Global IT Topics Report # 23

2024.09.05

川島 宏司 川島 宏司

目次

トレンド

5GSA

計画されていた5G SAの展開の多くは実現していない

通信事業者は、5GNSAの投資から利益を得るのに苦労しており、スタンドアロン自体の不確実性と、パブリック クラウド上での 5G SA の展開について、規制、パフォーマンス、セキュリティ、回復力などの面で、5GSAを実行することでのより広範な影響について非常に不安を抱いており、5G SA の展開を延期している可能性があるとのこと。

5G SA を大規模に展開した通信事業者は、ネットワークスライシングのユース ケースを開発することで今後は投資の回収を目指すことになり、そこまで至っていない多数のオペレータは、おそらく様子見で、5.5G を模索し、スタンドアロンを無期限に延期することになると予想されています。

<参照URL>
https://stlpartners.com/research/telco-cloud-deployment-tracker-q2-2024-is-aws-winning-in-hyperscale-telco-cloud/

韓国通信キャリア

SKT、KT、LGUplusは年末までに統一ネットワークAPIを開発する覚書(MOU)に署名

APIは分散コンピューティングに重点を置き、AIアルゴリズムと、ネットワークサービスのオンデマンドサービス品質(QoD)が導入される可能性があるとされています。

<参照URL>
https://www.newsis.com/view/NISX20240828_0002865377

生成AI搭載スマートフォンの需要増

世界のスマートフォン市場は2024年に前年比6%増の成長を遂げ、出荷台数は12億3000万台に達すると予想され、特にGenAIスマートフォンは大幅な成長が見込まれ、年末までに344%増となる見込みとのこと。

GenAI対応スマートフォンは、生成AIモデルを効率的に実行し、最小限の遅延でリアルタイムのオンデバイス推論をサポートできるASICなどの専用AIハードウェアを含むものとされます。

Apple Intelligenceにより、iOSが2025年に前年比4%成長で改善すると予想され、今年のAndroidの成長率は7.1%とされています。

とはいえ、GenAI スマートフォンは人気があるものの、当初は高価で、平均価格は GenAI 非対応デバイスの 2 倍以上になるともされています。

<参照URL>
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=IDC_P8397
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS52550324&utm_medium=rss_feed&utm_source=alert&utm_campaign=rss_syndication

Fastly

複数の組織を標的として大量スキャンによる脆弱性の発見・悪用するケースが、2023年の69%から91%に増加

使用されている IP アドレスのうち、49% は 1 日のみ出現、平均は 3.5 日と、攻撃者は検出を回避するためにIPアドレスを短期間使用しており、適応型セキュリティ制御の重要性が高まっているとのこと。

トラフィックの全体の36%を占めるボットトラフィックのかなりの部分は、アカウント乗っ取り攻撃、広告詐欺、カード詐欺、その他の悪質なユーザーなど、悪意のあるまたは望ましくない性質のものであるとしています。

<参照URL>
https://investors.fastly.com/news/news-details/2024/New-Fastly-Threat-Research-Reveals-91-of-Cyberattacks-Targeted-Multiple-Organizations-Using-Mass-Scanning-to-Uncover-and-Exploit-Vulnerabilities/default.aspx?_gl=1*1wy37b6*_gcl_au*MTE2MTA0OTc1Ni4xNzI0NjQ5NzA2


USキャリア

AT&T

生成AIへの取り組みを概説

ノード レベルでのインテリジェントな意思決定を可能にするローカライズされた機能の開発を行い、例えば、従来インフラの廃止には技術者を派遣して各サイトを評価し、文書化する必要がありましたが、現在では、この作業の大半を、画像分析データと AI サポート システムを使用することでリモートで実行可能になっているとのこと。

人間の介入を最小限に抑えて運用できる自律ネットワークを実現するべく構築しているAT&TのAI システムは、基本的な 3 層モデルからなる非常に複雑なニューラル ネットワークで商用のオープンソース GenAI エンジン、LLMまで、あらゆるものに利用可能だともしています。

<参照URL>
http://fierce-network.com/cloud/atts-genai-strategy-plug-it-everywhere

Verizon

衛星通信事業者Skyloと緊急メッセージングサービスで提携

地上の携帯電話ネットワークが利用できない地域でも緊急メッセージや位置情報の共有にアクセスできるようにするため、Skyloの衛星ネットワークを活用すると発表。

VerizonとSkylo経由の衛星サービスへのアクセスは、対象となるスマートフォン( CNETによると、 GoogleのPixel 9シリーズとSamsungの近日発売予定のGalaxy S25シリーズが含まれる)を使用する顧客に対して秋に利用可能になり、AppleのiOS 18衛星サービスを補完することになるとのこと。

Verizonは、互換性のあるデバイスを持つ顧客に対して、衛星経由でどこからでもテキストメッセージを送信できる機能を「来年初め」に拡張する予定であるとしています(追加料金はかからない)。

Verizon はすでに AST SpaceMobile ともD2D通信でパートナーシップを結んでいます。

<参照URL>
https://www.verizon.com/about/news/verizon-skylo-launch-direct-device-messaging-customers

USCellular

Tarana Wirelessと提携、FWA の需要が高いミズーリ州ウェストプレーンズでの FWA 容量を拡大

USCellularは自社の一部の周波数帯域と加入者の大部分をT-モバイルに売却する計画ですが、事業自体は継続するため、CBRS GAA周波数をサポートするTarana Wirelessの機器を展開したとのこと。

<参照URL>
https://www.taranawireless.com/uscellular-and-tarana-partner-enhance-home-business-internet-in-missouri/

Lumen

ネットワークインベントリ管理の簡素化にCiena Blue Planet Inventoryを採用

2027年までに10億ドルのコスト削減を実現する計画の一環として、3年以内に 17 の旧式インベントリ システムをBlue Planetに統合するとのこと。

合併を繰り返してサイロ化されたままだったLumen のネットワークインベントリを単一のビューにまとめ、通信事業者が接続性や容量など顧客のニーズに迅速かつ正確に対応できるようにするとしています。

