Grobal IT Topics Report

Global IT Topics Report # 27

作成者: 川島 宏司|2024.10.24

トレンド

データセンター市場

データセンター技術は爆発的に成長しているが、スタートアップにとってその技術の採用は容易ではない

世界のデータセンター市場は3,010億ドルの価値があると推定されており、2030年までに2倍以上の6,224億ドルの市場に成長すると予測されています。

一方で、データセンターは現在米国の総電力の約4%を消費しており、2030年までに2倍以上の9%に成長すると予測されています。

データセンター業界のエネルギー危機と環境への影響を解決しようとIncoolingやSubmerなどのスタートアップ企業は、冷却して熱の発生を抑えPhaidra などの他の企業は、データセンターの冷却をより効率的に管理するソフトウェアを提供。

Verrus社はマイクログリッドを使用して、より「柔軟な」データセンターを構築し、Sage Geosystems 社は、天然ガスの代わりに加圧された温水を使用して電力を供給する方法を確立しています。

一方で、データセンターは莫大な費用がかかる資産であり、数十億ドル規模の施設です。

スタートアップ企業が自社の技術をテストしたり、チャンスを与えてくれるパートナーを見つけることは実際には難しく、MicrosoftやAppleのような一握りの大企業にしか販売しないベンチャー規模の企業を作るのは難しいとされます。

<参照URL>
https://www.psmarketresearch.com/market-analysis/data-center-market#:~:text=Therefore%2C%20during%20the%20pandemic%2C%20the,the%20end%20of%20this%20year.
https://www.epri.com/research/products/000000003002028905
https://www.datacenterknowledge.com/regulations/data-center-legislation-how-new-laws-affect-industry-growth

5G Americas

6Gレポートを発表

バイデン政権・Ericsson・Nokiaが重視する7GHz 帯にフォーカス、AI、スマートシティ、没入型体験の次の波に欠かせない高速で信頼性の高いネットワークを実現するとしています。

6Gセルサイトの平均容量は5Gネットワークの800Mbpsに対して18Gbpsに達する可能性があるとのこと。

一方で、初期の6Gカバレッジは4G/5Gネットワークのカバレッジと比較して良好ではない可能性があるともしています。

*なお6Gに関して、3GPP は、標準規格の開発作業を開始したばかり

 

なお、世界各国の通信事業者やベンダー各社は、自分たちの研究が将来の6Gネットワークの先駆けとなるとしていますが、こうした主張の理由の1つは、5Gでの不況とされます。

通信事業者は、収益を生む新たなサービスが不足する中でネットワークへの支出を削減しており、ベンダーは6G関連のネットワークアップグレードの次のラウンドに希望を託していると見られています。

その結果、現在、ベンダーに対し、5Gの初期のように6Gを過度に宣伝しないように警告する声も出始めているとのこと。

リセットの時が来た、関係者が立ち止まり、方向性を再考し、消費者、企業、公共部門のユーザーが望むものと一致すると同時に、バリューチェーンに携わるすべての人に利益をもたらす、より良い6Gのビジョンを策定するとして6gresetなるグループが立ち上がっている模様。

<参照URL>
https://www.5gamericas.org/wp-content/uploads/2024/10/The-6G-Upgrade-in-the-7-8-GHz-Spectrum-Id.pdf

ワールドワイドキャリア

Vodafone

生成AIでGoogleとの提携を強化

GCPと協力し、Gemini搭載デバイスを欧州とアフリカのVodafone顧客に提供する10億ドルの10年契約を締結したとのこと。

AI対応Pixelデバイスを拡販し、GCPのGenAI技術をVodafoneのセットトップボックスに導入、2025年までに一部の地域でGemini Advancedを含むGoogle One AI Premiumサブスクリプションプランを提供、Google Cloudとのパートナーシップを拡大し、企業顧客向けに新しいクラウドネイティブのセキュリティサービスを開発するとしています。

Vodafone はGCPのエンタープライズ AI プラットフォームである Vertex AI も使用して、Google の Gemini モデルでサポートされている機械学習モデルと AI アプリケーションを構築、展開するとのこと。

<参照URL>
https://www.vodafone.com/news/technology/vodafone-and-google-deepen-strategic-partnership-with-10-yr-deal

住友商事との合弁会社PairpointとMastercardとIoTで提携

貨物、船舶、フリートなどの間で自動支払いを可能にしたとのこと。

Pairpoint プラットフォームを Mastercard Gateway に接続し、たとえば、運送会社の車両が充電ステーションで支払いを行えるようにしたり、貨物会社が港湾料金など、特定のルート沿いの事前承認された施設の支払いを可能にしたりするとのこと。

