目次
トレンド
AIにより急増する電力消費と光熱費の高騰の懸念
Goldman Sachsは2024年5月のレポートで、クラウドサービスプロバイダーがAIインフラの需要を満たすために拡大するにつれて、データセンターが米国の総電力供給量の8%を使用するようになると予測(2022年の3%から増加)。現在の傾向が続くと仮定すると、米国の電力会社は、新設ないし更改したAIデータセンターをサポートするために、発電能力に約500億ドルを投資する必要があるとのこと。
Metaが最近大規模な新サーバー施設の建設に着工したカンザス州では、電力会社エバーギーが石炭火力発電所の廃止を最大5年延期すると発表しており、一部の専門家は、大量の電力を消費するデータセンターは大量の水も消費するため、日常的に料金を支払っている人々の光熱費の上昇につながり、低所得者に不釣り合いな影響を与える可能性があるとの指摘も出てきています。
DCの冷却効率の向上、液冷や光ファイバー化などの技術的対応の検討がより進む後押しになるかもしれません。
通信事業者は将来的にソフトウェア企業になるべきか
DTW Ignite でAT&T CTOは、AT&Tの基盤ネットワークでは、ハードウェアが従来のコンピューティングに置き換えられ、その上にソフトウェアレイヤーが置かれており、従来のネットワーク エンジニアや RF エンジニアでさえ、ソフトウェアを学ばなければならないとしています。
今、通信事業者がすべきことは、自社の製品ロードマップや方向性、テクノロジーを自ら管理し、それらのテクノロジーを自ら展開して、自らの運命をリードし、コントロールすることだともしています。
Telstraの製品・技術担当エグゼクティブも、通信事業者は従来のモデルを変え、ソフトウェアを新たな事業の中核とみなさなければならない岐路に立っていると発言しています。
一方で、アナリストは、これは言うは易く行うは難しだとしています。
単にスタッフにコーディングを学ばせればいいという問題ではなく、通信会社はまず適切な人材を引き付けるという問題に直面しているとしています。
根本的な問題は、ソフトウェア業界の人々は一定レベルの報酬を要求しており、その報酬は、通信会社が提示している報酬の3~4倍で人材確保自体が難しい、とのこと。
加えて、たとえトップクラスの人材を獲得できたとしても、通信事業者は大規模な資本投資を行う際に、いったん投資を決定したら、後戻りすることはできないという考え方をしているが、ソフトウェア開発の考え方は、そうではなく、立ち戻る前提があるとし、通信事業者は大きな考え方の転換を行う必要があるとしています。
<参照URL>
https://www.fierce-network.com/cloud/telcos-want-become-software-shops-thats-easier-said-done?
通信キャリアが今年リリースしたネットワークAPIに採用されているEricsson Vonage、収益悪化
62億ドルで買収したものの、約29億ドル減損し、さらに約11億ドルの減損を計上したとのこと。
ネットワークAPI向けのグローバルネットワークプラットフォームを構築するという戦略を引き続き推進するとしていますが、第1四半期の総売上高は前年同期比15%減の533億スウェーデンクローナ(51億米ドル)。
純利益は66%増の約26億スウェーデンクローナ(2億5000万米ドル)となったが、これは主にコスト削減によるもので、2022年末以降、3月までに6400人の従業員が退職しており、その数は今も減少しているとしています。
一部の金融業界では、顧客はすでに高品質の 5G サービスとして宣伝されているサービスに毎月定期的に料金を支払っているなか、API 対応のサービス品質向上になぜもっとお金を払わなければならないの? ユーザーの位置を特定したり、身元を保証したりするために、なぜネットワーク API が必要なのか? と疑問が出ているとしています。
加えて、どのプラットフォームが最も多くの開発者を引きつけるかという点で、LF Project CamaraやAWSがいる中でVonageの立場は微妙とされています。
<参照URL>
https://www.lightreading.com/5g/ericsson-6-2b-vonage-takeover-now-looks-like-its-worst-deal-ever
USキャリア
AT&T
EricssonがAT&Tでの140億ドル契約での対応について概説
AT&T は、Ericssonが供給するすべての製品が理論上他のベンダーの製品と交換可能であるよう、EricssonにOpenRAN O1仕様への厳格な準拠を要求。
AT&T は、2026年後半までにワイヤレスネットワークトラフィックの70%をOpenRANで処理する計画で、管理ソフトウェアを 1 つにし、そのソフトウェアでネットワーク全体を管理できるようにすることで投資の節約も意図していること。
O1 インターフェースを通じて、あるベンダーの SMO プラットフォームと別のベンダーのベースバンド ソフトウェアを組み合わせることができるとしています。