加えて、デジタル ツイン上でネットワーク計画のテスト シミュレーションを実行、ハイパースケーラーからのトラフィックをシミュレートして、容量のボトルネックを解消する方法を模索したり、ネットワーク停止のシミュレートを行うともしています。

<参照URL>
https://www.ciena.com/about/newsroom/press-releases/lumen-selects-blue-planet-to-underpin-its-network-inventory-transformation-program


ワールドワイドキャリア

DT

今年中にドイツで5GSAサービスを開始する予定

今秋に、5G SAとネットワークスライシングに基づく、5G+ Gamingオプションを開始すると発表しています。

5G+ Gaming は、今年後半に MagentaMobil パッケージで追加できるようになるモバイル クラウド ゲーム オプションで、ALSOとLudium Lab と協力し、6 か月間無料で遊べる100 のゲームを含むクラウドゲーマー向けパッケージとのこと。

Samsung Galaxy S24 Ultra利用者から使えるようになろとしています。

DTは、2020年に立ち上げたMagentaGamingサービスが失敗し、クラウドゲームをパートナー主導のコンテンツアグリゲーターアプローチに切り替えています。

<参照URL>
https://www.telekom.com/en/media/media-information/archive/5g-innovation-for-mobile-cloud-gaming-1074122

SKT

GPUaaSを開始

企業がAIサービスを開発または利用するために必要に応じてGPUクラウドサービスにアクセスできるようにシリコンバレーのスタートアップLambda Labsと提携し、韓国国内でAIクラウドサービスをサポートするとのこと。

年末までにNvidia GPUクラスターをLambdaのクラウドプラットフォームに導入するとしています。

狙いは、エッジサイトを利点とし、ネットワーク接続と一部のオーケストレーションを便利にバンドル、ホスティング、ネットワーク、マネージドサービスのパッケージを購入するテナントを獲得することとされます。

なお、Singtel も、 2月に GPUaaS への進出を予告し、Paragon プラットフォーム経由で Nvidia GPU へのアクセスを提供開始しています。

東南アジアの通信事業者にサービスを販売するために地域通信事業者グループの Bridge Alliance と契約を結び、
ヨーロッパでもサポートするためにNscale とも契約を結んでいます。

<参照URL>
https://www.sktelecom.com/en/press/press_detail.do?idx=1619&currentPage=1&type=&keyword=


政府・団体

米国政府

米国運輸省(USDOT)全国規模でV2Xを展開する計画を発表

2029年までにまず5.9GHz技術を高速道路の20%と主要交差点の25%に導入、2031年までに2倍の規模に拡大し、全国展開は2036年までに完了する予定とのこと。

2036年までに大手自動車メーカー6社にV2X計画への支持を取り付け、自動車メーカーはすでに5.9GHzのV2Xアンテナを自社の車両に取り付ける必要が出てくるとしています。

<参照URL>
https://highways.dot.gov/newsroom/usdot-releases-national-deployment-plan-vehicle-everything-v2x-technologies-reduce-death
https://www.transportation.gov/briefing-room/usdot-releases-national-deployment-plan-vehicle-everything-v2x-technologies-reduce#:~:text=Along%20with%20the%20National%20Plan%2C%20the%20Federal%20Highway,interference%20across%20a%20variety%20of%20devices%20and%20platforms.

NIST傘下AI Safety Institute、OpenAIとAnthropic がリリース前とリリース後にAIモデルを共有することに合意したと発表

AI Safety Instituteは、企業や専門家のコンソーシアムと協力し、潜在的に危険なAIシステムを評価しながら、安全ガイドラインと優良事例を確立する組織です。

この活動に則して、両社は、AI モデルの安全性研究、テスト、評価で協力、開発した製品に早期アクセスを提供するだけでなく、製品が市場に出た後もアクセスできるようにするとのこと。

<参照URL>
https://www.nist.gov/news-events/news/2024/08/us-ai-safety-institute-signs-agreements-regarding-ai-safety-research

AI RAN Alliance

3つの新しいワーキンググループを立ち上げ

AI-for-RAN ワーキング グループ

業界が 6G に向かう中で、RAN での AI の使用を検討および強化し、効率や容量などのパフォーマンス メトリックを改善することを目的としています。

AI-and-RAN ワーキング グループ

RAN、AI、および生成AIワークロードを実行するための統合コンピューターおよび通信インフラストラクチャの同時使用を調査し、プラットフォームの利用率を高め、新しい収益化の機会を創出することを目的としています。

AI-on-RAN ワーキング グループ

消費者、企業、政府部門で AI および GenAI アプリケーションを実行するための無線インターフェイス要件を定義することを任務としています。

その目的は、5G でのこれらのアプリケーションのパフォーマンスをベンチマークし、将来の 6G システムに対する新しい要件を特定することです。

<参照URL>
https://ai-ran.org/working-groups/


Tech Giants

Google

Google Cloud Security Summitでソリューションを発表

Google Securityは、Mandiant Custom Threat Hunt、Security Commander機能、Chrome Enterprise Premium のアップデートの 3 つの新機能を発表しています。

Mandiant Custom Threat Hunt

マネージドの検出・対応サービスを補完するポイントインタイムの脅威ハンティング機能を提供。

社内の脅威ハンティングプログラムを補完し、組織が環境内で現在・過去に脅威アクターが行った活動を発見し、
将来の脅威を検出する能力を向上。

Security Command Center

SCC は 「仮想レッドチーム」を使用して、脆弱性や重要なリソースへのアクセスにつながる、これまでにない有害な組み合わせを発見。

特定のクラウド環境のデジタル ツイン モデルに対して何百万もの攻撃の組み合わせを試して、可能性のある攻撃パスを見つけることで、クラウド防御への侵入を試みる攻撃者を継続的にシミュレート。

