目次
トレンド
Tiny AI
Tiny AIが、最新のデータ、ハードウェア、ソフトウェアを活用し、AIの全体的な経済的および環境的コストを削減するとの期待
Tiny AI モデルは、Knowledge distillation(複数のモデルが学んだ知識を単一のモデルに移す)、ネットワークプルーニング、量子化などの技術を使用することで、AI モデルの精度を低下させることなく、AI モデルに組み込む必要のあるパラメーターの数を削減します。
また、計算集約型のタスクの処理に適した新しいハードウェアで Tiny AI を実行すると、クラウド サービスへの負荷が軽減され、そもそもクラウドにデータを転送する際のセキュリティ上の懸念も軽減されます。
AI は世界を変え、少なくとも世界経済に 13 兆ドルをもたらす可能性があるとされます。
一方で、広範な導入を妨げる多くの技術的問題に直面しています。
AIは、クラウドで実行するには大量のコンピューティング リソースと大量の帯域幅を必要とするため、環境に大きな負担がかかり、DCは世界の温室効果ガス排出量の 2.5% ~ 3.7% を占めてるとされ、民間航空の温室効果ガス総排出量 2.4% を上回っています。
また、AI のトレーニング プロセスでは626,000 ポンド以上の二酸化炭素が排出される可能性があるとされており、これは「平均的なアメリカ車の生涯排出量のほぼ 5 倍」に相当するとされます。
LLMがリクエストの意味を理解し、テキストを生成するには、インターネット全体から数十億のテキストドキュメントを学習する必要があり、GPT-3 をトレーニングするのにかかったコストは 1,200 万ドル、現在の状況が続くと、生成 AI データ センターのインフラストラクチャと運用コストは 2028 年までに 780 億ドルを超えると予測されています。
<参照URL>
https://www.imec-int.com/en/artificial-intelligence/tiny-ai
https://aibusiness.com/verticals/tiny-ai-is-the-future-of-ai
Network API
通信事業者向け API は急速に成長しているが、断片化を克服する必要がある
通信会社は膨大な顧客データを持っているため企業にとって魅力的ではあるものの、開発者にとっては単一の国には興味がなく、単に API を公開するだけでは、実際にはあまり意味がないとされています。
最も進ん出でるAPACでの Singtel が主導するBridge Alliance(他にはChina Unicom、SK Telecom、Taiwan Mobile など)のAPI Exchange (BAEx)では、詐欺防止、ID、および場所などデジタル取引をサポートする認証APIを提供。
今後eKYC (電子顧客確認)とQoD (オンデマンドのサービス品質)をサポートする予定で、最初の企業顧客であるFinTech企業のV-Techは、APIと統合するデジタルIDソリューションを開発しています。
業界にとっての課題は「世界的に認知され、世界規模のグループ、世界規模のカバレッジ、さらにはある程度の価格の調和」を備えた製品を作成することとされています。
<参照URL>
https://shows.acast.com/appledore-research-podcast
USキャリア
Verizon
光ファイバーネットワーク増強に米Frontier Communicationsを200億ドルで買収
Frontier は、米国中西部と東部を中心とする都市部、郊外の顧客向けにファイバーアセットを持ち、25 州で 220 万人以上の加入者に対してインターネット、電話、テレビのサービスを提供しています。
Verizonは現在 9つの 州とワシントンDCにまたがる740万加入者をもち、2026年末までにさらに280万の光ファイバー拠点を追加する計画です。
今回の買収は、Verizonのファイバー設備をさらに強化するものであり、米国全土のより多くの市場で競争力を高める機会となり、統合されたファイバーネットワークを通じてさらに数百万人の顧客にプレミアムなサービスを提供する能力を高めるとしています。
一方で、CATVのケーブルインターネットが主流のUSにおいて、一部のアナリストから、Frontierを買収したとて、Verizonは依然として国内の80%に固定網インフラがなく、AT&Tよりも固定網インフラが少ないと指摘されています。
<参照URL>
https://www.verizon.com/about/investors/verizon-acquire-frontier-communications
https://www.wsj.com/business/deals/verizon-nearing-deal-for-frontier-communications-9e402bb4
T-Mobile
Starlinkの衛星通信を使った無線緊急警報(WEA)の送信テストに成功したと発表
衛星通信によるWEAは、死者86人を出した2018年北カリフォルニア州の山火事Campfireで、火災発生中、無線通信サービスが利用できなくなり、住民は緊急警報を利用できなかったことから、自然災害の際の緊急対応要員の支援に不可欠だとしています。
テスト警報は宇宙空間を217マイル移動した後、低軌道にあるStarlinkの175基の衛星の1つに受信され、影響を受ける地域にブロードキャストされ、スマートフォンで数秒以内に受信されたとのこと。
WEAのテストにより、緊急警報を全国の50万平方マイルの農村部、山岳地帯、居住不可能な地域に送信できるようになるとしています。