Pairpoint 対応デバイスには、SIM カード内に保存されたデジタル ID が割り当てられ、Pairpoint はこれを使用して、プラットフォーム上の他の対象デバイスとのやり取りを可能にするとしています。

<参照URL>
https://www.mastercard.com/news/europe/en/newsroom/press-releases/en/2024/vodafone-sumitomo-corporation-and-mastercard-team-up-to-advance-the-economy-of-things/

DT

CEO、DT内でのAI活用と効果を力説

通信会社向けにFine TuiningされたLLMに基づく新しい顧客対応チャットボットをリリースする予定とのこと。

AIチャットボットが質問に答え、顧客がカスタマーサポートと話す必要がなくなれば、25% から 30% の効率向上が達成されると想定しているとしています。

また、財務報告などに AI を使用すると、効率が 10% 向上し、自律制御プロセスと予防保守により、パターンの異常を認識することで、生産性が 15% 向上するともしています。

DTが顧客アプリケーション用に作成する基本コードの一部も AI で作成し、期待される効率向上率は 35% とのこと。

 

なお、同じ会議にて、2026年末までに3,000のオOpenRANサイトを運用するという目標は2027年にあと倒しされています。

<参照URL>
https://www.telekom.com/en/investor-relations/publications/capital-markets-days

政府・団体

AI Platform Alliance

AI コンピューティング サービスを運用するために必要な主要なチップとハードウェアを、よりオープンで経済的かつ持続可能なソリューションと組み合わせるAI Platform Alliance、新規参加メンバーを発表

Ampere Computing、Cerebras Systems、Furiosa、Graphcore、Kalray、Kinara、Luminous、Neuchips、Rebellions、Sapeon などの創立メンバーで構成されるAI Platform Allianceは、実用的で簡単に導入できるソリューションで構成されるAI 推論向けのエコシステムをマーケットプレイスで提供するとのこと。

Adlink、ASRock Rack、ASA Computers、Canonical、Clairo.ai、Deepgram、DeepX、ECS/Equus、Giga Computing(Gigabyte)、Kamiwaza.ai、Lampi.ai、Netint、NextComputing、opsZero、Positron、Prov.net/Alpha3、Responsible Compute、Supermicro、Untether、View IO、Wallaroo.ai が新規参加しています。

<参照URL>
https://platformalliance.ai/members/

米国政府

米司法省、Googleを分割することを検討

米司法省と州司法長官連合は、検索と検索広告におけるGoogleの独占に対して包括的な枠組みを発表。

Google が Chrome や Android などの製品を使用して、自社の検索エンジンを競合他社より優位にすることを阻止するため、Googleに強制的に一部事業の売却をするよう連邦裁判所に要請することを検討しているとのこと。

Googleは、米司法省の提案を「過激かつ包括的」と呼び、「米国の技術革新と米国の消費者に予期せぬ悪影響」をもたらす可能性があると警告しています。

<参照URL>
https://storage.courtlistener.com/recap/gov.uscourts.dcd.223205/gov.uscourts.dcd.223205.1052.0.pdf
https://blog.google/outreach-initiatives/public-policy/doj-search-remedies-framework/

LasVegas

エッジスタートアップVapor IOが、NVIDIAハードウェアベースのPrivate 5Gを展開

NVIDIA AI Aerial CUDA・GH200を搭載するSuperMicro NVIDIA MGXプラットフォームを使用したPrivate 5G AI-RANを展開。

Zero Gap AI エッジ インフラストラクチャにより、エッジ データ センター間でワークロードを動的にシフトし、パフォーマンスをリアルタイムで最適化できるようになったとのこと。

AIコンピュータービジョンを組み込んだカメラとAI推論用LLMを組み合わせ、迷子や行方不明者の探索といったPublic Safetyと交通自動化に活用しているとのこと。

<参照URL>
https://www.vapor.io/inzone/las-vegas/
https://www.vapor.io/resources/press-releases/vapor-io-brings-nvidia-ai-aerial-to-the-city-of-las-vegas/

Tech Giants

Google

Gemini Code Assist Enterpriseを提供開始

組織のコードベースを理解し、大きなコンテキストウィンドウを備え、カスタマイズが可能なため、開発者はより速くコードを記述でき、ユーザー 1 人あたり月額 45 ドル、または年間サブスクリプションで月額 19 ドルでアクセスできるとのこと。