他のキャリア環境※ではO1に準拠していないため、Ericssonは、OSSii と呼ばれるインターフェイスを介してSMOを別のベンダーの EMS にリンクするという回避策を用意しているとしています。
一方で、他のベースバンドソフトウェアに関しては、RU をリンクするための O-RAN Alliance 仕様であるオープン フロントホール 7.2x について非常に大きな労力がかかることから実質Ericssonでまとめられることになるだろうとしています。
※Ericsson以外のRUサプライヤーである富士通の RU には Ericsson のベースバンド ソフトウェアを搭載。富士通のRUはまだ AT&T のネットワークで動作することが認定されていないが、資格を満たせば富士通、Mavenir、その他の企業も利用できるようになる見込み。
RICに関しては、EricssonのEIC(Non RT RIC)が採用され、Ericsson 独自のアプリに加えて、サードパーティアプリをホスト(rApps)するR1インタフェースにも対応、EMS前提のサードパーティ RAN でもアプリを実行することもできるとしています(VIAVI、HCL、Infovista、WiProなどがEricssonのディレクトリに登録済み)。
さまざまな管理ソフトウェアと RIC ベンダーを組み合わせることは高価であるため、キャリアは高額な設備投資コストを支払いたくないとし、スタンドアロンの RIC ベンダーは苦戦するともされます(Near RT RIC と xApps で、応答時間を数ミリ秒に短縮できる可能性があるが、Ericsson は その点はRAN側で提供されるので、xApps をサポートする予定はないとしている)。
<参照URL>
https://www.lightreading.com/open-ran/ericsson-clears-smo-screen-on-at-t-s-strict-open-ran
ハッカー集団「ShinyHunters」による全顧客情報の盗難後、ほぼ全顧客の顧客データを削除するために約37万ドルを支払う
AT&T は、データの流出を阻止するために、Reddington と呼ばれる ShinyHunters の仲介業者と交渉、伝えられるところによると、ハッカーらは当初 100 万ドルを要求したが、AT&T が交渉して金額を下げ、5 月 17 日にビットコインで支払われたとされています。
この集団は通常、企業のデータベースをハッキングして大量のデータを盗み、身代金を支払わない場合はBreachForums などのサイトでその情報を販売すると脅迫。
最近では、Snowflakeが攻撃され、その顧客である複数の有名企業が侵害を受け、被害者には、AT&Tの他、TicketMasterや米国自動車部品プロバイダー Advance Auto Partsが含まれています。
※顧客がログイン認証情報を更新せず、多要素認証を実装せず、許可されていないソースからのネットワークトラフィックをブロックしなかったために環境が侵入されたとのことでSnowflakeの脆弱性などではないとのこと。ただし、Snowflakeはデフォルトで多要素認証を有効化する対策を講じています。
<参照URL>
https://www.wired.com/story/atandt-paid-hacker-300000-to-delete-stolen-call-records/
https://www.sec.gov/ix?doc=/Archives/edgar/data/0000732717/000073271724000046/t-20240506.htm
https://www.att.com/support/article/my-account/000102979
Verizon
完全自動運転トラクターMonarchと提携
Monarchは、接続に 4G ベライゾン ネットワークを使用し、車両にNVIDIA チップを搭載した完全自動運転の電動トラクターMK-Vを製造しています。
Verizonは、サーバーやクラウドにデータを4G経由で転送してスマートトラクターの管理に使用するデータを収集する基地局も提供しているとのこと。
<参照URL>
https://www.verizon.com/about/news/verizon-business-monarch-tractor-sustainable-farming-practices-network
https://www.monarchtractor.com/mk-v-electric-tractor
https://blogs.nvidia.co.jp/2022/12/12/mondavi-monarch-smart-electric-jetson-tractor/
ワールドワイドキャリア
Softbank
NVIDIA GPUサーバ代替の一角、Graphcoreを買収