また、T-Mobile と Starlink は現在、D2D通信サービスをサポートするために Starlink 衛星をテストしており、衛星が打ち上げられたら、商用提供の前にベータ テストを行うとしています。
<参照URL>
https://www.t-mobile.com/news/network/t-mobile-first-satellite-wea
AT&T
Windstreamの固定回線サービスKineticがAT&Tと提携
Kineticが18州で展開する光ホームブロードバンドサービスとAT&Tのポストペイドモバイルサービスプランをセットにした割引プランを提供するとのこと。
米国のTier1/2/3固定回線事業者は、モバイルキャリアのMVNOとなるパターンと割引サービスプランセットで提供するパターンのいずれかで既存顧客を囲い込む方向です。
ワールドワイドキャリア
Telefonica
Ericsson・Matsukoとホログラフィック通話のテストに成功したと発表
今回のPoCは、6G-XR 欧州プロジェクトの一環として、ホログラフィック通信を現実に近づけることを目指しています。
現在の 3GPP 仕様には、サードパーティサーバーとの IMS データ チャネルインターフェイスの標準がないため、
実装が複雑で、高解像度のホログラムには帯域幅とペイロードに制限があり、パフォーマンスを向上させるにはデータのセグメント化と再構成を改善する必要があるとしています。
また、オーディオとホログラフィック ビデオの完全な同期を実現することも、依然として技術的な課題だとのこと。
PoCでは、ホログラフィック通話をダイヤラー アプリに直接統合し、専用アプリを必要とせずに、IMSデータチャネルをサポートするスマートフォンの標準ダイヤル通話画面で表示できるホログラフィック通話に成功したとのこと。
試験ではSamsung Galacy Sシリーズのスマートフォンを使用、IMSを使用して、片方向のホログラム(プレゼンターから視聴者へ)と双方向のオーディオの伝送を行ったとしています。
EE
BT傘下モバイル事業者EE、5GSAを商用サービス開始
英国 15 都市で 5G SAを開始し、英国内で初めて、利用可能なすべての都市で「ほぼ途切れない屋外カバレッジ」を提供するものとしています(700MHz、1800MHz、2100MHz、2600MHz、3.5GHz 帯域のスペクトルの一部をスタンドアローンに割り当て)。
このネットワークは AI アシストと自動化技術を使用して信頼性を向上させ、MLを使用して使用されていないときにモバイル セルをスリープ モードにすることで電力網のエネルギー需要を削減しているとのこと。
固定回線側では、EE は Qualcomm チップを搭載した新しい WiFi 7 Smart Hub Pro を発売。
宅内の各部屋で最低 100Mbpsの接続が保証されるとしています。
<参照URL>
https://newsroom.ee.co.uk/ee-launches-game-changing-5g-standalone-network-and-next-gen-wi-fi-7-router-to-offer-customers-the-uks-best-connectivity-in-and-out-of-home/
https://community.ee.co.uk/t5/Broadband-Landline/EE-WiFi-7-router/td-p/1430800
政府・団体
欧州評議会(COE)
米国、英国、欧州連合を含む各国が、国際基準・人権団体である欧州評議会が策定したAIの安全性に関する条約に署名
欧州評議会のAIと人権、民主主義、法の支配に関する枠組条約は、AIシステムの使用が人権、民主主義、法の支配と完全に一致することを確保することを目的とした、法的拘束力を持つ初の国際条約とされます。
AI が世界の仕組みに大きな変化をもたらすのであれば、注意深く見守らなければ、その変化のすべてが最善の結果になるとは限らないので、積極的に行動することが重要だ、といういう方針です。
今回、アメリカ・イギリス・EUのほか、アンドラ、ジョージア、アイスランド、ノルウェー、モルドバ共和国、サンマリノ、イスラエルが署名したとのこと。
本条約は、AI が 以下3 つの主要分野とどのように関係するかに焦点を当てます。
- 人権 (データの悪用や差別からの保護、プライバシーの確保を含む)
- 民主主義の保護
- 法の支配の保護
基本的には、各国が技術開発を監視し、あらゆる技術が厳格な基準内で管理されることを保証、署名国が「AI リスク」から保護するための規制機関を設立することを約束するものとのこと。
<参照URL>
https://www.coe.int/en/web/portal/-/council-of-europe-opens-first-ever-global-treaty-on-ai-for-signature
https://www.gov.uk/government/news/uk-signs-first-international-treaty-addressing-risks-of-artificial-intelligence
Tech Giants
Apple
Apple Intelligence搭載iPhone16シリーズを発表
デバイスAIを加速するトリガーとなるか、USキャリアは大きな機種変トリガー(SuperCycle)にはならないと見ています。
Apple Intelligenceは、12 月に英語版が英語圏の国で導入される予定で、中国語、フランス語、日本語、スペイン語などの追加言語は 2025 年を目標としているとのこと。
<参照URL>
https://www.apple.com/iphone-16-pro/
http://fierce-network.com/wireless/iphone-supercycle-operators-speak