リポジトリ全体の Java バージョンのアップグレードなどの複雑なタスクも完了できるとしています。

Firebase、データベース、BigQuery、Colab Enterprise、Apigee、Application Integration などの他の Google Cloud サービスに直接接続でき、来年初めには GitHub および GitLab ライブラリをインデックス化し、セルフホスト ライブラリをサポートする予定で、接続するサービスが増えるほど、開発者はより速くアプリケーションを作成して提供できるようになるともしています。

また、Gemini Code Assist Enterprise によって生成されたすべてのコードに対して補償 (訴訟の可能性に対する法的保護) も提供するとのこと。

コード生成AIは、GitHubのほか、Oracle、Harnerssなどがリリースしています。

<参照URL>
https://codelabs.developers.google.com/codelabs/code-assist-enterprise?hl=en

SpotHeroと提携し、駐車場の予約がGoogleマップと検索で利用可能に

SpotHeroは、北米全域で 1,000 万人以上のドライバーにサービスを提供、駐車場予約の販売額は 15 億ドルになるとされます。

今回SpotHeroサービスをGoogleマップとGoogle検索に統合、目的地近くで、EV 充電、車椅子対応、係員付き駐車サービスを提供しているなどのさまざまな駐車場を検索し、両方のアプリから事前にオンライン予約可能になるとのこと。

米国とカナダのユーザーが8,000か所以上の駐車場を予約できるようになるとしています。

<参照URL>
https://blog.google/products/maps/maps-waze-new-features-information-on-the-go/

Amazon

AI ショッピング ガイドを発表

ガイドは、10/10に米国・カナダのアプリから実装され、Amazon.com の 100 種類以上の製品を網羅し、消費者が購入前に調べる重要な情報を集約するとともに、そのカテゴリで最も信頼されているブランドのリストを提供するとのこと。

レビューから得た他のユーザーの製品に関する意見、使用例、主な機能、人気ブランド、使用されている用語などを提供し、消費者が自分のニーズに基づいて絞り込まれた製品を閲覧することで選択肢を絞り込むのを支援するとしています。

Amazon Bedrockを使用して構築され、生成AIを活用し、LLMを使用して、Amazonの製品ラインナップ全体で各ガイドにどの情報を含めるべきかを学習させており、状況の変化に応じてガイドを最新の状態に保つとのこと。

<参照URL>
https://www.amazon.com/guide
https://www.aboutamazon.com/news/retail/amazon-ai-shopping-guides-product-research-recommendations
https://press.aboutamazon.com/2024/10/amazon-announces-ai-shopping-guides-generative-ai-powered-buying-guides-that-seamlessly-bring-together-product-research-and-relevant-products

次世代フルフィルメントセンターを発表

ルイジアナ州シュリーブポートにある300万平方フィートの倉庫は5階建てで、フットボール場55個分に相当。

Amazonの標準的なフルフィルメントセンターの10倍のロボットを導入するとのこと。(全米のセンターに100万台近くのロボットシステムを導入済み)

人間の関与は必要とし、2,500 人を雇用しつつ、自律移動ロボット (AMR) Kiva と在庫管理ロボット アーム Robin、Cardinal、Sparrow に加えて、最先端のマルチレベルコンテナ在庫システムで、従業員がより迅速かつ安全に3,000 万点以上の商品を保管およびピッキングできるようになるとするSequoia を導入するとしています。

<参照URL>
https://www.aboutamazon.com/amazon-fulfillment-center-robotics-ai

自社配送用EVにAIを活用した新しい荷物回収技術を追加すると発表

2020年初頭から開発が進められてきたAmazonの視覚支援荷物回収(VAPR)は、AWS IoT Greengrass とSageMakerを利用しており、接続されたデバイスで AI モデルとソフトウェアを実行。

車載プロジェクターとカメラでパッケージのバーコードを自動的にスキャンし、現在の停車地点で配達予定の荷物を緑の丸、それ以外を赤のXで強調表示することで、運転手は毎回バンを止めて荷室の荷物を探し回る必要がなくなるとのこと。(停車1回あたり2~5分かかっていた時間を1分未満に、配達員の配達ルートあたりの時間を30分以上短縮できるとのこと)

また、ドライバーが適切な荷物を選択したかどうかを音で知らせることで、現在配達ドライバーが使用しているハンドヘルドデバイスが不要になるとしています。

2025年初頭までにAmazonが採用しているRivianのEVバン1,000台に搭載される予定としています。

<参照URL>
https://www.aboutamazon.com/news/transportation/amazon-vapr-delivery-van-packages

Meta

動画広告を作成するための生成AIツールを発表

Metaによれば、平均的なユーザーは、現在 Facebook や Instagram での時間の 60% 以上を、リール、動画、ライブストリームなどの動画視聴に費やしているとしています。

