対国との関係に関する十分に裏付けられた国家安全保障上の懸念に対処するために、売却が必要であると判断したと結論付けています。

結果、Tiktokは法令により、1/19にサービスを停止すると宣言、米国時間土曜日の夜に米国でサービスが停止。

米国リージョンのApple App StoreとGoogle Play Storeからアプリも消えました。

トランプ次期大統領は最高裁に禁止措置の延期を求め、「おそらく」同社に90日間の延期を認めるだろうとTweetしたことで、Bytedanceは日曜日の正午までに米国でのTiktokサービスを復旧しています。

Tiktok Banにより、RedNoteやLemon8が代替とされてますが、Lemon8もBytedanceで禁止されているなど、米中によるアプリエコシステムでの経済戦争は続きそうです。

なお、トランプ政権誕生に伴う矢継ぎ早の大統領令の発行により、Foreign Adversary Controlled Applications Act (PAFACA)に関して、施行するために 75 日間いかなる措置も取らないよう司法省に指示しています。

また、OracleなどがTikTokのグローバル事業を管理し、バイトダンスが少数株を保持するという取引が現在進行中との報道があります、

<参照URL>
https://newsroom.tiktok.com/en-us/tiktokjan-17
https://www.nbcnews.com/politics/donald-trump/trump-likely-give-tiktok-90-day-extension-avoid-ban-rcna188258
https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/2025/01/application-of-protecting-americans-from-foreign-adversary-controlled-applications-act-to-tiktok/
https://www.npr.org/2025/01/25/g-s1-44779/tiktok-ban-deal-trump-oracle

ベンダ

Samsung

Unpacked 2025でGalaxyシリーズの新製品を発表

AppleのiPhoneシリーズのApple IntelligenceやGoogleのPixelシリーズへのGemini組み込みなどデバイスAIの流れの中、Snapdragon 8 Eliteのカスタム版のNPUでサポートされるGalaxy AIを中心に据えたGalaxy S25シリーズは、GoogleのProject Astraによりマップ、YouTube、メッセージなどの Google アプリや Spotify など、より多くのアプリ間機能を提供し、さらに拡張機能により、リマインダー、カレンダー、メモ、時計などのSamsung アプリへのアクセスも提供するとのこと。

加えて、スマートホームプラットフォームSmartThingsを発表し、環境検知技術と生成AIによりユーザーの日常生活を簡素化するAI機能を導入するともしています。

すべての情報はユーザーのネットワーク上にローカルに保存され、個人のデータはクラウドに保存されず、本人の同意なしに第三者がアクセスすることもできないとのこと。

<参照URL>
https://insights.samsung.com/2025/01/22/samsung-unpacked-january-2025-full-replay-and-highlights/
https://www.samsung.com/us/support/owners/app/smartthings
Official Replay | Galaxy Unpacked January 2025 | Samsung

Sakana.ai

Fine tuning不要で新しいタスクを学習できる自己適応型言語モデルTransformer²(Transformer-squared)を発表

新しいタスク用に LLM を構成するには、モデルを新しい例でトレーニングし、パラメータを調整する、コストのかかる微調整プロセスが必要で、コスト効率の高いアプローチは、「低ランク適応」(LoRA) があります。

Sakana aIは、周囲の環境に応じて、自身の色や形を変化させることができるタコの擬態能力を例に、既存のLLM(今回はLlamaやMistralを使用)を分解し、モデルの得意分野・苦手分野を精密に分類、プロンプト入力ごとに最適な処理方法を自動調整し、従来方式(LoRA)と比較して優れたベンチマーク結果を実現したとのこと。

モデルの重みの重要なコンポーネントを選択的に調整することで、LLMがリアルタイムで新しいタスクに動的に適応することを可能にしたとしています。

<参照URL>
https://sakana.ai/transformer-squared/

OpenAI

新機能Tasksをベータ公開

ChatGPT Plus、Team、および Pro ユーザーはTasks を使用して事前にアクションをスケジュールできるとのこと。

Tasksは ChatGPT のすべてのバージョンで動作し、デスクトップ、Web、モバイルを通じて通知を送信でき、定期的なリマインダーまたは 1 回限りのリマインダーにすることができるとしています。