統計データのクエリに対する幻覚を軽減するためオープンソースの命令調整モデル DataGemma を発表
統計クエリにおいては、さまざまなロジック、算術、比較演算を網羅せねばならず、また公開されている統計データは、さまざまなスキーマと形式で配布され、正しく解釈するには、かなりの背景コンテキストが必要で、課題があるとされています。
Data Gemmaは、既存のGemma オープンモデルを基盤とし、Google が作成したData Commonsプラットフォームの広範な実データをベースとして、経済、科学、健康、その他の分野の信頼できる組織から提供された 2,400 億を超えるデータ ポイントを含むオープン ナレッジ グラフを提供します。
モデルは、ユーザーの質問に対する事実の正確性を高めるために、RAGとRetrieval Interleaved Generation (RIG)を使用、さまざまなクエリを対象とするテストでかなり効果的であることが証明されたとしています。
<参照URL>
https://blog.google/technology/ai/google-datagemma-ai-llm/
https://ai.google.dev/gemma/docs/datagemma
https://huggingface.co/collections/google/datagemma-release-66df7636084d2b150a4e6643
Ask Photosを米国の一部ユーザーへ早期アクセス提供
Ask Photosはまだ実験段階であるため、一部の米国ユーザーが Google Labs 内で利用可能とのこと。
写真の内容やその他のメタデータを理解する Gemini AI モデルを搭載した Ask Photos により、ユーザーは自然言語クエリを使用して、例えば、「私が訪れた国立公園のそれぞれで撮った最高の写真」といったような写真検索が可能になります。
<参照URL>
https://blog.google/products/photos/google-ask-photos-early-access/
ChromeブラウザにGemini AIチャットボットを組み込み
Gemini 1.5 Flashを組み込み、Chrome ユーザーがブラウザのアドレスバーに「@gemini」と入力し、クエリを入力するだけで Gemini にアクセスできるようになったとのこと。
ただし、Chrome の Gemini はユーザーの閲覧アクティビティのコンテキスト認識が不足しており、特定の Web ページに基づいて支援を提供する機能が制限されているとされています。
AI 統合ブラウジングにより、従来のウェブナビゲーションとAI 支援による情報検索の境界線が曖昧になってきていると言えるでしょう。
<参照URL>
https://support.google.com/chrome/answer/14886647?hl=en
企業
Mayfield
55年の歴史を持つベンチャーキャピタル企業Mayfiled、AI インキュベーターに 1 億ドルを割り当て
起業に関心のあるAI Teammateのアイデア創出段階の創業者を対象にした1億ドル規模の取り組み「AI Garage」を立ち上げると発表。
AI Teammateとは、質問に答えたり、会議の予約や払い戻しの提案など、自律的にアクションを実行したりできる単なるアシスタント以上の存在で、人間と協力して複雑なタスクに取り組み、共通の目標を達成するものだと定義。
製品やエンジニアリング、データ、セールスやマーケティング、カスタマーサービス、ITやセキュリティ、財務、人事、法務、多くの管理機能など、多くの分野でAIが人間と連携することで、AI Teammateが人間と協力し、職場の未来を形作る機会は無限にあるとしています。
出資先では、DevRev (カスタマー サービス サポート AI)、 Docket (AI セールス エンジニア)、NeuBird (SRE)などがあります。
AI Garageでは、6 か月ごとに最大 5 人の創業志望者をオフィスに迎え入れ、EIR プログラムを拡大し、正式化することを計画しているとしています。
AI Garage の参加者は初日から資金を受け取るわけではありませんが、企業のパートナーやマーケティング、人材、ビジネス開発チームなどのサポートスタッフの協力を得て、ビジネスプランが策定され次第、最低 100 万ドル、最大 500 万ドルを割り当てるとのこと。
<参照URL>
https://www.mayfield.com/ai-garage/
ROBLOX
クリエイター向けの新たな収益機会を提供し、生成AIプロジェクトも予告
毎年恒例のROBLOX Developer Conferenceで今後数か月から数年の間にプラットフォームに導入される一連のアップデートを発表。
クリエイターは、9.99 ドルの有料エクスペリエンスの収益 50%、29.99 ドルで 60%、49.99 ドルで 70% を受け取るとのこと。
現在、クリエイターは収益の約 25%を得ているため、この変更は収益分配の大幅な増加を意味します。
また、Shopify と提携して、クリエイターが体験内で直接物理的な商品を販売できるようにすると発表、今年後半に選ばれたクリエイター、ブランド、e コマース パートナーと試験的に実施する予定としています。
加えて、プラットフォーム上で生成AIを利用して創作支援を行う 3D ファウンデーションモデルの開発に取り組んでいるとのこと。
このモデルはオープンソースかつマルチモーダルで、クリエイターがテキスト、ビデオ、プロンプトを使用して3D コンテンツを生成できるようになるとし、クリエイティブなプロセスを置き換えるのではなく、より多くの人がゲームを開発、作成できるようにすることに重点を置き、誰もがプラットフォームを使い始めやすくすることと、ゲーム開発プロセスをスピードアップできるようにするとしています。