今回の新しいフルスクリーン動画タブを通じて、スタンドアロンの動画広告やカルーセル広告、インストリーム広告、オーバーレイ広告など「多様な広告フォーマット」を提供し、広告主が視聴ユーザーのクリックを獲得するための選択肢を豊富に提供するとのこと。

Ads Manager Advantage+パッケージで無料で提供される新しい生成AIベースの広告クリエイティブツールを使用して作成された広告キャンペーンは、従来の方法で作成されたものよりも平均 11% 高いクリックスルー率を達成しているとしています。

また、画像アニメーション機能により、広告主は単一の静止画像をアニメーション化し、Instagram Reels用の動画ベースの広告を作成できるともしています。

<参照URL>
https://web.facebook.com/business/news/Unlock-Video-Performance-with-GenAI-and-Creator-Marketing?_rdc=1&_rdr
https://www.facebook.com/business/news/Introducing-Enhanced-Gen-AI-Features-and-Other-Tools-to-Help-Build-Your-Business

企業

Uber

2025年からOpenAIのGPT-4oを搭載した運転手向けAIアシスタントを米国で開始する予定

サービス開始時点では、アシスタントはどこでEVを充電するか、どのEVを購入すべきかといったEVに関する質問にのみ答え、将来的には他のユースケースにも拡大される可能性があるとのこと。

ドライバーはUberドライバーアプリのホーム画面からAIアシスタントをテキスト・音声で利用でき、チャットボットは新しい情報で継続的に更新されるとしています。

Uberによると、ドライバーのニーズ、居住都市、利用可能なインセンティブに基づいて、パーソナライズされた回答を提供することもできるとのこと。

<参照URL>
https://aibusiness.com/generative-ai/uber-uses-chatgpt-ai-assistant-to-encourage-electric-car-use

Walmart

独自のLLMのテストを開始

小売業に特化した LLM である Wallaby は、数十年にわたる Walmart データに基づいてトレーニングされており、Walmart の従業員と顧客の会話を理解し、Walmart の顧客サービスの中核となる価値観に沿うよう、より自然な口調で応答するようにトレーニングされているとのこと。

社内モデルの開発には費用がかかり、サードパーティのモデルを微調整するだけでも費用がかかりますが、世界最大の小売業者は、AI モデルを試すための資金力があり、モデルを充実させる大量の顧客、従業員、物流、小売データも保有しています。

Wallaby はまだ使用されてはおらず、従業員を対象に集中的にテストしており、今後 1 年間で、活用し始める予定としています。

Walmartでは、もともと社員教育用チャットボットやサプライチェーン管理などにAIを活用しており、Elementと呼ばれるプラットフォームを使用して、サードパーティ製LLM(もともとGPT-4を利用)や独自LLM などさまざまなモデルをテスト、課題ごとに複数モデルを組み合わせるとしています。

<参照URL>
https://corporate.walmart.com/news/2024/10/09/walmart-reveals-plan-for-scaling-artificial-intelligence-generative-ai-augmented-reality-and-immersive-commerce-experiences
https://tech.walmart.com/content/walmart-global-tech/en_us/blog/post/walmarts-element-a-machine-learning-platform-like-no-other.html

Tesla

ロボタクシーの試作車を発表

完全自動運転のCyberCabを発表。

生産は2026年か2027年に始まるとしていますが、ハンドルやペダルがないため、現在の米自動車安全法に準拠していませんので課題が残ります。

そのほか、20名が乗車可能なRobo Banの試作車も発表しています。

また、Teslaのオーナーは自分の車両をTeslaの配車アプリに追加して、貸し出すことで、車が使われていないときに余分な収入を得ることが可能になるとしています。

<参照URL>
https://www.tesla.com/we-robot

ベンダ

dpt

Coalesce 2024を開催 dbt Cloudのアップデートを多数発表

dbt Labs は、企業がデータを変更し、処理と分析を容易にするために使用できるクラウドベースのデータ変換ツールを提供。

複数のスプレッドシートを 1 つのファイルに統合したり、データセット内の不正確な部分をフィルタリングしたり、複数のDB間でデータのフォーマット方法を変更するなどを実行する包括的なデータ プラットフォームとであるdbt Cloudは、Snowflake、Databricks、Google BigQuery など、さまざまなDWHと互換性を有します。

今回のイベントの目玉は、dbt Copilotで、「AIエンジン」と説明されており、これまで常に手動で行わなければならなかった多数のタスクを自動化することで、テスト、ドキュメント、セマンティックモデルを自動生成する機能を有し、分析プロセスを加速するとのこと。

ユーザーが自然言語でデータについて質問できるチャットインターフェイスも用意されており、Snowflake の dbt ネイティブ アプリから利用できるとしています。(現在β版)