たとえば、プロジェクトのリマインダーや毎日の天気予報を受け取りたい場合、ChatGPT にプロンプトを入力すると、選択した日時が通知されます。

<参照URL>
https://help.openai.com/en/articles/10291617-scheduled-tasks-in-chatgpt

ウェブブラウザを制御し、特定のアクションを実行できるAIエージェントOperatorをプレビュー

GPT4oのVisionモデルと推論モデルを組み合わせたComputer Using Agent(CUA)を搭載するOperatorは、operator.chatgpt.comにアクセスし、その可能ブラウザ上でボタンを使用したり、メニューを操作したり、Web ページ上のフォームに入力したりすることができるとのこと。

ショッピング、配達、食事、旅行など、ユーザーが選択できるタスクカテゴリがあり、そのカテゴリに関してのさまざまな種類の自動化が可能とし、OpenTableでレストランの予約をしたり、InstacartやDoorDashで注文をまとめたりできるとしています。

ChatGPT Proプランの米国ユーザー向けに提供され、最終的にはPlus、Team、Enterpriseなどより多くのユーザーにこの機能を展開する予定としています。

<参照URL>
https://openai.com/index/introducing-operator/
https://help.openai.com/en/articles/10421097-operator
Introduction to Operator & Agents

Mistral AI

コード補完AIモデル Codestral 25.01をリリース

低レイテンシ、高頻度のアクションに最適化されており、コード修正、テスト生成、中間補完タスクをサポート。

より多くのデータとモデル常駐ユースケースを持つ企業にとって役立つ可能性があるとしています。

コード アシスタントContinueによりローカルにデプロイ、もしくは、Mistral の la Plateforme、Google Vertex AI で API アクセスすることもできるとともに、Azure AI Foundry でプレビュー版として利用でき、まもなく Amazon Bedrock でも利用できるようになるとしています。

<参照URL>
https://mistral.ai/news/codestral-2501/

IPOを計画

<参照URL>
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-01-21/french-ai-champion-mistral-isn-t-for-sale-ceo-mensch-says

HuggingFace

スマートフォンなどで実行可能なVision Language Model(VLM)、SmolVLM-256M をリリース

オープンソースで利用可能なSmolVLM-256Mは、1 GB未満の GPU メモリしか必要とせず、Idefics 80B モデル(300 倍の大きさ) のパフォーマンスを上回ります。

このサイズ クラスではこれまで達成できなかった速度で画像を処理し、視覚コンテンツを理解できるとのこと。

15GB RAMと64のバッチサイズで1秒あたり16個のサンプルを処理、毎月100万枚の画像を処理する中規模企業にとって、これは年間のコンピューティングコストの大幅な節約につながるとしています。

IBMはHugging Faceと提携し、256Mモデルを同社の文書処理ソフトウェアDoclingに統合したとのこと。

<参照URL>
https://huggingface.co/blog/smolervlm

Anthropic

新API機能Citationsをリリース

Claude 3.5 Sonnet と Claude 3.5 Haiku で、開発者はソース ファイルを追加して、モデルがそのファイルから推測した内容を自動的に引用するようにすることができようになるとのこと。

ドキュメントの要約、Q&A、顧客サポートなどでモデルがソース引用を挿入するようにできるとしています。

なお、ソース ドキュメントの長さと数に応じて料金が発生する可能性があるとのこと。

<参照URL>
https://www.anthropic.com/news/introducing-citations-api

AIチャットボットClaudeに双方向会話モードと過去の会話を記憶するメモリー機能をリリース予定

<参照URL>
https://www.wsj.com/livecoverage/stock-market-today-dow-sp500-nasdaq-live-01-21-2025/card/anthropic-ceo-says-ai-could-surpass-human-intelligence-by-2027-9tka9tjLKLalkXX8IgKA