<参照URL>
https://devforum.roblox.com/t/save-the-date-rdc-2024/2873791
ベンダ
OpenAI
次期AIモデルOpenAI o1(コード名 Strawberry)を発表
高性能なo1-preview と応答品質を犠牲にしてコスト効率を高めた o1-mini をリリース。
O1は、質問のすべての部分を検討するためにより多くの時間を費やすことで効果的に事実確認を行い、生成 AI モデルが通常陥りがちな推論の落とし穴の一部を回避でき、クエリに応答する前に「考える」能力があるとしています。
さらに「考える」時間を与えられると、タスクを総合的に推論することができ、事前に計画を立て、モデルが答えに到達するのに役立つ一連のアクションを長期間にわたって実行できるとのこと。
ChatGPT PlusまたはTeam(Enterpirse/Eduは追って)に加入しているユーザーからChat GPTとAPIで利用可能、Web を閲覧したりファイルを分析したりすること、画像分析機能は追加のテストが完了するまで無効とのこと。
レート制限もあり、現在、週あたりの制限は o1-preview の場合は 30 メッセージ、o1-mini の場合は 50 メッセージとしています。
API では、o1-preview は 100 万入力トークン(約 75 万語に相当)あたり 15 ドル、100 万出力トークンあたり 60 ドルと入力の場合は GPT-4o の 3 倍、出力の場合は 4 倍のコストとなっています。
<参照URL>
https://t.co/inZfIzLIBB
ChatGPT Enterprise、Team、Edu など企業向け有償ユーザーが 100 万人に到達
ChatGPT Enterpriseでは、企業は最新モデル(現在はGPT 4o)、より長いコンテキストウィンドウ、データ分析、カスタマイズを利用でき、ChatGPT Teamは、企業内の小規模グループや中小企業向けのバージョン、ChatGPT Eduは教師と学生を対象とした同様のサービスです。
OpenAIは、4,700人のビジネスユーザーを対象にした調査で、ChatGPT Enterprise、Team、Eduが生産性の92%向上に貢献し、これらの製品が時間の節約になっていると述べ、88%が時間の短縮、75%が創造性と革新性が向上したとしています。
なお、通常の無料の ChatGPT が今年 8 月の時点で 2 億人のユーザーに到達しています。
<参照URL>
https://www.reuters.com/technology/artificial-intelligence/openai-considers-pricier-subscriptions-its-chatbot-ai-information-reports-2024-09-05/
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-09-05/openai-hits-1-million-paid-users-for-business-version-of-chatgpt
Mistral AI
テキストだけでなく画像も処理できるモデルPixtral 12Bを発表
Nemo 12B をベースに、構築されたPixtral 12Bは、追加された4億パラメータのビジョンアダプターにより、URL または base64 (バイナリからテキストへのエンコード方式) を使用してエンコードされた任意の数とサイズの画像を指定して、その画像に関する質問に答えることができるとのこと。
GitHubおよび Hugging Faceのトレント リンク経由で入手可能で、Apache 2.0 ライセンスの下で制限なくダウンロード、微調整、および使用できるとしています。
Pixtral 12BはまもなくMistralのチャットボットLe ChatおよびAPI提供プラットフォームLe Plateformeでテストできるようになるとのこと。
Mistralは、無料の「オープン」モデルをリリースし、それらのモデルのマネージド バージョンを有料化し、企業顧客へのコンサルティング サービスを提供する形式をとります。
<参照URL>
https://huggingface.co/mistral-community/pixtral-12b-240910
https://github.com/mistralai/mistral-common/releases/tag/v1.4.0
xAI
10万枚のGPUを搭載したAIトレーニングシステムColossusの組み立てを完了
このクラスターは、世界で最も強力なAIトレーニングシステムと喧伝され、世界最速のAIスーパーコンピューターとしてランク付けされている米国エネルギー省のAuroraシステムよりも高速であるとElon Muskは主張したいようです。
Colossus には NVIDIA H100 カードが 10 万枚搭載されており、このカードは、OpenAI GPT-4o、Meta Llama 3.1 405B、その他多くの最先端の LLM の基盤となっています。
xAI は数か月以内に Colossus のチップ数を 20 万個に倍増させる計画で、新しいプロセッサのうち 5 万個は H200 になるとしています。
※xAI の主力 LLM である Grok-2 は、15,000 個の GPU でトレーニングしたとしています。
<参照URL>
https://x.com/elonmusk/status/1830650370336473253
Stability AI