MicrosoftやSequoia Captalなどから出資を受け、NVIDIA GPUに対抗するAIワークロード向けチップIPUを開発しているGraphcoreは、注目を集めていたものの近年の経営状況は思わしくなく、買収のうわさがある中、Softbank買収となりました(相互接続された 10 万個の AI プロセッサ、ネットワーク、液体冷却などのシステムなどそもそもハード開発は巨額投資となる)。
取引の詳細については触れないことで合意しているとして、詳細は現状不明ですが、Graphcore という名前で 100% 子会社として運営されることになるとのこと(必要な独占禁止法や安全保障上の承認をすべて取得済みではあるとのこと)。
<参照URL>
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-05-08/softbank-is-said-in-talks-to-buy-troubled-ai-chip-firm-graphcore
https://www.ft.com/content/e33bab13-2d64-47f7-b0e2-9ba446296234
https://www.graphcore.ai/posts/graphcore-joins-softbank-group-to-build-next-generation-of-ai-compute
BT
生成AIでServiceNowと連携
初期 GenAI アプリは BT の B2B グループで開発および試験中ですが、GenAI を消費者向けビジネスに拡張し、社内従業員向けにも使用することを計画しているとのこと。
BT が顧客エンゲージメントを追跡するために使用しているツールは 56 個あり、これらすべてをServiceNowに移行し、AIで強化するとしています。
Now Assistにより、顧客のケースを読み取って素早く要約し、人間のカスタマー サービス担当者が問題を解決できるように支援するとのこと(LLM は ServiceNow データ センターに保管、フィードバックに基づいてトレーニングを更新し続け、プラットフォームにさらに多くのデータを取り込んでいくとしています)。
300 人の従業員への初期展開で、従業員がケースの要約を生成するのにかかる時間を 55% 短縮し、複雑なケースノートを確認するのにかかる時間も 55% 短縮したとのしています。
この展開は 2026 年までに完了する予定で、その後 BT は消費者向け事業への展開を進める予定としています。
<参照URL>
https://www.servicenow.com/it/company/media/press-room/btgroup-relationship-cx-ex.html
Vodafone
Open AIのGPTをベースとしたAIチャットボットSuperTOBiを展開
もともと IBM Watsonと Microsoft LUIS をベースとしていたTOBiを刷新。
現在では 100 万人が使用しており、元のチャットボットよりもはるかに人気があるとしています(初回解決率が 15% から 60% に上昇、オンライン プロモーター スコアが 14 ポイント向上したとしています)。
現在 11 の異なる言語を理解できるようにトレーニングされており、独自のAI Boosterといくつかのオープンソース ツールを使用して、自社で保持するデータをキュレートすることで、不正な動作や不適切な回答を防いているとのこと。
Vodafoneは今年度、顧客体験の変革に 1 億 4,000 万ユーロ (1 億 5,200 万ドル) を費やすとしており、イタリアとポルトガルに続き、今月末にはドイツとトルコでも導入予定、他の市場も今年中に導入する予定としています。
一方で、TOBi は現在テキストチャットのみであり、音声に対応していますが、遅延が重要なため、チャットボットと話していて、1 秒以内に応答がない場合は、顧客はおそらくその通話を切って、コンタクトセンターのエージェントに戻るだろうともしており、インフラの5GSA化も重要となることから音声チャットの普及には時間がかかるともしています。
なお、Vodafone CTOは、生成AIについて、「我々は、その過大評価された期待のピークに達しつつある。なぜなら、我々は幻滅の谷底に落ちようとしているからだ」としています。
Vodafone は自社データを ChatGPT のような公開モデルに公開するつもりはなく、LLMをゼロから作成するつもりもなく、代わりに、50 人のデータ サイエンティストのチームが、Anthropic や Vertex などの LLM の微調整に取り組んでいるとのこと。
Vodafone は、Google と共同で構築した 24 ペタバイトの”Data Sea”に入れることで、LLM に情報を手依拠し、パブリッククラウド内の安全なコンテナーにより、プライベートな情報が安全に隔離されるとしています。
<参照URL>
https://www.vodafone.com/news/technology/meet-super-tobi-vodafone-s-new-generative-ai-virtual-assistant-now-serving-customers-in-multiple-countries