マルチクラウド クラウド インフラストラクチャの権限管理機能を強化し、顧客がクラウド ID を管理し、最小権限のアクセス モデルを維持できるように設計。

Chrome Enterprise Premium

ユーザーは従量課金制でより迅速かつ容易に保護を実現し、透かしでデータを保護し、ブラウザ履歴の URL フィルタリングで閲覧アクティビティをより詳細に把握し、Chrome セキュリティ インサイトを表示して脅威をより詳細に把握できるように。

そのほかにも、複数の機能を発表しており、現在プレビュー中の Privileged Access Manager は、高権限ユーザーに対してジャストインタイム、時間制限、承認ベースのアクセス昇格による最小権限の原則を適用し、Principal Access Boundary により、既存の IAM ポリシーに関係なく、特権の承認済みリソース セットを定義可能とのこと。

<参照URL>
https://cloud.google.com/blog/products/identity-security/reimagine-security-through-the-power-of-convergence-at-google-cloud-security-summit-2024

AI Studioに新しいPrompt Gallery機能を発表

Prompt Galleryは、Gemini モデルの機能を紹介するため、さまざまな事前構築済みプロンプトを提供します。
これらのプロンプトは、実用的なツールから創造的な演習まで、幅広いアプリケーションをカバーしています。

  • JSON スキーマベースのレシピリストジェネレーター
  • 二次方程式の数学の家庭教師
  • 小学校数学教師のためのワークシートジェネレーター
  • 宝探しゲームクリエイター
  • Python関数のユニットテストツール
  • 旅行推奨システム
  • 関数を最適化するための時間計算量アナライザー
  • 画像ベースのオブジェクト識別子

このバリュエーションの多さは、コードテストや時間複雑度分析などの技術的なタスクだけでなく、写真からのレシピ作成などの創造的な取り組みにも対応し、AIの民主化を進めることが期待されます。

また、AI の実験と開発のための包括的かつ無料のプラットフォームを提供することで、開発者コミュニティのより大きなシェアを獲得することを狙っているとされています。

<参照URL>
https://ai.google.dev/gemini-api/prompts

米大統領選挙戦に際し、生成AIに選挙トピックスに関して回答しないように制限

選挙では、現在の候補者、投票プロセス、選挙結果などのトピックに関する信頼できる最新の情報の提供をGoogleに頼っており、この新しいテクノロジーは、学習したりニュースが流れたりするにつれて間違いを犯す可能性があるとしています。

Search AI Summary、 YouTube ライブチャットの AI Summary、Gems 、Gemini での画像生成に適用されるとのこと。

<参照URL>
https://blog.google/outreach-initiatives/civics/how-were-approaching-the-2024-us-elections/
https://blog.google/outreach-initiatives/civics/preparing-for-the-us-elections-in-november/

Gemini をアップデート、新しい画像生成モデルとカスタム Gem チャットボットを追加

Gemini 1.5 の小型版である Gemini 1.5 Flash-8B 、大幅に改良されたGemini 1.5 Flashとより強力なGemini 1.5 Pro(数学、コーディング、複雑なプロンプトで優れている)とともに発表。

チャットボットに Imagen 3 画像生成モデルを搭載し、有害なコンテンツの生成を阻止するためのガードレールを具備させたうえで、人物画像を生成するGeminiの機能を再有効化。

Gemでは、ユーザーが特定のタスク セットに最適化されたチャットボットのカスタマイズ バージョンを作成可能になるとのこと。

<参照URL>
https://blog.google/products/gemini/google-gemini-update-august-2024/

Google Cloud、AccentureとAIの導入とサイバーセキュリティを推進する戦略的提携を発表

拡張と成功に必要な技術的専門知識、エンジニアリング リソース、AI に最適化されたツールを提供するとともに、クライアントが生成 AI 特有の新たなリスクに適応するのに合わせて、セキュリティに関する取り組みを強化し、モデル データの保護、サイバー攻撃の管理、侵害の影響を最小限に抑えて迅速な復旧を可能にする修復サービスを提供するとのこと。

<参照URL>
https://newsroom.accenture.com/news/2024/accenture-and-google-cloud-advance-ai-adoption-and-cybersecurity-with-fortune-500-companies

Amazon

Alexaの有料版にAnthropic Claudeを採用するとの報道

サブスクリプションベース(月額5ドルから10ドルを予定)の音声アシスタントRemarkable Alexaが9月に製品発表、10月にデビューする可能性があるとのこと。

Alexaには現在1億人のアクティブユーザーがおり、その10人に1人はより高性能なバージョンにお金を払う意思があり、月額10ドルの料金を課せば、アマゾンは有料版のAlexaから年間12億ドルの収益を上げることが期待されます。

Remarkable Alexa の基盤として、主に Anthropic の Claude シリーズの LLM を利用する予定で、Opus などのハイエンド モデルでユーザーからの最も複雑なプロンプトを処理し、よりシンプルなリクエストを Haiku などの小規模な Claude LLM にルーティングする計画を立てているとのこと。

Remarkable Alexaは、プロンプトに応答する際に、ユーザーの過去の質問や、それらの質問に対する自身の回答を
考慮に入れることができるようになり、ニュース記事を集約したり、買い物の提案をしたり、ファッションのヒントを提供したり、その他のさまざまなタスクを実行したりできるとされています。

このサービスは、情報を取得するだけでなく、消費者に代わってアクションを実行することもできるされ、タスクの一部をある程度の自律性で実行でき、ユーザーが朝のアラームを忘れた場合でもアラームを設定できるともされています。

<参照URL>
https://www.reuters.com/technology/artificial-intelligence/amazon-turns-anthropics-claude-alexa-ai-revamp-2024-08-30/

AWSとDeloitte、業界特化型エンタープライズAIソリューションを提供

Deloitteの業界専門知識とクライアントリレーションシップを AWS の技術力と組み合わせ、AWS が AI の分野で顧客に提供してきた大きな進歩と組み合わせることで、さまざまな分野で AI の導入を加速させるとのこと。