AWSのBedrockでStable Image Ultra、Stable Diffusion 3 Large、Stable Image Coreが利用可能になったと発表
Amazon Bedrock は、開発者が大手 AI 企業のさまざまな事前トレーニング済みのファウンデーションモデル にアクセスして、生成 AI アプリケーションを構築できるようにするフルマネージドサービスです。
モデルへのアクセス以外にも、モデルを微調整したり、生成 AI ソリューションをアプリに統合してデプロイしたり、モデルを安全にテストしたりすることもできます。
Stable Image Ultra は、フォトリアリスティックな大規模出力に最適で、 人工的でない鮮明な画像を生成するため、超リアルな画像を必要とするプロフェッショナル アプリケーションに適しています 。
Stable Diffusion 3 Large は、高品質のクリエイティブ アセットを短時間で簡単に作成できるため、大量使用に最適です。
Stable Image Core は、テキスト プロンプトから高速かつ低コストで画像を生成し、大規模なコンテンツを迅速に生成します。
Stability AI モデルの使用に興味のある開発者や AI エンジニアは、 ポータルにアクセスし てを確認できるとのこと。
<参照URL>
https://aws.amazon.com/bedrock/stability-ai/
Anthropic
企業向けに強化されたセキュリティを備えたClaude Enterpriseを発表
Claude LLMファミリが、現在利用可能な 200,000 トークンのコンテキストウィンドウの 2 倍以上となる、500,000 トークンのコンテキストウィンドウ(数百の販売記録、数千 ページのドキュメント、またはコード リポジトリ全体に相当)を利用できるようになります。
Claude Enterprise はチームコラボレーションのための複数機能を提供するとのこと。
Projects
ユーザーが AI や 社内の プロジェクトに関する知識と連携しながら、同時にチームの他のメンバーと共有できるツール。チーム全体が Claude を使って構築し、 LLM の出力と作業を共有できるようになります。
Artifacts
コード スニペット、フローチャート、SVG グラフィック、Web サイト、またはインタラクティブ ダッシュボードを含むスタンドアロンの作業成果物です。
ユーザーは自分の作品が形作られ、リアルタイムで反復されるのを確認でき、完成したら、他のプロジェクトで使用したりリミックスしたりできるように公開することもできます。
また、パブリック ベータ モードでGitHub 統合を導入、GitHub リポジトリを Claude と同 期し 、コードベース全体とともにブレインストーミングを行って、新機能の反復実行、新しいドキュメントの作成、ユースケースのリファクタリング、新しいエンジニアのオンボーディングなどを行うことができるとしています。
加えて、シングル サインオンとドメイン キャプチャにより、ユーザー アクセスを安全に管理およびプロビジョニングでき、RBACときめ細かい権限管理を組み込み、データ管理を強化。
監査ログにより、ユーザーはセキュリティとコンプライアンスの監視のためにシステム アクティビティを追跡することもできるとしています。
初期顧客には、GitLab Inc.、経営コンサルティング会社 North Highland、Boston Consulting Groupなどがいるとのこと。
<参照URL>
https://www.anthropic.com/news/claude-for-enterprise
https://www.anthropic.com/enterprise
Sakana.AI
Khosla、NVIDIAなどからSeries Aの資金調達ラウンドで1億ドルを調達
SakanaAIは、群れのように複数の小規模 AI モデルの最良の部分をまとめて、複雑な結果を出す集合知アプローチを特徴とし、アイデアの考案からコードの記述、テスト実行、結果の要約、論文全体の執筆、査読の実施まで、研究ライフサイクル全体を自動化するLLMベースのシステムであるAI Scientistの研究成果などを発表しています。
出資したNVIDIAは、SakanaAIが高度なモデルを開発するための最新GPUシステムを提供し、テストを実行するために日本国内のNVIDIA GPU搭載データセンターへのアクセスを提供するとのこと。
SakanaAIのゴールは、人口減少、競争力の低下、地政学的緊張の高まりなど、21世紀の課題に対処するために、先進的でエネルギー効率の高いAI技術を生み出す世界クラスのAIラボを日本に建設することだとしています。
<参照URL>
https://twitter.com/hardmaru/status/1831212916080795972
https://sakana.ai/series-a/
Salesforce
AI の第 3 の波とされるAIエージェントに相当するAgentforceを発表
Agentforce は Salesforceプラットフォーム上に構築され、同社の膨大な顧客データと最近開発されたData Cloudを活用。サービス、営業開発、マーケティング キャンペーンの最適化など、さまざまな役割向けにすぐに使用できるエージェントをいくつか導入しています。
これらのエージェントはローコード ツールを使用してカスタマイズできるため、企業は高度な技術的専門知識がなくても、AI を特定のニーズに合わせて調整できるとしています。
早期導入者の事例として、教育出版大手のWileyは、忙しい新学期シーズン中に顧客からの問い合わせの自動解決率が40~70%に達したとし、米国最大のヘルスケアプロバイダーKaiser Parmanenteは、Agentforceを使用して患者の問い合わせを処理しており、解決率は90%を超えたとしています。