NVIDIA

NeMo Guardrails NIMをアップデート

ガードレールの基本的な考え方は、LLMにポリシー制御を提供し、不正な出力や意図しない出力を防ぐことです。

NeMo Guardrail組織がより簡単に導入し、よりきめ細かい制御を行えるようにしたとのこと。

  • コンテンツ セーフティ NIM
    35,000 個の人間による注釈付きサンプルを含む Aegis コンテンツセーフティデータセットでトレーニングされ、有害、非倫理的なコンテンツをブロック。
  • トピック制御 NIM
    AI のやり取りが事前に定義されたトピックの境界内にとどまるようにし、会話の逸脱や不正な情報開示を防ぐ。
  • 脱獄検出 NIM
    17,000 件の既知の成功した脱獄からのトレーニングデータを活用して、巧妙なハッキングによるセキュリティバイパスを防止。

<参照URL>
https://blogs.nvidia.com/blog/nemo-guardrails-nim-microservices/

Snowflake

推論モデルを最適化する手法SwiftKVをLlamaベースの自社モデルのvLLMに統合

SwiftKVは、推論プロセスの効率を向上させ、LLM 推論スループットが 50% 向上、SwiftKVに最適化されたSnowflake-LLama-3.3-70BおよびSnowflake-Llama-3.1-405Bは、SwiftKV なしで実行したLlama 3.3 70B および Llama 3.1 405B モデルと比較して推論コストが最大 75% 削減されたとしています。

これは、要約、翻訳、感情分析などの非構造化テキスト処理タスクのスループットの向上が期待でき、チャットボットやCoPilotなど、遅延の影響を受けやすいシナリオでは、SwiftKVにより、最初のトークンまでの時間、つまりモデルが最初の出力を生成して返すまでの時間が最大50%短縮されるとしています。Snowflake 内で直接 AI および機械学習モデルを構築、展開、拡張できるようにするクラウドデータプラットフォームCoretex AIで利用可能とのこと。

<参照URL>
https://www.snowflake.com/ja/blog/up-to-75-lower-inference-cost-llama-meta-llm/
https://www.snowflake.com/en/engineering-blog/swiftkv-llm-compute-reduction/

Instabase

Seiries D $100Mを調達

2015年設立のInstabaseは、AIを活用した独自のコンテンツ理解テクノロジに基づく非構造化データ(メール、マルチメディアファイル、PDFなど)のデータ管理プラットフォームAI Hubを提供。

ローコード開発と高度なAIを組み合わせることで、企業が複雑なワークフローを自動化し、会話型AIエージェントを活用してユーザーを支援し、エンタープライズ検索を通じてインサイトを提供します。

<参照URL>
https://www.businesswire.com/news/home/20250117260417/en/Instabase-Announces-100M-Series-D

Cisco Systems

企業のAIプロジェクトをAIツールの悪用、データ漏洩、高度な脅威から保護するCisco AI Defenceをリリース

既存のソリューションでは防御できない、または防御する準備ができていない、新たな安全上の懸念やセキュリティ上の脅威に対処するためアプリケーションの検出、自動モデル検証、ランタイム セキュリティなどのツールを提供するとのこと。

AI システムを脆弱性から保護し、モデルの動作を保護し、プラットフォーム間でのプロンプトインジェクションやデータ漏洩などの脅威を防止できるとしています。

また、認可された AI ツールとシャドー AI ツールの可視性を確保し、アクセス制御を実施して機密データを保護。

データ漏洩を防ぎ、コンプライアンスを維持し、急速に進化する脅威環境においてAI ツールを安全に使用できるとのこと。

<参照URL>
https://www.cisco.com/site/us/en/products/security/ai-defense

RedHat

Red Hat OpenShift Virtualization Engine の一般提供を発表

仮想マシンの導入、管理、スケーリング用にカスタマイズされたオーケストレーションプラットフォームであるRed Hat OpenShift Virtualization Engineを発表。

KVM ハイパーバイザーを使用し、Red Hat Enterprise Linux やベアメタルクラウドサービスなどのオンプレミス ハードウェア上で実行可能とのこと。