加えて、ユーザーがデータを統合するために dbt モデルを探索できるローコードのドラッグ アンド ドロップ環境であるVisual Editor Experienceや、Apache Iceberg のサポートも追加。

Icebergにより、ビッグデータ用の構造化クエリ言語テーブルの使用が可能になり、Spark、Trino、Athena、Databricks、Starburst、Dremio などのエンジンが同じテーブルを安全に操作できるようになるとしています。

<参照URL>
https://coalesce.getdbt.com/
https://www.getdbt.com/blog/introducing-dbt-copilot

Databriks

ユーザーが数クリックでAIアプリケーションを構築できるDatabriks Appsを発表

企業は、適切なインフラストラクチャのプロビジョニングから開発されたアプリケーションのセキュリティとアクセス制御の確保に至るまで、開発サイクル全体の運用上の煩わしさに苦労し続けているとし、信頼性の高いアプリを安全かつ管理された方法で本番環境に導入するプロセスは簡単ではないとのこと。

テンプレートベースで、関連するデータと選択したフレームワークを、Databricks 環境内で実行できるアプリに接続、わずか 5 分で安全なアプリを作成して展開できるようにしたとしています。

ユーザーが行う必要があるのは、一連のオプション (Streamlit/Dash/Gradio/Flask) からPython フレームワークを選択し、開発するアプリの種類 (チャットボットまたはデータ視覚化アプリ) のテンプレートを選択し、リソースのマッピング (データ ウェアハウスや LLM など) や権限の定義(Unity Catalogと統合)などのいくつかの基本設定を構成することだけとのこと。

<参照URL>
https://www.databricks.com/blog/introducing-databricks-apps
https://www.databricks.com/product/databricks-apps
https://docs.databricks.com/en/dev-tools/databricks-apps/index.html

Snyk

リスクベースのアプリケーションセキュリティにAI機能を搭載

コードのセキュリティ問題の優先順位付けと修復を効率化し、生成 AI によるコード生成の安全な導入を強化したとのこと。

  • DeepCode AI

    開発者はコードの作成時にIDE内で直接セキュリティの脆弱性に対処できます。

    重大なリスクをリアルタイムで特定して優先順位を付け、AIを活用した推奨事項を使用して開発者が問題をより迅速に解決できるように。

    Snykの自社開発のLLMを使用して修正を生成することで、より高い精度と強化されたセキュリティを確保、開発者はワークフローの中断を最小限に抑えながら、検証済みのソリューションを実装できます。

  • Snyk Analytics

    強化された開発者分析と問題分析により、組織のセキュリティ体制についてより深い洞察を得ることができます。

    これらのツールは、どの開発チームが Snykツールを使用しているかを追跡し、90 日間で直面した主要なセキュリティ上の課題をハイライトします。

    また、このサービスでは、Snowflake AI Data Cloudとの統合により、チームが内部セキュリティデータとコンテキスト分析を組み合わせて、アプリケーションのセキュリティリスクをより包括的に把握できるようになります。

  • AppRisk

    リスク スコアが強化されてアーキテクチャ、ビジネス価値、ランタイム状態などの要素が含まれるようになり、アプリケーションのセキュリティ体制を 360 度で把握できるようになりました。

    組織は脆弱性をより効果的に優先順位付けし、最も重要なリスクに修復作業を集中させることができ、リスク管理が合理化され、企業はセキュリティの取り組みをアプリケーションのパフォーマンスとビジネス目標の両方に合わせることができます。

<参照URL>
https://snyk.io/jp/news/snyklaunch-october-2024-introduces-enhanced-ai-driven-security/

PagerDuty

企業がサーバーの停止やその他の技術的問題に迅速に対応できるようにするAI機能を発表

PagerDuty Operations Cloud は、AI と自動化を統合し、インシデント管理ライフサイクル全体を合理化するとし、企業のIT環境で何かが壊れたときにそれを検出し、インシデントに関するデータを収集して管理者に通知、誤検知のフィルタリングなども提供します。

今回、PagerDuty Advanceを基にして、IT の不具合を検出し、故障に至るまでの数時間にワークロードに加えられた可能性のある変更を識別、管理者はチャットボットを使用して、Microsoft Teamsから、インシデントに関する情報にアクセスできるようになるとのこと。