「皆さんが使用する必要があるのは、皆さんに代わってこれらすべてのことを実行するプラットフォームです。
私たちのプラットフォームは、皆さんに代わってデータを管理し、信頼できる方法で安全に保管するのと同じように、最高のAIエクスペリエンスも提供します」とのこと。
<参照URL>
https://www.salesforce.com/agentforce/
https://www.salesforce.com/news/press-releases/2024/09/12/agentforce-announcement/
大企業が販売業務を統合できるよう支援する Salesforce Foundations を発表
Salesforce の顧客の 55%で、販売データとワークフローが各部門内でサイロ化している傾向があるとのこと。
Salesforce Foundations は、Salesforce Sales CloudおよびService Cloud の顧客に無料で提供されるサービスであり、同社の Sales、Service、Marketing、Commerce、Data Cloudサービスの機能をバンドルして、部門間でより連携したエクスペリエンスを構築できるようになるとし、AppExchange マーケットプレイスにあるさまざまなサードパーティアプリケーションへの無料試用アクセスも提供するとしています。
<参照URL>
https://www.salesforce.com/news/stories/foundations-announcement/
AI自動化ツールIndustries AIを発表
Salesforceは自社調査レポートの中で、ビジネスリーダーの4分の3以上が、テクノロジーをすぐに導入できなければAI革命に乗り遅れるのではないかと懸念、AIを本番環境に導入する緊急性は過去6か月で700%増加している一方で、ほとんどの組織には独自のAIモデルを構築してトレーニングするための資金とスキルが不足しているとしています。
Salesforce プラットフォーム内で顧客の独自データを活用するAI エージェントの作成を自動化するIndustries AI は、患者と臨床試験のマッチング、車両や産業機械のメンテナンス アラートの提供、採用プロセスの合理化、政府サービスの改善など、100 以上の一般的なタスクを処理できるとしています。
Sales Cloud、Data Cloud、Service Cloud、Commerce Cloud、Marketing Cloud など、Salesforceのサービス 15 種すべてに組み込まれる予定とのこと。
Industries AIは、10 月に展開し始める予定で、一部の特定の機能は来年2月以降で提供するとし、Salesforce の年次リリースの一環として定期的に更新され、時間の経過とともにさらに多くの機能が追加される予定としています。
<参照URL>
https://www.salesforce.com/news/stories/industries-ai-announcement/
https://www.salesforce.com/artificial-intelligence/use-cases/
データ管理ソリューションスタートアップのOwnを19億ドルで買収
今年初め、Informaticaの買収を検討したが、最終的には断念したと報じられたあと、Salesforce を含む SaaS ベンダーのオープン API を使用して、企業のアプリケーションからデータを抽出し、バックアップするOwnを買収しました。
顧客にデータの復元力と堅牢なデータ保護・管理ソリューションを提供するとのこと。
自社製オープンソースLarge Action Model xLAMを発表
単にコンテンツを作成するのではなくアクションを実行する AI エージェントの作成を簡素化するために開発した
xLAMは、関数呼び出しに最適化と微調整をされた LLMで、現在市場に出回っているはるかに大規模な人工知能大規模言語モデルよりも低コストで、より高い精度を実現するとのこと(xLAM-1Bをベースに、限られた GPU リソースの学術研究用の小規模モデルxLAM-7B、産業用アプリケーション向けの中規模のモデル xLAM-8x7B、堅牢で高性能なアプリケーション構築を可能にするが大量の計算リソースを必要とする大規模モデルである xLAM-8x22Bを用意)。
単にコンテンツを作成するのではなくアクションを実行する AI エージェントの作成を簡素化、これにより、チームはモデル全体の複雑さを軽減し、結果として得られた xLAM モデルは、会話、要約、生成の異なる機能セットを実行するはるかに大規模なモデルよりも小さく、ツールの使用に合わせて合理化されており、パフォーマンスが優れているとしています。
また、複雑な自律的な販売タスクを処理するように訓練された独自のモデルであるxGen-Salesを発表。
顧客インサイトを生成し、連絡先リストを充実させ、通話を要約し、営業パイプラインを追跡することができるとのこと。
加えて、ユーザーが顧客と対話できるAIエージェントを設計できるようにするAgentforceを強化したとしています。
<参照URL>
https://github.com/SalesforceAIResearch/xLAM
https://huggingface.co/collections/Salesforce/xlam-models-65f00e2a0a63bbcd1c2dade4
Oracle
AIワークロード向けZettaスケールクラスタをプレビュー