https://www.vodafone.com/news/technology/vodafone-supercharging-customer-experience-with-microsoft-s-gen-ai-tools
LG UPlus
2028年までにB2B収益を2兆韓国ウォン(14億米ドル)にすることを目標に、法人向け事業における中長期AI成長戦略を概説
All in AI戦略は、企業顧客とともに成長するために、全サービスにわたってテクノロジーを開発し適用することに
全社的に集中、AI データ センターとオンデバイス AI、小規模大規模言語モデル (sLLM) を使用するAI プラットフォーム、およびエンタープライズ顧客向けの AI を活用したサービスに重点を置くとのこと。
バックボーンインフラであるハイパースケールデータ センターが今後の AI アプリケーション サービスに対応できるよう、より充実した設備を整え、先月発表した自社開発の生成AIモデル「ixi-GEN」(88 億から 250 億パラメータで、金融、教育、セキュリティ業界向けから、sLLMを提供する予定)を活用し、自社データセンターのAIサーバーの運用効率を最大化、冷却技術の開発にも取り組んでいるとしています。
現在、ソウル南部に2つのハイパースケールデータセンターを運営、2027年に完成予定のサッカー場9面分の広さを誇る3つ目のデータセンターは、GPUと液体・浸漬冷却を備えたAIデータセンターとして特別に設計されるとのこと。
この施設には、10万台以上のAIサーバーを収容できるとしています。
また、デバイスAI に不可欠なNPUに関してスタートアップ DeepX と提携し、今年末までに初の AI チップを発売する予定で、このAI チップを ixi-GEN と統合し、通信機器、カスタマー ケア、ロボット工学、モビリティなど、さまざまな業界に適用できるソリューションを開発する予定ともしています。
AIサービスとしては、AIコンタクトセンター(AICC)、中小企業、企業通信、交通の4つの分野でAIアプリケーションサービスの提供に注力。
デバイスAIでは、中小企業向けに、キオスク、CCTVシステム、POSシステム、電話などのハードウェアにオンデバイスAIを統合する高度なパッケージを提供するとのこと。
<参照URL>
https://www.kedglobal.com/artificial-intelligence/newsView/ked202407020017
政府・団体
TIP
Telecom Infra Project (TIP) 、VIAVIのVALORをOpenRAN向けTIP認定テストラボに
アメリカNTIAがMade in America助成金から資金を拠出しているViavi Automated Lab-as-a-Service for Open RAN (VALOR) はTIP コミュニティのメンバーが活用できるプロフェッショナルな O-RAN ラボ サービスであり、RU、CU、DU、エンドツーエンドのセキュリティなどのO-RAN テストをエコシステム全体、特に小規模ベンダーに実際に開放するものだとのこと。
VALORは、アリゾナ州チャンドラーにあるViavi本社内に建設中で、公式オープンは10月初旬に予定しているとしています。
米国政府
先進的なチップパッケージング技術の研究に16億ドルを投入すると発表
バイデン政権は、米国の半導体産業を再活性化させる取り組みとして、16億ドルの資金を計上。
この資金は2022年のCHIPS for Americaを通じて提供され、機器とツール、電力供給と熱管理、コネクタ技術、電子設計自動化、コンピュータチップのモジュール部品である¥チップレットなど、チップパッケージングに関連する 5 つの分野での高度な研究開発を支援します。
パッケージングとは、半導体をパッケージングしてデバイスに接続するプロセスを指し、チップ製造の重要な部分です。
しかし、米国はこの分野ではやや遅れており、世界のチップパッケージング能力のわずか3%を占めるに過ぎず、大部分は、台湾や韓国などのアジア諸国で行われています。
米国政府は、外国のサプライヤーへの依存を減らすためにこれを変更したいと考えているとのこと。
<参照URL>
https://www.commerce.gov/news/press-releases/2024/07/biden-harris-administration-invest-16-billion-establish-and-accelerate
https://www.msn.com/en-us/money/other/us-opens-16-billion-competition-for-chip-packaging-research/ar-BB1pGAUq
韓国政府
金融監督院、 仮想通貨市場の恣意的操作や詐欺に対抗する仮想通貨取引を監視するネットワークの構築を発表