両社のエンジニアが業界固有のソリューションを開発するInnovation Labを設立するとしています。

Nvidiaと Amazon Bedrock の高速化機能を活用し、カスタマイズLLMを使用して、財務機能を合理化するツールである Deloitte のC Suite AI for CFOs を活用。

また、エンタープライズ AI ソリューションを実装し、AI コンタクト センターと Deloitte Converge を基盤として、銀行業務の近代化とクラウド セキュリティをサポートするとしています。

<参照URL>
https://www2.deloitte.com/us/en/pages/about-deloitte/articles/press-releases/deloitte-launches-gen-ai-accelerator-program-with-aws.html

HPCマネージドサービスAWS Parallel Computing を発表

顧客は、システム管理者をトレーニングすることなく、大規模で計算集約型のワークロード用のHPCクラスタにアクセスできます。

AWS Parallel Computing を使用すると、Amazon EC2インスタンスのグループを設定管理でき、システム管理者向けのクラスターの構築と保守に、オープンソースの HPC ワークロード マネージャーSlurmを採用し、ユーザーは何も再設計することなく、既存のワークフローを AWS HPC クラスターに移行できるとのこと。

<参照URL>
https://aws.amazon.com/blogs/aws/announcing-aws-parallel-computing-service-to-run-hpc-workloads-at-virtually-any-scale/

AIロボットスタートアップCovariantの創業者と一部従業員を採用し、ロボット向け基礎モデルの利用契約を締結

Covariantは、ビンピッキングなどの一般的な倉庫作業を行うロボットアーム用からAIモデルの作成を始めており、アパレル、健康・美容、食料品、医薬品など、幅広いグローバル業界の生産環境に同社のAIモデルCovariant Brainを提供します。

Amazonは、同社のAI技術を既存のロボット群に組み込むことで、ロボットの性能が向上し、顧客にとって現実的な価値が生まれるとしています。

こうした提携は、独占禁止法の違反調査のやり玉に挙げられるテクノロジー大手が、雇用やライセンス契約を利用して買収を隠す手法とされています。

<参照URL>
https://www.aboutamazon.com/news/company-news/amazon-covariant-ai-robots
https://covariant.ai/resources/introducing-the-next-phase-of-our-ai-robotics-journey

Apple

EU DMA法に準拠するiOSおよびiPadOSのアップデートをプレビュー

DMA(デジタル市場法)は、欧州議会が2022年に可決した法律で、EUがゲートキーパーに指定した大手テクノロジー企業は、プリロードアプリケーションをユーザーが簡単にアンインストールできる方法を提供しなければなりません。

Apple がプレビューしたアップデートでは、EU の iPhone および iPad ユーザーは、メッセージ、写真、カメラ、Safari アプリを削除するオプションが提供されています。

<参照URL>
https://developer.apple.com/support/dma-and-apps-in-the-eu/#app-controls


ベンダ

OpenAI

NVIDIAやAppleなどが参加予定の次期資金調達ラウンドで時価総額が1000億ドルになるとの予測

Microsoftも出資額を増やすとされ、Thrive Capitalが10億ドルのラウンドをリードするとのこと。

OpenAI の年間収益は今年初めに 34 億ドルを超えたと報じられていますが、AI トレーニングと人材配置の取り組みを拡大する中で、年末までに 50 億ドルの損失が出る見込みだとされており、そこまでの価値があるのか?と問題提起もされています。

なお、ChatGPTの週間アクティブユーザー数は現在2億人を超えているとのこと。

<参照URL>
https://techcrunch.com/2024/08/29/apple-and-nvidia-could-be-openais-next-big-investors/

The New Yorker、Vogue、Wiredなどの有名メディアを発行するCondé Nastと契約

OpenAIはCondé Nastへ料金を支払い、同社のコンテンツでトレーニングする許可を得、ChatGPTと検索プロトタイプSearchGPTにCondé Nast傘下企業の記事を掲載するとのこと。

これらの取引は記事を書いている記者や編集者の意見を聞かずに行われており、賛否両論がある模様です。

<参照URL>
https://openai.com/index/conde-nast/
https://www.condenast.com/news/conde-nast-openai-partnership

GPT-4oの微調整機能をリリース

GPT-4oをサードパーティのソフトウェア開発者が微調整(または動作の変更)し、アプリケーションや組織のニーズにより適合させることができるとのこと。

微調整機能により、開発者はカスタム データセットを使用して GPT-4o をトレーニングし、モデルの動作を変更する必要のあるユース ケースにおいて、より低いコストでより高いパフォーマンスを実現できるようになるとしています。

たとえば、 モデルを微調整して、学生が C++ や Rubyなどプログラミングを学ぶ大学レベルのコーディングコースの教師として利用することができるとしています。

また、微調整されたモデルにより、入力や出力が他のモデルのトレーニングに使用されるリスクがなく、ビジネス データを完全に制御できるとともに、アプリケーションが OpenAI の使用ポリシーに準拠していることを保証するために、自動評価や使用状況の監視などの階層化された安全対策を実装したともしています。

微調整機能は、すべての有料ユーザーが利用可能とのこと。

微調整トレーニングは100万トークンあたり25ドルで 、 導入後は 100 万入力トークンあたり3.75ドル、100万出力トークンあたり15ドル。

開発者は9月23日までGPT-4oの場合は1日あたり100万、GPT-4o miniの場合は1日あたり200万の無料トレーニングトークンを受け取るとしています。

<参照URL>
https://openai.com/index/gpt-4o-fine-tuning/
https://bird-bench.github.io/

Anthropic

モバイルアプリの収益が100万ドルを突破

iOSとAndroidを合わせたモバイルアプリの総収益が100万ドルを突破。その収益のほぼ半分は米国のユーザーによって生み出されているとのこと。

Claude は、iOSアプリとして見た場合、生産性カテゴリでダウンロード数では 95 位、収益では 68 位。

一方OpenAIのChatGPTは、iOS における米国でのダウンロード総数で第 1 位、収益で第 26 位です。

<参照URL>
http://techcrunch.com/2024/08/21/anthropics-claude-surpasses-1m-in-mobile-app-revenue