NVIDIA Blackwell B200 GPU 131,072 個とInfiniBand と RoCEv2 を組み合わせたクラスタで、最高速度 2.4 ZFLOPSに達するとのこと。2025 年第 1 四半期に利用可能になるとしています。
また、同時期にNVIDIA GB200 NVL72 システムも追加導入し、数十Tbspをサポートできるフルマネージド Lustre ファイル サービスもまもなく導入するとのこと。
<参照URL>
https://www.oracle.com/news/announcement/ocw24-oracle-offers-first-zettascale-cloud-computing-cluster-2024-09-11/
https://blogs.oracle.com/cloud-infrastructure/post/worlds-largest-ai-supercomputer-in-the-cloud
AWSとGCPでOracle Databaseを利用可能に
長年にわたり基調講演でAWSを批判して きた創業者CEOのラリー・エリソンが、Oracle Cloud Worldで、Oracle Database@AWSと、Oracle Database@Azure、Oracle@Google Cloudを発表。
クラウドコンソールから Oracle データベースを管理できるようになり、Oracle Cloud Infrastructure と パブリッククラウド間の「統合エクスペリエンス」を顧客に提供し、データベース管理や課金、共同顧客サポートなどを簡素化、パブリッククラウドの分析およびAIサービスにOracle DBのデータを利用することができるとしています。
また、財務会計、在庫、注文、調達、プロジェクト管理、ユーザーエクスペリエンスなどのビジネス管理プラットフォームであるNetSuiteにおいて、NetSuite Analytics のデジタルアシスタントなど生成AI機能を強化したとのこと。
<参照URL>
https://www.oracle.com/cloudworld/keynotes/
https://www.oracle.com/news/announcement/ocw24-oracle-and-google-cloud-announce-the-general-availability-of-oracle-database-at-google-cloud-2024-09-09/
https://azure.microsoft.com/en-us/blog/microsoft-and-oracle-enhance-oracle-databaseazure-with-data-and-ai-integration/
https://press.aboutamazon.com/aws/2024/9/oracle-and-amazon-web-services-announce-strategic-partnership
https://www.netsuite.com/portal/company/newsroom/oracle-netsuite-helps-accelerate-development-processes-and-insights-with-new-ai-offerings.shtml
https://www.netsuite.com/portal/company/newsroom/netsuite-announces-innovations-to-help-businesses-increase-efficiency-and-accelerate-growth.shtml
Crowstrike
7月アップデートによるBSoD祭りで訴訟の嵐に直面
Delta航空が同社に対し5億ドルもの損害賠償を求めて訴訟を起こすと脅し、Crowdstrikeは、予想される訴訟の集中攻撃から同社を守るために、法律事務所クイン・エマニュエル・アーカート・アンド・サリバンを雇ったとのこと。
なお、Delta航空のケースには、損害賠償に関する契約上の制限があり、他の顧客の契約にも同様の損害賠償に関する契約上の制限があるとされています。
<参照URL>
https://www.sec.gov/ix?doc=/Archives/edgar/data/0000027904/000168316824005369/delta_8k.htm
https://www.theguardian.com/technology/article/2024/aug/01/crowdstrike-accused-of-defrauding-investors-in-class-action-lawsuit
RedHat
ハイブリッドクラウド生成AI開発向けRHEL AIプラットフォームを発表
生成型 AI の課題の 1 つは、テクノロジーのコストが法外に高くなることで、主要な生成型 AI モデルの中には、トレーニングだけで 2 億ドル近くかかるものもあり、かつ、これには、ユーザーが想定している特定のタスクを実行するためにモデルを微調整するために必要なデータと調整の費用は含まれていないとのこと。
企業がどのモデルを選択するかに関係なく、調整は企業固有のデータとプロセスに合わせるために必要なステップであり、コスト負担が増加するとしています。
今回GAとなった、Red Hat Enterprise Linux AI は、IBMが開発したオープンソース Granite LLMと、Red Hatが開発した InstructLab モデル調整ツールを統合し、ハイブリッドクラウド/オンプレミス環境のサーバー展開向けに最適化された RHEL イメージとしてパッケージ化されているとのこと。
RHEL AI は、最もアクセスしやすい方法で、より小型で低コストの汎用生成 AI モデルの開発を容易にするように設計されているとしています。