証券市場とは異なり、暗号通貨市場は変動が激しく、多くの政府はこれを投資家にとってあまり友好的ではないと見ています。ビットコインやイーサリアムなどの主要なトークンは、時価総額 が非常に大きいため変動性は低いですが、一方で、より小規模なトークン、つまりアルトコインは、非常に高い変動性を示し、そのリスクの高い性質により、投資手段としてよく使用され、市場価格操作の格好の標的でもあります。
2023年に可決されたデジタル資産ユーザー保護法は、不公正な取引慣行を規制し、仮想資産に証券規則を適用、仮想通貨取引所に対して、監視ネットワークにデータを渡すことが義務付けています。
監視ネットワークは、7月19日に発効する新しい仮想通貨投資家規制と並行して行われ、監視機関は、異常な行動を監視することで「疑わしい」詐欺行為に関連する口座を監視するとのこと。
例えば、通常の範囲を超えた取引、通常の範囲外の急激な取引量の変化、ポンプ・アンド・ダンプやウォッシュ・トレード・スキームを示す可能性のあるその他の形態の価格操作などが対象となるとしています。
Tech Giants
Meta
Metaの欧州のFacebookおよびInstagramユーザーに対する「支払いまたは同意」のオファーが、EUデジタル市場法(DMA)に準拠していないと判断される
これは、Meta が、ソーシャル ネットワークを使用するための「入場料」としてユーザーに広告への同意を要求するビジネス モデルを最終的に放棄せざるを得なくなる可能性があります。
3月7日以降、Meta やその他のいわゆる「ゲートキーパー」に適用されている事前市場競争規制を遵守せず、違反が確認された場合の罰金は、世界年間売上高の最大10%に達し、再犯の場合は20%に達することもあります。
規制当局はMetaに対して、この広告技術大手が追跡を拒否する自由かつ公正な選択肢を人々に提供していないと主張。
発表に先立つ記者会見で、欧州委員会の上級職員らは、メタのソーシャルネットワーキングサービスが無料である限り、追跡に同意しないユーザーに提供する同等のバージョンも無料でなければならないとしています。
<参照URL>
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_24_3582
マルチトークン予測を採用したLLMをリリース
シーケンス内の次の単語のみを予測するように LLM をトレーニングする従来の方法を打ち破るものとされ注目されています。
Meta のアプローチでは、モデルに複数の将来の単語を同時に予測するように要求し、パフォーマンスの向上とトレーニング時間の大幅な短縮が可能とされています。
AI モデルのサイズと複雑さが増大するにつれ、その膨大な計算能力に対する需要がコストと環境への影響に関する懸念を引き起こしています。
Meta のマルチトークン予測方法は、この傾向を抑制する方法を提供し、高度な AI をよりアクセスしやすく持続可能なものにする可能性があるとのこと。
また、一度に複数のトークンを予測することで、これらのモデルは言語構造とコンテキストをより細かく理解できるようになり、コード生成からクリエイティブライティングまでさまざまなタスクが改善され、AI と人間レベルの言語理解のギャップを埋められる可能性があるとされます。
現在、Hugging Faceで非営利研究ライセンスの下で公開されています。
<参照URL>
https://huggingface.co/facebook/multi-token-prediction
テキストから 1 分以内に高品質の 3D アセットを作成するMeta 3D Genを発表
3D メッシュを作成するMeta 3D AssetGenとテクスチャを生成するMeta 3D TextureGenの2 つの主要コンポーネントを組み合わせて動作することで、高解像度のテクスチャと物理ベース レンダリング(PBR)マテリアルを含む 3D アセットを(PBRは 3D オブジェクトのリアルなライティング=照明表現が可能)既存のソリューションよりも 3 ~ 10 倍高速に生成するとのこと。
3DGen は、1 分以内に高い忠実度と高品質の 3D 形状およびテクスチャを備えた 3D アセットの作成を提供するとし、この速度と品質により、複数の業界でワークフローが合理化され、制作時間とコストが削減されるとしています。
これにより、AI で作成されたアセットを既存のパイプラインにシームレスに統合できるため、さまざまな業界で仮想環境やデジタル ツインの作成が加速する可能性があるとのこと。
Amazon
EUからDSA(デジタルサービス法)の遵守状況の情報提示を要求される
EUは、Amazonにコンプライアンス努力に欠陥があると判断すれば、正式な調査を開始し、罰金を科す可能性があります。
対象は、以下の点に関しての情報開示とのこと。
Amazonは、この要請に対して対応を検討しており、欧州委員会と緊密に連携しているとし、安全で予測可能で信頼できるショッピング環境を作るという欧州委員会の目標を共有していると主張しています。
- 自社のマーケットプレイスで販売する商品の安全性を確保しなければならない
- 自社の推奨アルゴリズムの仕組みについて透明性を保つ必要がある
→推奨を生成するために使用する「入力要素、機能、シグナル、情報、メタデータ」の詳細を開示しなければならない