システムプロンプトを公開

システムプロンプトは、生成型 AI 企業が、AI チャットボットを誘導し、有害、人種差別的、偏見的、または物議を醸す応答や発言を吐き出さないようにするためのツールです。

たとえば、AI 企業はシステム プロンプトを使用して、AI モデルに対して、企業が謝罪する羽目になるような言い方をせずに常に丁寧に答えるように指示したり、質問の答えがわからないときには常に正直に答えるように指示したりすることができます。

用しているシステム プロンプトを公開すると、一部の賢い悪意のあるユーザーがプロンプト インジェクション攻撃などの方法で、プロンプトを回避する方法を考え出す可能性があるため、これまで他のスタートアップは公開していませんでしたが、「透明性を重視」し、Claude 3.5 Opus、Claude 3.5 Sonnet、Claude Haikuなど、をガイドするシステムプロンプトを公開したとのこと。

システム プロンプトの公開を定期的に行う予定でありメジャーアップデートや新しいモデルのリリースごとに更新する予定とのこと。

<参照URL>
https://docs.anthropic.com/en/release-notes/system-prompts#july-12th-2024

Abacus.ai

オープンソースのコーディング特化AI「Dracarys」をリリース

Abacus.aiは、リアルタイムでのML/DLを企業に提供するAIプラットフォームと、汎用LLM Smaug-72Bなども提供しています。

今回発表されたDracarysモデルは、コード生成、バグ修正、コメント生成などのタスクで高い精度を実現し、コーディングタスクに最適化され、既存のオープンソースモデルよりも優れたパフォーマンスを出すとのこと。

Abacus.aiは、Dracarysをオープンソースで公開することで、AI駆動のコーディング技術の進歩を加速させることを目指し、開発者コミュニティ全体が恩恵を受け、より効率的なソフトウェア開発が可能になるとしています。

<参照URL>
https://abacus.ai/mlops
https://livebench.ai/

Grafana Labs

Series Dの延長で新規に約2億7000万ドル相当の資金を調達

経常収益が 2 億 5,000 万ドルを超え、Grafana Cloud によるホスト型サービスとGrafana Enterprise によるセルフホスト型サービスの有料ユーザー数が 2022 年の 2,000 社から 5,000 社以上に増加、評価額は現在60億ドル超とのこと。

<参照URL>
https://grafana.com/grafana/dashboards/

NVIDIA

軽量言語モデルMistral-NeMo-Minitron 8Bを発表

Mistral-NeMo-Minitron 8B は、AIスタートアップ企業 Mistral AIとの協業して開発されたMistral NeMo 12Bの縮小版です。

コードから不要なコンポーネントを削除することで、モデルのハードウェア要件を低減するPluningやAI の出力結果を、ハードウェア効率の高いニューラル ネットワークに転送するプロセスを追加、AI 出力の品質が向上するKnowledge distillationにより、効率が上がり、Nvidia RTX 搭載ワークステーションで実行できるほど小型でありながら、AI チャットボット、バーチャル アシスタント、コンテンツ ジェネレーター、教育ツールの複数のベンチマークで優れた性能を発揮するとしています。

モデルのコードは、オープンソース ライセンスのもと 、Hugging Faceで公開されています。

<参照URL>
https://blogs.nvidia.com/blog/mistral-nemo-minitron-8b-small-language-model/
https://developer.nvidia.com/blog/mistral-nemo-minitron-8b-foundation-model-delivers-unparalleled-accuracy/

NIM Agent Blueprintsを発表

Nvidia NIM マイクロサービスは、デジタル ヒューマン カスタマー サービス チャットボット、RAG、創薬などの生成 AI ワークフロー用の AI モデルへの効率的なアクセスを開発者に提供。

AIモデルを使用してアプリ を作成するのは、 複数のツールと熟練した作業者を必要とする複雑なプロセスとなるため、ナレッジが確立されているビジネスユースケース向けにテンプレートを提供することでそのプロセスをよりアクセスしやすくすることで、これらのアプリの作成をスピードアップできるとしています。

NIM Agent Blueprintsを含む Nvidia AI Enterprise ツールキットにより、企業がオープンソース モデルをカスタマイズし、特定用途向けの AI アプリケーションを構築し、あらゆるクラウド、オンプレミス、エッジにシームレスに展開できるとのこと。

<参照URL>
https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-and-global-partners-launch-nim-agent-blueprints-for-enterprises-to-make-their-own-ai
https://blogs.nvidia.com/blog/nim-agent-blueprints/

研究者がより正確に天気を予測できるようになるモデルStormcastを発表

3 キロメートル、1 時間単位で最大 6 時間先までの天気を予測可能になるとのこと。

<参照URL>
https://blogs.nvidia.com/blog/stormcast-generative-ai-weather-prediction/
https://research.nvidia.com/publication/2024-08_kilometer-scale-convection-allowing-model-emulation-using-generative-diffusion

AMD

AIコンピューティング設計とインフラを提供するZT Systemsを49億ドルで買収

ZTsystemsのAIクラスタのシステム設計とラックソリューションの専門知識を取り込み、AMDのデータセンターAIシステムと顧客支援機能を大幅に強化するとのこと。

<参照URL>
https://ir.amd.com/news-events/press-releases/detail/1211/amd-to-significantly-expand-data-center-ai-systems
https://www.wsj.com/tech/ai/amd-buys-ai-equipment-maker-for-nearly-5-billion-escalating-battle-with-nvidia-e1106142?mod=article_inline
https://finance.yahoo.com/news/amd-acquire-server-maker-zt-102414443.html

Salesforce

販売見込み客の選別と営業担当者のトレーニングする2つのAIエージェントを発表

Einstein Sales Development Rep (Einstein SDR)

見込み客をフィルタリングし、最も有望な見込み客を人間のエージェントに送り、取引を成立させるため、RAGを使用して販売見込み客の質問を分析し、会社の知識ベースを活用して、製品に関する質問に答えたり、クレームに対処したり、営業担当者との会議をスケジュールしたりするなど、次に何をすべきかを判断することができる。