また、Event Orchestrationにより、アラートの緊急度を判断して分析するための準備の手作業を、より広範囲に自動化できるように立ったとしています。

<参照URL>
https://www.pagerduty.com/platform/generative-ai/

SAP

Joule AIアシスタントをアップグレード

Jouleは、従業員に SAP アプリケーションの使用方法に関するヒントを提供しています。

たとえば、財務アナリストは収益予測の作成方法を尋ねることができ、企業が SAP アプリケーションに保存している記録に関する質問にも答えることができるため、ユーザーはデータを手動で精査する手間が省けるとしています。

アップグレードでは、顧客がSAPアプリケーションで実行する最も一般的なビジネスタスクの80%をカバーするように拡張。

取引に関与する当事者の一方が特定の詳細に異議を唱える状況を軽減できるとしています。

たとえば、顧客が二重請求されたと主張する場合、Joule のエージェントは主張の検証に必要な作業の一部を自動化し、クレジットの不足など、その他の取引エラーの管理も軽減するとのこと。

また、財務担当者が会社の請求書をより迅速に支払い、会計記録が保存されている元帳を更新することを支援、
AI 機能により、会計記録のエラーが削減されるともしています。

 

また、BTPにて、データ管理、分析、AI、自動化、アプリケーション開発など、複数の主要機能を提供、SAP システムと非 SAP システムのデータを接続、保存、管理し、 SAP Analytics Cloud やその他の下流アプリケーション用ツールとリンクできるDataSphereにデータレイク機能を追加しています。

<参照URL>
https://news.sap.com/2024/10/sap-teched-copilot-joule-collaborative-capabilities-enterprise-ai/

HuggingFace

機械学習アプリケーションを構築するためのオープンソースツールの最新版Gradio 5をリリース

HuggingFaceは、2021年にGradioを買収し、自社AI開発スタジオの基盤として活用、月間ユーザー数は200万人を超え、これまでに47万以上のアプリが構築されているとしています。

今回の新バージョンでは AI アプリの作成ツール、Web開発用の追加機能、強化されたセキュリティ機能を追加、自然言語プロンプトのみを使用して AI アプリを簡単に作成およびプレビューできるAI Playgroundを導入し、ユーザーは簡単にWebアプリのプレビュー版を生成し、Web ブラウザーで実行できるようになるとのこと。

また、HuggingFaceのAIモデルハブと統合され、モデルがリポジトリにアップロードされると、開発者は Gradio に読み込み、わずか数行のコードと、いくつかの音声コマンドだけで新しい Web アプリケーションを構築できるとしています。

<参照URL>
https://huggingface.co/blog/gradio-5

OpenAI

AIエージェントのネットワークを編成する実験的なフレームワーク「 Swarm 」を発表

Swarmは、コミュニケーション、コラボレーション、複雑なタスクへの自律的なアクションが可能なマルチエージェントシステムを実現する相互接続された AI ネットワークを作成するためのBlueprintを開発者に提供、幅広い開発者にとってよりアクセスしやすいものにするとのこと。

理論的には、さまざまな部門に特化した AI エージェントのネットワークを構築でき、これらのエージェントは連携して、市場動向の分析、マーケティング戦略の調整、セールスリードの特定、顧客サポートの提供などで、人間の監視・介入を最小限に抑えて実行できることが期待されます。

人間の介入を極力抑える自律エージェントの可能性、ということで、セキュリティ専門家は、自律エージェントのネットワークの誤用や誤動作を防ぐための強力な安全対策の必要性を強調し、個人や社会に大きな影響を与えるという考えから、偏見と公平性に関する懸念、雇用喪失の恐怖といった反応がさっそく出ています。

OpenAIは、SwarmはOpenAIの公式製品ではなく、レシピのようなものだと考えてほしいとしており、これは単純なエージェントを構築するための実験的なコードで、本番環境向けではなく、当社によるメンテナンスも行われないとしています。

<参照URL>
https://github.com/openai/swarm

Anthropic

Message Batch AIをリリース

企業は、リアルタイムAPI Callについて、入力トークンと出力トークンの両方で半分のコストで大量のデータを処理できるようになるとのこと。

24 時間以内に最大 10,000 件のクエリを非同期的に処理し、ビッグデータを扱う企業にとって高度な AI モデルをよりアクセスしやすく、コスト効率の高いものにできるとしています。

Claude 3.5 Sonnet、Claude 3 Opus、Claude 3 Haiku モデル用のBartch APIは、Amazon Bedrockを通じて Claude を使用している顧客は、アクセスできるようになっており、Google Cloud のVertex AIでの Claude のサポートはまもなく開始される予定です。

企業は、デフォルトで最速の (そして多くの場合最も高価な) オプションを選択するのではなく、コスト、速度、計算能力のトレードオフを意識して、リアルタイムとバッチ処理の間でAI ワークロードのバランスを戦略的に取る必要があります。