→消費者が自分の個人データに基づいて生成されるオファーをオプトアウトする方法が提供されなければならない
オンライン販売業者がマーケットプレイスで掲載する広告のライブラリを維持する必要があり、広告ライブラリのインターフェースの「開発、展開、テスト、保守」に関する情報と、ユーザーへの潜在的リスクの評価を提供するよう求めているとのこと。
<参照URL>
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/mex_24_3663
AWS Summit New York 2024を開催、2023年以降、AWSは326個の生成AI機能を一般提供してたと発表
<参照URL>
https://www.aboutamazon.com/news/aws/generative-ai-updates-aws-summit-new-york-2024
Bedrock Guardrails APIをプレビュー
顧客にさらなるモデルの選択肢を提供するため、Bedrock のみで提供していたガードレール機能を分離、Guardrails API と呼ばれるスタンドアロン API とし、Amazon Bedrock を使用していない AWS の顧客も含め、あらゆる AI モデルとアプリケーションをAPI に接続してガードレールの設定が可能になるとしています。
ユーザーは、AI アプリケーションがヘイトスピーチや性的な表現などの一般的なガードレールをどの程度許可するかを「調整」できるようになるとのこと。
また、 Contextual Grounding機能により、モデル、AI エージェント、またはRAGシステムが実際に企業のデータから読み取っているのか、それとも捏造しているのかをテストし、応答がユーザーに届く前にAIの幻覚をチェックできるとしています(幻覚の 75% 以上を検出してフィルタリングできるとのこと)。
<参照URL>
https://docs.aws.amazon.com/bedrock/latest/userguide/guardrails-use-independent-api.html
App Studioを限定プレビュー
App Studioは、企業ユーザーが自然言語で必要なものを記述するだけで、スケーラブルな社内アプリケーションを構築できる、生成AIサービスです。このサービスは、提供されたコマンドに基づいて動作し、指示されたデータソースを使用して、テストや展開から運用や保守まで、コーディングに関連するすべてのプロセスを処理しながら、
必要なアプリケーションをわずか数分で作成できるとのこと。
ユーザーは、必要なアプリ、実行したいこと、統合したいデータソース(AWS から Zendesk などのサードパーティソースまで)を説明することだけとしています。
また、ユーザーとデータへのアクセスを既存のエンタープライズ認証ツールとRBACを使用して制御し、内部ポリシーへの準拠を維持するためのガードレールを設定するオプションも利用できるとしており、ほとんどのローコード開発ツールが企業のプライバシーとセキュリティ ポリシーに準拠した完全に安全なアプリを作成することはできないとして、それよりも優れていると主張しています。
米国西部 (オレゴン) 地域の顧客(Deloitteなど)に限定公開ですが、今後数か月以内に、AWS はより多くの顧客に公開予定とのこと。
Studioを使用してアプリを作成するサービスは無料ですが、公開されたアプリケーションを従業員/ユーザーが利用する時間に対しては料金を支払う必要があります。
<参照URL>
https://aws.amazon.com/app-studio/
https://docs.aws.amazon.com/appstudio/latest/userguide/welcome.html
AIチャットボットRufusが米国顧客向けにリリース
AI搭載ショッピングアシスタントRufusは、モバイルアプリで米国顧客向けに提供開始になったとのこと。
2月に初めて発表されたこのAIチャットボットは、アマゾンの製品カタログ、顧客レビュー、コミュニティQ&A、ウェブ上で見つかるその他の公開情報に基づいてトレーニングされているとのこと。
ショッピングに特化した独自LLMを搭載しており、顧客は、購入時に考慮すべき要素、アイテムが他の製品とどう違うのか、製品の耐久性など、Web 全体から収集した顧客レビューやその他の専門家の分析に基づいて製品について質問することができるとしています。
また、製品の最新モデルは何か、どのようなスタイルが人気なのかを質問でき、ファッショントレンドや最新技術などの最新情報を顧客に提供、アシスタントとしても機能し、過去の注文を検索したり、現在の注文がいつ到着するかなども回答するとのこと。
<参照URL>
https://www.aboutamazon.com/news/retail/how-to-use-amazon-rufus
中小企業向けセキュリティロボット Astro for Businessを発売からわずか7か月で廃止