Einstein Sales Coach Agent

ロールプレイングを通じて営業担当者を指導することを目的とし、RAGを利用して、各営業リードに合わせ、見込み客として行動し、会話の方向に基づいて見込み客がどのように反応するかを再現、現実的な状況による練習の機会を与え、成功する可能性を高めるとのこと。

<参照URL>
https://www.salesforce.com/news/stories/einstein-sales-agents-announcement/

オープンソースのマルチモーダルAIモデルxGen-MMをリリース

事前トレーニング済みのモデル、データセット、微調整用のコードを含む xGen-MMは、テキスト、画像、その他のデータタイプを組み合わせたコンテンツを理解および生成するAIとして、複数の画像とテキストを組み合わせた「インターリーブ データ」を処理できるとし、最大40 億のパラメータを持ち、同規模のオープンソース モデルと比較して、さまざまなベンチマークで競争力のあるパフォーマンスを実現したとしています。

研究者や開発者に高品質のモデルとデータセットへのアクセスを提供することで、より幅広い参加者がマルチモーダル AI の進歩に貢献できるようにしているとのこと。

<参照URL>
https://huggingface.co/collections/Salesforce/xgen-mm-1-models-662971d6cecbf3a7f80ecc2e

Redis

外部データベースのコンテンツを Redis に移動してキャッシュするRedis Data Integrationをリリース

Redis は、市場で最も人気のあるオープンソース キャッシュの 1 つです。

同社は、信頼性とスケーラビリティを向上した有料版の Redis Enterprise を販売、マネージドサービスのRedis Cloud も提供しています。

プラットフォームにレコードをストリーミングするには、開発者がカスタム データ転送ワークフローを構築する必要がありましたが、RDI により、外部データベースから Redis にレコードを自動的にコピーし、ユーザが元のファイルに加えた変更を定期的に同期するとのこと。

Redis Cloud でプレビュー版として公開されており、Redis Enterprise ユーザー向けには一般公開されています。

加えて、ユーザーがデータベースの使用方法についてアドバイスを求めることができるAIアシスタントRedis Copilot も発表しています。

チャットボットは、Redis の設定についての説明を提供し、自然言語プロンプトに基づいてクエリを生成し、関連するタスクを実行できるとのこと。

Redis Insight で一般提供が開始されています。

<参照URL>
https://redis.io/data-integration/
https://redis.io/blog/introducing-another-era-of-fast/

Dropbox

AIスケジュール管理ツールReclaim.aiを買収

世界中で43,000社以上の企業と320,000人以上が使用しているとされるReclaim.aiは、Calendly、Clockwise、Doodleなどが競合で、Googleカレンダーと連携し(近々 Outlook のサポートを導入する予定)、AIを活用してユーザーが時間をより適切に管理し、会議やタスクの空き時間を見つけたり、個人的な習慣を身につけたり、休憩を取ったりできるようにするツールを提供。

Dropboxは、何百万人もの人々が大切なことに時間を割けるように支援するとともに、AI が私たちの働き方を改善するのに役立つ新しい方法を模索するとしています。

<参照URL>
https://reclaim.ai/blog/dropbox-acquires-reclaim

Cisco Systems

AIセキュリティスタートアップRobust Intelligenceを買収

もともとCiscoのCVC Cisco Investmentが投資していたRobust Intelligenceは、開発から商用展開までのライフサイクル全体で AI モデルとそれが供給するデータを保護するように設計されたAIモデルのセキュリティとガバナンスを提供するプラットフォームを開発しています。

買収により、Ciscoのセキュリティ・ネットワーク製品に組み込むことで、高度な AI セキュリティ処理を既存のデータフローにシームレスに提供できるとともに、AI アプリケーションやモデルに対する脅威からの保護できるようになるとのこと。

Robust Intelligence の自動モデル評価およびリスク軽減機能を Cisco Security Cloud のに組み込む計画であり、
これにより顧客はネットワーク、AI アプリケーション、モデル、ユーザーを同じ場所で保護できるようになるとしています。

<参照URL>
https://blogs.cisco.com/news/fortifying-the-future-of-security-for-ai-cisco-announces-intent-to-acquire-robust-intelligence

Juniper Networks

AI NetworkingのBlue Printを概説

最近のZK Research – Cube Research の調査で、組織の 93% が、2 年前よりもネットワークがビジネスにとって重要になったと考え、回答者の 80% が、ネットワークがより複雑になり、NetworkのAIに注目が集まっているとされます。

Juniperは、ニューヨーク証券取引所で開催された顧客向けイベント「AI-Native NOW」 にて、企業ネットワークへのAI組み込みを実現するAI Networrk Acceleration Blue Printを説明、学習、試行、購入、導入、最適化の4フェーズでAI導入のプロセスを簡素化するとしています。

  1. AIOps を戦略的に使用してネットワーク運用を最適化する方法を教育する無料コースを開発
  2. 期間限定で、ジュニパーは条件に合う見込み客に、一連の製品を無料で、
    または大幅な割引価格で試用する機会を提供(Mist WiFi、Apstra、Paragonなどが含まれます)
  3. カスタムおよびパッケージ化されたエンタープライズ契約と定期支払いプランまたは固定期間サブスクリプション
  4. 検証済み、テスト済み、実証済みの Juniper テクノロジ実装ガイドである「Juniper Validated Designs」の提供
  5. AI を活用したサポートを提供、問い合わせの 80% を自動的に解決
    パーソナライズされたサポートを利用できる AI ケア サービスも導入

<参照URL>
https://www.thecube.net/events/juniper/juniper-networks-ai-native-now

Nokia

モバイル部門のSamsingへの売却報道を否定

部門の一部または全部の売却から分社化、あるいはライバルとの合併まで、さまざまなシナリオを検討しているとのBloombergの報道を受けて、今後もモバイルネットワーク事業の成功に向けて全力を尽くすと表明しています。