<参照URL>
https://www.anthropic.com/news/message-batches-api

AMD

Advancing AIイベントで、次世代AIチップInstinct MI325Xアクセラレータと、Pensando Salina DPUベースのネットワークプラットフォームを発表

AMDをエンドツーエンドのAIリーダーにするのが目標としています。

  • AMD Instinct MI325X

    CDNA 3 アーキテクチャに基づき、LLMのトレーニング、パフォーマンスの微調整、AI 推論など、AI タスクに対して、高速のパフォーマンスと優れたエネルギー効率を実現、256GBの高性能 HBM3Eメモリと、最大6Tbpsの帯域幅により、AI推論とトレーニングのワークロードのパフォーマンスに関して、既存のMI300の2倍以上のパフォーマンスをもたらすとのこと。(Nvidia H200の 1.8 倍の容量と 1.3 倍の帯域幅に相当)

  • AMD Pensando Salina 400 DPU と AMD Pensando Pollara 400 Ultra Ethernet AI NIC

    AI ファクトリーのノード間の通信時間は「ネットワーク時間」と呼ばれ、トレーニングやマルチノード推論 AI 実行の処理時間の最大 60% を占めることがあるとされます。

    Salina 400は、デュアル 400GE PCIe Gen 5 接続、P4 MPU エンジン、128 GB DDR5 メモリ、16 個の Arm Neoverse-N1 CPU コアを備えた 400G ネットワーキングを提供。AMD Pensando Salina 400 DPU は、ソフトウェア定義ネットワーキング、ファイアウォール、暗号化、負荷分散、ネットワーク アドレス変換、ストレージ オフロードを処理するとのこと。

    Pollara 400は、400Gbpsサポート、業界初のUltra Ethernet対応AI NICとのこと。

Dellは、AMP EPYC プロセッサをサポートするPowerEdge XE7745( 1 月発売予定)やR6715・R7715 (11月発売予定)をリリースしています。

<参照URL>
https://www.amd.com/en/products/accelerators/instinct/mi300/mi325x.html
https://ir.amd.com/news-events/press-releases/detail/1220/amd-delivers-leadership-ai-performance-with-amd-instinct
https://www.amd.com/en/products/accelerators/pensando.html
https://community.amd.com/t5/corporate/transforming-ai-networks-with-amd-pensando-pollara-400/ba-p/716566

Broadcom

50G-PON向けチップを発表

現在の PON の多くは、最大 2.5 Gbpsの GPON がメインで、一部の通信事業者で、XGS-PON が使用されています。

OLT向けのBCM68660 とONU向けの BCM55050 は、50G-PON向けで、AI モデルの実行に最適化されたニューラル プロセッシング ユニットを搭載しているとのこと。

これにより、ネットワークの 問題の修正などのタスクを自動化するアルゴリズムを実行できるとしています。

<参照URL>
https://investors.broadcom.com/news-releases/news-release-details/broadcom-announces-industrys-first-merchant-silicon-50g-pon

Qualcomm

WiFi7対応Networking Pro A7 Elite を発表

ブロードバンドからアンテナまで、10Gファイバー、5G、イーサネット、RFフロントエンドモジュール、フィルターなどの主要なコンポーネントを1つのプラットフォームに統合したとのこと。

16ストリーム、4096-QAM、MLOなどにより、最大 33Gbpsの帯域幅を提供するとしています。

また、40TOPSのAIコプロセッサも搭載、AI モデルをローカルで実行できるようになり、(100 種類の最適化済み AI モデルのライブラリを提供)カスタム用のソフトウェア最適化ツールQualcomm AI Stackを提供し、たとえば、企業はAIを使って悪意のあるネットワークトラフィックを検出することができるようになるとともに、クラウド上のアルゴリズムにデータを送信して処理するよりもレイテンシが短縮されるとしています。

<参照URL>
https://www.qualcomm.com/products/internet-of-things/networking/wi-fi-networks/networking-pro-series/qualcomm-networking-pro-a7-elite-platform
https://www.qualcomm.com/news/releases/2024/10/qualcomm-unveils-the-networking-pro-a7-elite-platform--the-first

NVIDIA

Foxxconと台湾でAIスーパーコンピューターを構築

鴻海テックデーで発表されたプロジェクト「鴻海高雄スーパーコンピューティングセンター」は、NVIDIA Blackwell GPUを中心に、合計 64 ラックと 4,608 個の Tensor Core GPU を含むGB200 NVL72 プラットフォームを採用、90EXAFLOPS以上の性能を発揮するとのこと。(ラック当たり、 36 個の Nvidia Grace CPU と 72 個の Nvidia Blackwell GPU が搭載されており、130TB/秒の帯域幅を実現)