Astroを最高の家庭用ロボットにするための進歩と研究開発を加速するため、Astro for Businessのサポートを終了することを決定したとしていますが、顧客数が増えなかった模様です。
Astro for Businessロボットは9月25日以降は機能しなくなり、Amazonのリサイクルプログラムを通じてセキュリティロボットをリサイクルすることを推奨、送料はAmazonが負担するとしています。
2,350ドルで販売されているAstro for Businessロボットには、月額60ドルの「Astro Secure」サブスクリプション、月額20ドルでRingアラームやモーションセンサーなどの機能、月額99ドルで人間のエージェントによるサポートと監視機能などを提供していました。
<参照URL>
https://www.amazon.com/gp/help/customer/display.html?nodeId=TZie5WnIQ8ezjg8I1W
https://press.aboutamazon.com/2023/11/introducing-astro-for-business-a-customizable-security-solution-bringing-peace-of-mind-to-owners-of-small-and-medium-sized-businesses
親会社Alphabet、クラウドセキュリティスタートアップWizを230億ドルで買収交渉中と報道
Wiz は、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud などのクラウド プラットフォームからデータを取り込み、そのすべてをスキャンして、ネットワーク、ID、コンピューティング、アプリケーション、シークレットなどのクラウド設定の脆弱性や悪意のあるアクティビティを検出するオールインワンのクラウドセキュリティを提供、リスク加重ビューを通じて脆弱性をランク付けし、ユーザーが重大度、露出、悪用可能性、影響範囲、ビジネスへの影響に
基づいて脆弱性と構成ミスを評価できるようにします。
Alphabetは、今年第1四半期の売り上げが28%増の95億7000万ドルとなったクラウド事業を強化する手段と見ているとされています。
Microsoft
AT&Tから買収したアドテク企業XandrがEUのプライバシー侵害で告発される
欧州のプライバシー擁護団体noybが支援する苦情の対象となっているとのこと。
個人情報の削除や修正を求める個人からのデータアクセス要求に Xandr が一切応じていないとして、GDPRに違反するとして申し立てられたもので、これが認められれば、Xandr の親会社である Microsoft の全世界の年間売上高の最大 4% の罰金が科される可能性があるとされます。
<参照URL>
https://noyb.eu/en/microsofts-xandr-grants-gdpr-rights-rate-0
ベンダ
Cloudflare
ボットがCloudflare上でホストされているウェブサイトからデータをスクレイピングしてAIモデルをトレーニングするのを防ぐ無料ツールをリリース
Google、OpenAI、Appleなど一部のベンダーは、ウェブサイトの所有者がウェブサイト上でどのページにアクセスできるかをボットに伝えるテキストファイルrobots.txtを修正することで、データスクレイピングやモデルトレーニングに使用するボットをブロックできるようにしています。
ただし、すべてのAIスクレイパーがこれを尊重しているわけではないとのこと。
顧客は、AIボットが自社のウェブサイトを訪問すること、特に不正行為を行うことは望んでいないとし、コンテンツにアクセスするためにルールを回避しようとする一部のAI企業が、ボット検出を回避するために執拗に適応していくのではないかと懸念しているとしています。
この問題に対処するため、Cloudflare は自社CDN上の AI ボットとクローラーのトラフィックを分析し、自動ボット検出モデルを作成しています。
このモデルでは、AI ボットが Web ブラウザーを使用している人の外見や動作を模倣して検出を回避しようとしているかどうかを判断するとのこと。
悪意のある人物がウェブサイトを大規模にクロールしようとする場合、通常、フィンガープリントできるツールや
フレームワークを使用する傾向にあるため、これらのシグナルに基づいて、回避的な AI ボットからのトラフィックをボットとして適切にフラグ付けできるとしています。
Cloudflare は、ホストが疑わしい AI ボットやクローラーを報告するためのフォームを設置しており、今後も AI ボットを手動でブラックリストに登録していくとのこと。
Orca Security
OpenAI GPT-4oをベースとして 50 以上の言語で クラウドアセット検索をサポートすることを発表
ユーザーがわかりやすい日常言語でクエリを実行できるようにすることで、クラウドセキュリティを民主化、スキルのハードルを下げ、多様で地理的に分散したチーム全体で検索パフォーマンスを大幅に向上させるとしています。