<参照URL>
https://www.nokia.com/about-us/news/releases/2024/08/29/nokia-comments-on-trading-activity-of-its-stock/
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-08-29/nokia-mobile-networks-assets-said-to-draw-interest-from-samsung

Axiom Space と提携して、4G LTEネットワーク機能を月面宇宙服に組み込み

2026 年 9 月以降に打ち上げられる予定の、NASA の月南極への有人ミッションにおいて、Axiom 船外移動ユニット (AxEMU) に LTE セルラー機能を組み込み、月面上の数マイルにわたるビデオ、データ、音声の伝送をサポートするとのこと。

<参照URL>
https://www.nokia.com/about-us/news/releases/2024/08/21/nokia-and-axiom-space-partner-to-enable-high-speed-cellular-network-capabilities-in-next-gen-lunar-spacesuits/

Checkpoint

Cyberint Technologiesを買収

Cyberint Technologiesは、漏洩した認証情報や悪意ある目的で作られた偽のウェブサイトが今日驚くほど蔓延しており、90%以上の組織がこうした脅威に直面しているとし、企業がフィッシングの阻止などさまざまなオンライン脅威をブロックするのを支援するArgos と呼ばれるサイバーセキュリティ プラットフォームを提供。

組織のネットワーク内の脆弱なシステムや、それらのシステムによって引き起こされた可能性のあるデータ漏洩を
検出するように設計されているとのこと。

Check Point は、Cyberintの技術を使用して、Infinity サイバーセキュリティスイートを強化し、マネージド脅威インテリジェンス サービスのポートフォリオが強化されるとしています。

<参照URL>
https://www.globenewswire.com/news-release/2024/08/27/2936192/0/en/Check-Point-Software-to-Acquire-Cyberint-to-Transform-Security-Operations-and-Expand-Managed-Threat-Intelligence-Solutions.html

Dremio

Apache Icebergデータレイクのクエリパフォーマンスが劇的に向上したと発表

Apache Iceberg テーブルでのクエリパフォーマンスを大幅に高速化し、ユーザーの介入の必要性を減らした高度な分析パフォーマンス機能のセットを発表。

Dremio Live Reflectionは、同社のデータレイクエンジンの機能で、最適化された事前計算済みのデータ表現を作成することでクエリ パフォーマンスを高速化、Iceberg テーブルに変更が加えられるたびに、マテリアライズド ビューと集計が自動的に更新され、最適なパフォーマンスが実現されるとのこと。

また、Result Set Cachingは、クエリだけではなく頻繁にアクセスされるクエリ結果を保存することで、
すべてのデータ ソースにわたってクエリ応答を最大 28 倍高速化できるとしています。

<参照URL>
https://www.dremio.com/blog/whats-new-in-dremio-enhanced-performance-with-reflection-improvements-result-set-caching-and-merge-on-read-2/

Atlassian

AIを活用した会議メモ作成、画面録画ツール、ビデオハブであるRewatchを買収

昨年10月に9億7500万ドルで買収した非同期ビデオメッセージングプラットフォームLoomにRewatchを統合し、最近立ち上げたRovo AIプラットフォームにも統合する予定とのこと。

これにより、たとえば会議メモをすぐにJiraの課題に変換したり、トランスクリプトをビジネス全体のコンテキスト内で検索できるようにしたりできるとのこと。

統合後、Loom AI エージェントは Zoom、Google Meet、Microsoft Teams の会議に参加できるようになり、トランスクリプト、会議メモ、アクション アイテムを作成、Confluence ページ、Jira 上の課題、サービス チケットに自動的に関連付けるとしています。

これまでは手動で操作をスケジュールする必要がありましたが、すべてが増分的かつライブ、今ではレコードを自動的に挿入するだけで、更新はすべて増分的であるため、コストもかからないとしています。

<参照URL>
https://www.atlassian.com/blog/announcements/atlassian-welcomes-rewatch
https://rewatch.com/blog/rewatch-is-joining-loom-at-atlassian/

Magic

コード生成AIスタートアップMagic、エリック・シュミット、Atlassianなどから3億 2,000 万ドルの投資を獲得

Magic は、ソフトウェア エンジニアがコードの作成、レビュー、デバッグ、およびコード変更を行うを支援するように設計された AI ツールを開発中です。

このツールは、ペアプログラマーのように動作し、さまざまなコーディングプロジェクトのコンテキストを理解し、継続的に学習するとしています。

今回、元Google CEO エリック・シュミットのほか、Google親会社AlphabetのCVC CapitalG、Atlassian、Sequoiaなどから3億2000万ドルの資金調達ラウンドを完了、長期記憶ネットワークLTMによる超長期コンテキスト ウィンドウを差別化要素に(最新モデル LTM-2-mini には 1 億トークンのコンテキスト ウィンドウ=約 1,000 万行のコードに相当)

コード生成AIツールを提供する他のスタートアップ

Codeium(Series C 2 億 5,000 万ドル、評価額12 億 5,000 万ドル、70 万人以上のユーザー、Dell など 1,000 社以上の企業顧客)、Cognition、Poolside、Anysphere、Augmentなどと競合します。

Google Cloudと提携し、Google Cloud Platform 上に 2 台のスーパーコンピュータMagic-G4を構築、Nvidia H100 GPU で構成され、160ExaFLOPSのMagic G5 は来年オンライン化、Nvidia 社の次世代 Blackwell チップを使用する予定ともしています。

<参照URL>
https://magic.dev/blog/100m-token-context-windows
https://cloud.google.com/blog/products/ai-machine-learning/magic-ai-100m-tokens-cloud-supercomputer/