他の仮想化プラットフォームから移行する際に、運用の中断を最小限に抑えるMigration Toolkit for Virtualizationや、VM ライフサイクル管理を集中化し、VM のプロビジョニング、監視するAdvanced Cluster Management for Virtualizationを含みます。

また、CNCF KuadrantをベースにGateway API と Envoyも組み合わせることで、異種プラットフォーム間でアプリケーションを接続、ハイブリッドマルチクラウドトラフィック管理、ポリシー適用、およびRBACを提供するRed Hat Connectivity Link の一般提供も発表しています。

<参照URL>
https://www.redhat.com/en/technologies/cloud-computing/openshift/virtualization-engine
https://www.redhat.com/en/blog/introducing-red-hat-openshift-virtualization-engine
https://docs.redhat.com/ja/documentation/red_hat_connectivity_link/1.0

Intel

自社のCVC、Intel Capitalを独立企業として分離

大手企業によるCVCのさきがけの一つとして、1991年に設立され、資産50億ドルのIntel Capitalは、CTCAにてベンチマーク・連携するVCの一つであり、CRO/DSGで評価検討中のArticul8はこのCVCからの紹介です。

今後、今年後半に独立し、既存の従業員はそのまま維持、分割の一環として名称が変更される可能性もありますが、その計画はまだ確定していないとのこと。

資金をIntelからのみ受け取る既存のモデルから移行し、外部の投資家から資金を調達することができるようにはなります。CVCのスピンオフとしては、SAPがSAP Venturesを独立企業としてスピンオフさせ、後にSapphire Venturesになった例があります。

<参照URL>
https://www.intc.com/news-events/press-releases/detail/1725/intel-capital-to-become-standalone-investment-fund

HPE Aruba

小売り向けWiFiソリューションを発表

ミッションクリティカルなアプリへのバックアップ接続の提供、ポップアップストアのサポート、小売環境でのITインフラストラクチャの展開の簡素化などを発表しています。

  • HPE Aruba Networking 100 Series Cellular Bridge
    ブランチオフィスやポップアップストア向け4GLTE・5G FWAによるプライマリー・セカンダリ接続可能なブリッジ
  • CX 8325H スイッチ
    エッジコンピューティング向けのGPU搭載コンパクトサーバーである
  • HPE ProLiant DL145 Gen 11 と統合可能な18 ポート スイッチ
    セルフチェックアウトの取引監視に、ビデオデータをローカル サーバーに送信し、AI モデルが分析、取引に何か問題があれば、システムはリアルタイムで取引を停止できるとのこと。
  • HPE Aruba Networking Central AI Insights
    小売店の店頭オペレーション向けに開発、AI を使用して Wi-Fi 設定を自動的に調整し、外を通り過ぎる人などによる干渉を軽減することで、顧客とスタッフが常に安定した接続を利用できるように。ネットワークの問題、インターネットの問題、アプリの不具合など、何か問題が発生した場合、Central AI Insights が問題の診断を支援。また、IoT デバイスを監視し、疑わしいアクティビティを見つけることもできるとのこと。

<参照URL>
https://www.hpe.com/psnow/doc/a00141937enw
https://www.hpe.com/psnow/doc/a00142954enw
https://www.arubanetworks.com/techdocs/central/2.5.3/content/insights/overview.htm

Sysdig

Wiresharkのクラウド向けオープンソースツールStratosharkリリース

ランタイムセキュリティツールのFalco ライブラリ、リポジトリ、プラグインを活用して、クラウドの詳細な可視性と使い慣れた Wireshark 機能を統合、クラウド版Wiresharkとして、クラウド環境のシステム コールとログ分析を可能にしているとのこと。

<参照URL>
https://wiki.wireshark.org/Stratoshark
https://sysdig.jp/press-releases/sysdig-unveils-stratoshark-extending-wireshark-to-cloud/

川島 宏司 川島 宏司

2007年中途入社、十数年に渡り通信キャリア様コア・データセンターネットワークの仕様策定/設計/構築に従事。 3年間の米国駐在を経て、通信キャリア様向け中長期戦略を主務とする傍ら、社内外に海外トレンド発信・新製品紹介も行う「いろいろやってる職」の人。