がん研究、LLMの開発、スマート製造/スマートシティ/EVなどを促進し、台湾をAI主導の産業における世界的リーダーに位置付ける計画としています。

第 1 フェーズは 2025 年半ばまでに稼働する予定で、。完全導入は 2026 年を目標としているとのこと。

<参照URL>
https://blogs.nvidia.co.jp/2024/10/21/foxconn-taiwan-blackwell/

Infection AI

Intelと協力し、LLM実行アプライアンスを開発

Inflection AIは2022年に設立され、ChatGPTの代替となるPiという製品に投資家から13億ドルを調達し、Microsoftは、Inflection AIの従業員の大半を採用し、 6億5000万ドル相当の取引で同社のAIモデルのライセンス供与を受けています。

Pi 消費者向けチャットボットからエンタープライズ市場向け AI モデルの開発に向け、Inflection for Enterpriseの一部として、Intel Gaudi3を搭載し、同社の最新 LLM である Inflection 3.0 を要件に合わせて微調整・カスタマイズされた形で組み込んだ、AIアプライアンスを発表。

企業の従業員にとってより便利になり、モデルの出力が社内のコンテンツガイドラインに準拠することが保証されるとともに、競合プロセッサよりも最大 2 倍のコスト効率で実行ができるとしています。

Intel と Inflection AI は、共同開発したアプライアンスを 2025 年第 1 四半期に提供開始予定としています。

<参照URL>
https://www.intel.com/content/www/us/en/newsroom/news/inflection-ai-intel-launch-enterprise-ai-system.html

Atlassian

生成AIアシスタントRovoをGA

Rovoは、Google Drive、SharePoint、Figma、GitHub など企業の内部ツールからデータを抽出し、そこに保存されている情報に基づいて行動するを支援するとのこと。

Atlassian Intelligenceを搭載し、「仮想チームメイト」として機能、ユーザーマニュアル、ジョブリスト、バグ レポート、リリースノート作成、翻訳などに対応し、ユーザーは ウェブブラウザから Rovo Search and Chat を呼び出すことで、一度に数時間または数日分の作業を節約できるとしています。

<参照URL>
https://www.atlassian.com/ja/blog/introducing-atlassian-rovo-ai
https://www.atlassian.com/ja/blog/atlassian-rovo-ga

Miro

AI搭載Innovation Workspaceを発表

発見、ブレーンストーミング、調査から定義、統合、意思決定、そして提供と実行に至るまで、イノベーション プロセス全体を促進するエンドツーエンドのソリューションのニーズを満たすとのこと。

Innovation Workspaceは、コラボレーションを強化し、意思決定を迅速化、キャッチアップやビデオ通話などのウィジェットや機能を通じて非同期アクティビティと同期アクティビティを結び付け、チームワークをよりインタラクティブかつシームレスにすることを目的としているとのこと。

Miro Sidekicks、Intelligent Template、主要なタスクとアセットの集中ハブなどの AI ツールによって、非構造化作業と構造化作業間の移行を加速するとしています。

チームは AIプロトタイピングによる顧客フィードバックの向上など、アイデアを具体的な成果に素早く変えることができるとのこと。

加えて、Miro Enterprise Guard と連携して、機密データを分類して保護するともしています。

また、Adobe Express や Microsoft Copilot など 150 を超える一般的なアプリケーションと統合でき、カスタマイズ可能なワークフローとツールにより、チームはコーディング スキルを必要とせずにイノベーション プロセスをカスタマイズできるとしています。

<参照URL>
https://miro.com/innovation-workspace/

Zoom

ServiceNowと戦略的AI提携を拡大

ServiceNow の Now Assist と Zoom AI Companionを 2025 年上半期までに統合する戦略的パートナーシップの拡大を発表、従業員の 92% が管理タスクと情報要約で AI サポートを求めているとし、会議の議論に基づいてワークフローを自動化することで、企業の生産性を向上するとしています。

Zoom AI Companion は会議の議論を書き起こして要約し、主要なアクションとフォローアップ タスクを強調表示。

Assist for Strategic Portfolio Management がこれらのトランスクリプトを確認して主要なアクションを特定し、ワークフローを自動的にトリガー、自動化によりタスクが作成され、関連するチーム メンバーに割り当てられ、出席者には重要なポイントと会議後の成果物をまとめた電子メール通知が送信されるとのこと。

これにより、会議のフォローアップや管理タスクに必要な手作業が削減され、チームが議論からアクションへとシームレスに移行できるとのこと。

<参照URL>
https://zoomtopia.com/