これにより、より多くのユーザーが AI を活用した検索の恩恵を受けることができ、新しいクエリ言語やクラウド セキュリティの命名規則を学習する必要がなくなり、ユーザーが母国語で正確な質問をすることができるため、より正確な検索が可能になり、直感的で平易な言語によるクエリをサポートすることでスキルのハードルが下がり、検索プロセスが簡素化されるとのこと。
Orca Security は、問題の修復時間が大幅に短縮され、クラウドのリスクが軽減されるとしています。
<参照URL>
https://orca.security/resources/blog/introducing-azure-gpt-4o-multilingual-ai/
Salesforce
デバイス向けAIモデルxLAM-1Bを発表
xLAM-1Bモデルは「Tiny Giant」と呼ばれ、わずか10億のパラメータでありながら、関数呼び出しタスクではOpenAIやAnthropicなどのはるかに大規模なモデルよりも優れた性能を発揮するとのこと。
また、関数呼び出しアプリケーションで AI モデルをトレーニングするための高品質で多様性に富んだ検証可能なデータセットを生成する自動パイプラインであるAPIGenを開発。
厳選したデータセットでトレーニングしたモデルは、わずか 70 億のパラメータであっても、Berkeley Function-Calling Benchmark で最先端のパフォーマンスを達成し、複数の GPT-4 モデルを上回ることを実証したとしています。
加えて、さらに、1B モデルは、GPT-3.5-Turbo や Claude-3 Haiku を上回る優れたパフォーマンスを達成したとのこと。
Salesforce の手法は、よりスマートなデータキュレーションによって、より効率的で効果的な AI システムを実現できることを示唆。
Salesforce は、モデルのサイズよりもデータの品質に重点を置くことで、競合他社よりもはるかに少ないパラメータで複雑なタスクを実行できるモデルを作成したとともに、On Device Agent AIの実現可能性が高まったとされます。
<参照URL>
https://github.com/SalesforceAIResearch/xLAM
Intel
Intel Capital、建設現場のデジタルツインを作成するスタートアップBuildotsへ1500万ドル投資
Buildotは、Pomerleau、NCC、Ledcorなどの建設大手と協力し、プロジェクトの進捗状況を追跡し、ボトルネックを特定し、ワークフローを最適化するために、現場のデータを定期的にキャプチャする360度カメラを各社に提供。
AI を活用した新しい「遅延予測」機能により、主要な建設現場でのベータテストシナリオで遅延時間を最大 50% 削減できたとしています。建設現場は、各プロジェクトの複雑さと独自性、および建築家、請負業者、エンジニア、サプライヤー、規制当局など、複数の利害関係者の調整が必要であることからデジタル化が遅れているとされおり、Intelは現在進めている米国内の自社工場の建設や更改に活用するだろうとされています。
HPE
2025年第1四半期から自社プライベート5Gネットワークをヨーロッパに導入する計画と発表
HPEがモバイルネットワークオペレーター(MNO)として提供する製品には、4Gまたは5Gコアのほか、SIMまたはeSIMカード、スモールセル、ダッシュボードが含まれ、Small Cellにより屋内と屋外のカバレッジが確保され、サードパーティの管理ツールが不要になるとのこと。
港湾、倉庫、医療機関などがターゲット、プライベートネットワークでの周波数使用を許可している国では、ソリューションは登録するだけでよく、これは1~3日程度で済むとしています。
<参照URL>
https://www.hpe.com/us/en/discover.html
Headspin
モバイルアプリテストスタートアップHeadspin、CEOが詐欺罪で逮捕後、プライベートエクイティ会社のPartnerOneに買収される
Headspinは、IconiqやBattery Ventures、Dell Technologies Venturesなどから出資を受け、さまざまな地域やデバイスでアプリをテストおよび監視するツールを開発提供、Telstraなどに採用されるなど、2018年には史上最も急速に成長しているソフトウェア企業の1つとされていましたが、前創業者の逮捕から、経営を立て直していたCEO、COO、CTOは異動、9~10年間在籍し、前創業者の苦境を1日15時間労働で乗り切った従業員の中には、(従業員が受け取るオプションについて)何も受け取らなかった者もいたとされています。
<参照URL>
https://techcrunch.com/2024/07/12/headspin-whose-founder-in-prison-for-fraud-sold-to-pe-firm-for-cents-on-the-dollar-sources-say/
https://partnerone.com/acquisitions/