AWS、IBM Cloud、オンプレミス サーバーでBYOD サービスとして利用でき、今年後半には Google Cloud と Azure でも提供が開始、来年には IBM Cloud で「as-a-service」として提供される予定とのこと。
合わせて、Dell Technologiesは、Red Hat Enterprise Linux AI(RHEL AI)を同社のPowerEdgeサーバー(PowerEdge R760xa)に組み合わせ、同社のハードウェアがAI開発の基盤となる道を開くと発表してもいます。
<参照URL>
https://www.redhat.com/en/technologies/linux-platforms/enterprise-linux/ai
https://www.dell.com/ja-jp/blog/red-hat-dell-poweredge-red-hat-enterprise-linux-ai-ai/
SUSE
Rancher Prime Observability がGA
サービス中断の脅威が続く中、広範囲にわたる停止のリスクはかつてないほど高まっており、顧客はミッションクリティカルなインフラストラクチャとアプリケーション全体を一元的に把握する必要があるとし、Rancher Prime 3.1でK8s環境の可視性とトラブルシューティング機能を強化。
eBPF ベースの可視性を備えたAPM機能、高度な依存関係マッピング、およびメトリック、イベント、ログ、トレースを統合して根本原因分析を簡素化する自動データ相関を提供するとしています。
Rancher Prime Observability では、リアルタイムおよび履歴の分析情報を提供する集中ダッシュボードも提供され、コンテキストの切り替えが減り、運用効率が向上、問題の検出とガイド付き修復機能も含まれており、カスタマイズ可能で、問題をより迅速に解決できるとしています。
<参照URL>
https://www.suse.com/c/announcing-rancher-prime-3-1-empowering-platform-engineering-for-up-to-5-years-with-lts-core/
https://www.suse.com/news/SUSE-Incorporates-Observability-Into-SUSE-Rancher-Prime/
Influx Data
時系列DB Influx DBの最新版とセルフマネージド版InfluxDB Clusteredを発表
オープンソースのInfluxDB は、時系列で処理される情報を処理するように設計されており、1 秒あたり数百万のデータ操作を処理できる能力を備え、高いパフォーマンスを発揮するように最適化されています。
アプリケーションとシステムのデータ量が増大する中で、開発者が時系列データをより効率的に分析できるように
パフォーマンスを改善したとのこと。
また、InfluxDB Clusteredは、オンプレミスまたはプライベートクラウドに導入したい企業を対象として、Helm Chartを使用して展開可能になるなどKubernetes への導入に最適化されており、分離独立したスケーラブルな取り込み機能とクエリ機能を備え、高い可用性とスケーラビリティを確保したとしています。
<参照URL>
https://www.influxdata.com/products/influxdb-clustered
AMD
AIDC向けとコンシューマー向けGPUを統合すると発表
企業向けAIモデル用のCDNA3と一般消費者ゲーム用のRDNA3の二つのアーキテクチャを一つのGPUチップアーキテクチャに統合、RDNAの設計上の制限と開発者の負荷を解消するとのこと。
Intel
他社カスタム設計プロセッサ製造について、Broadcomによるテスト評価が低かったとの報道
Intelのファウンドリー事業は、2023年度の売上高189億ドルに対して70億ドルの損失を出し、次期 Arrow Lake プロセッサ ファミリの製造にはIntel 20A プロセスではなく、外部のチップ ファウンドリを使用することを決定しているなどネガティブな観測がある中、Reuter通信が、Broadcomが、Intel 18Aファウンドリーはまだ量産準備が整っていないと判断したと報道。
BroadcomはIntelの次期 18A プロセスを使用してチップを製造できるかどうかを検討中で、評価は完了していないとし、Intelは報道に対して、18A は正常稼働しており、生産量も良好であり、来年の量産開始に向けて順調に進んでいるとしています。
なお、CEO パット・ゲルシンガーは、低迷する半導体製造事業の立て直しを目指し、進行中の再編の次のステップの計画(FPGAのAlteraの売却・自動運転のMobileEyeの一部株式売却・工場縮小など)を今月、同社の取締役会に提出する予定とのこと。
<参照URL>
https://www.intel.com/content/www/us/en/newsroom/opinion/continued-momentum-intel-18a.html#gs.e514gb
https://www.reuters.com/technology/intel-manufacturing-business-suffers-setback-broadcom-tests-disappoint-sources-2024-09-04/
https://www.reuters.com/technology/intel-ceo-pitch-board-plans-shed-assets-cut-costs-source-says-2024-09-01/