Celebres Systems

NVIDIA GPU代替の一つとされるCerebras Systems、世界最速のAI推論サービスがクラウドで利用可能になったと発表

Celebres Systemsは、AIやHPCワークロード向けの特殊で強力なコンピューターチップWSE-3を製造。

1.4兆個のトランジスターを搭載し、90万個を超えるコアと44GByte RAMを備えています。

WSE-3は、単一のNvidia H100 GPUの52倍のコアがあるとのこと。

同チップはピーク速度 125PetaFLOPSのCS-3システムで提供されます。

また、Cerebras Inference サービスは、NVIDIAハイエンドAIサーバの最大 20 倍高速で、非常に高速と主張、Llama 3.1 8B モデルでは 1 秒あたり 1,800 トークン、Llama 3.1 70B では 1 秒あたり 450 トークンを提供し、100万トークンあたり10セントから利用可能で、AI推論ワークロードの価格性能比が100倍に向上するとしています。

1,000 トークン/秒の速度の高速推論サービスでブロードバンド インターネットの導入以来の革新とし、AI アプリケーションに新しい機会をもたらすとしています。

<参照URL>
https://cerebras.ai/blog/introducing-cerebras-inference-ai-at-instant-speed/

IBM

IBM CloudでIntelのAI アクセラレータ チップGaudi3を導入

IBM Cloudで来年初めにGaudi 3を顧客に提供し始めるとのこと。

IBM Cloud Virtual Servers for VPC で利用可能となり、Watsonx AIでGaudi 3をサポートする予定としています。

Gaudi3は、2024年に5億ドルの収益を見込んでいるとIntelが発表していますが、これはAMDがInstinct MI300シリーズGPUの売上で見込んでいる45億ドルや、Nvidiaがデータセンター事業で見込んでいる400億ドルに比べれば微々たる金額で後塵を拝している状況です。

<参照URL>
https://newsroom.ibm.com/blog-intel-and-ibm-collaborate-to-provide-better-cost-performance-for-ai-innovation

Vmware

Explore 2024を開催

このカンファレンスは通常、VMware が最新の進歩を披露する機会となっていまが、アナリストは、このイベントから注目すべきニュースはほとんどなかったとされています。

VMware Cloud Foundation 9(サービスのプロビジョニング用のセルフサービス クラウド ポータルと、管理コンソールを 12 個以上から 1 個に統合)や、Tanzu10(自動化された安全なコンテナ ビルドと、開発者がコードを展開してアプリ配信するのを高速化)などを発表、企業のプライベート クラウド構築を支援するリーダーになるとしています。

また、エッジでの音声、ビデオ、アプリケーション データの信頼性と速度を向上させるため、ブロードバンド、固定ワイヤレス アクセス、衛星の組み合わせをサポートするようにVeloCloud Edge アプライアンスをアップグレード、Symantec の PoP と統合し、セキュリティ向上も図っているとのこと。

そのほか、Edge Compute Stackを更新し、ゼロタッチオーケストレーションにより、エッジAIワークロードの導入と管理を簡素化、エッジ デバイスとアプリケーションのパフォーマンスと状態を追跡できるようにもしています。

<参照URL>
https://www.vmware.com/explore/us

SamsungとCXL(Compute Express Link)で技術提携

AIワークロードがサーバーのメモリ容量にますます負担をかけるようになる中、CPUとアクセラレータ間を高速通信で接続するオープンスタンダードのCXLはパフォーマンスの向上に寄与すると注目されています。

サーバーは最大 5TByteまでDRAMの膨大なメモリ量が処理上限です。

CXL はメモリ拡張を提供し、最終的にはメモリ プーリングを実現、5TByte 上限が解消されるため、CXL 対応のデバイスやシステムを追加して拡張できます。

CXL は普及しはじめており、実際の運用環境に導入され始めています。

Samsung は CXL をサポートするCMM-H (CXL Memory Module-Hybrid) を導入し、メモリ プーリング アプライアンスであるCMM-Bも発売しています。

VMwareは vSphere 8.0 Update 3 に、統合された高帯域幅メモリ (HBM) を備えたIntel Xeon Max シリーズ プロセッサがサポートされると発表し、HBM と DRAM 間の階層化により、GPU に追加のメモリを提供可能になるとしています。

<参照URL>
VMware | Towards a CXL Future with VMware

Fortanix

Fortanix Data Security Manager にファイル システム暗号化を追加

組織がさまざまなユーザー グループからデータベース全体の異なる部分へのアクセスを必要とする際に頻繁に遭遇する問題に対処する必要があり、MongoDB Community Edition などの一般的なデータベースには、透過的なデータベース暗号化のネイティブ サポートが欠けているとしています。

ファイルシステム暗号化サービスは、きめ細かな復号化ポリシーによって管理される暗号化により特定のホスト上の個々のファイル システムを保護、ディスク全体の暗号化を補完するとのこと。

これにより、アプリケーション、データベース、ストレージ、ファイル システムを含むすべてのレイヤーで暗号化がサポートされるようになるとしています。

<参照URL>
https://www.fortanix.com/company/pr/2024/08/adding-file-system-encryption-to-data-security-manager-to-bolster-full-stack-data-security

HTC

メタバースの一部としてあらゆるデバイス向けの没入型マルチプレイヤーワールドをノーコードで構築して共有する機能を発表

Viverse Create は、ユーザーが VR ヘッドセット、モバイル、または PC や Mac からWeb経由でメタバースを体験し、構築するための基盤を提供するとのこと。

高性能のゲーム機や VR 対応マシンは必要なく、ほぼすべてのデバイスで誰でも Viverse の世界に入り、構築できるとしています。

ターゲットは、VTuber /ライブイベント、ゲーマー、教育。

ブラウザ経由でアクセスできるため、教師は、教育コンテンツを配置すれば、IT部門にマシンに何かをインストールしてもらうというプロセス全体を経ることなく、生徒に簡単にコンテンツを見せることができるとしています。

<参照URL>
https://blog.viverse.com/post/viverse-create-a-virtual-space-for-you-to-build-game-explore

川島 宏司 川島 宏司

2007年中途入社、十数年に渡り通信キャリア様コア・データセンターネットワークの仕様策定/設計/構築に従事。 3年間の米国駐在を経て、通信キャリア様向け中長期戦略を主務とする傍ら、社内外に海外トレンド発信・新製品紹介も行う「いろいろやってる職」の人。