(株式会社ネットスターズ社のNETSTARS BLOGより転載)
新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって売上が減少した神奈川県内の小売店やサービス事業者、飲食店等の支援と、キャッシュレス導入促進のため、神奈川県が実施した神奈川県キャッシュレス・消費喚起事業、通称「かながわPay(ペイ)」キャンペーン。ネットスターズは共同企業体の一員として本事業に参画、システム面を担当しました。
「かながわPay」の概要と成果、ネットスターズが担った内容をご紹介します。
「かながわPay」は、神奈川県が独自に実施したキャッシュレスサービスを活用したポイント還元事業です。第1弾は2021年10月から、第2弾は2022年7月より実施されました。第3弾は2023年7月27日より実施予定です(2023年5月29日更新)。
コロナ禍では小売やサービス業、飲食店などの売上が大きく落ち込みました。そこで神奈川県は、県内在住者や通勤・通学者の消費喚起を促し、ポイント還元を通した地域経済の活性化とキャッシュレス化の促進を目的に「キャッシュレス・消費喚起事業」を立ち上げました。
「かながわPay」キャンペーンは、期間中、専用決済アプリ「かながわPay」を通じて県内の対象店舗でQRコード決済をすると、決済額の最大20%の金額に相当するポイントを消費者に還元するものです。還元されたポイントは1ポイント=1円として利用できます。1人あたりのポイント付与上限は、30,000ポイント(3万円分)で、ポイント還元総額は第1弾が70億円、第2弾は100億円という大きな規模でした。
近年、自治体によるキャッシュレスサービス推進やポイント還元の取り組みは全国各地に広がっています。しかし、地域経済活性化の点において、ユーザーが獲得したポイントがどこでも利用できる場合、還元したポイントが県外に流出してしまう課題がありました。そこで、「かながわPay」はポイントの還元ができる店舗でのみ、利用もできるようにすることで、全てのポイントを県内で使ってもらう設計にしました。
マルチ決済が可能な点も特徴です。「かながわPay」アプリからは、「au PAY」「d払い®」「はまPay」「LINE Pay」「楽天ペイ」の5つの決済サービスが選択できます。普段からキャッシュレス決済に親しんでいる人は、自分が使い慣れているサービスを使えます。また、この事業を機会に初めてQRコード決済サービスを知り、使ってみようと思う人もいます。今回の事業はユーザー側のキャッシュレス促進にも繋がりました。
「かながわPay」は、2021年の第1弾の開始時にその手法の新しさもあってテレビや新聞などで大きく取り上げられました。県も店舗に参加を呼び掛けたところ、県内での認知度が高まり、ユーザーの「使いたい」という声とあわせて利用できる加盟店も増え、アプリのユーザー数も増加しました。
加盟店舗数は、第1弾開始時に約11,000店舗だったのが、終了時には約18,000店舗に増加しました。第2弾終了時には約24,000店舗に拡大し、中小企業や個人事業主、そして大企業まで県内のあらゆるエリアへと広がりました。「かながわPay」アプリのダウンロード数は185万人、10代から70代以上まで幅広い年代の方が利用し、まさに県全体で利用されたアプリになりました。
ポイント還元総額は第1弾に70億円、第2弾では100億円分が予算として組まれていましたが、予想を大きく上回る反響により、いずれもキャンペーン終了前に予算上限に到達しました。ポイントが還元されただけでなく、還元されたほぼすべてのポイントがため込まれることなく消費され、大きな経済効果を生む施策となりました。
本事業の運営は、ネットスターズとともに、金融機関・コールセンター・マーケティング会社からなる企業共同体が担いました。ネットスターズは、店舗とユーザーをつなぐシステム面を全般に担当しました。ユーザーが使いポイントを貯める「かながわPay」アプリでは、5つの決済サービスへの連携の実現に注力しました。また、店舗に対しては申し込みサイトの運用や、「かながわPay」での売り上げを一元管理できる売上管理システムをウェブサイトとスマホアプリで提供し、事業参加による店舗運営への負担を抑えられるようにしました。
本プロジェクトを通して、神奈川県庁の皆さま、神奈川県で事業を営む方々、ユーザーの皆さまのキャッシュレス決済の支援や、地域のDXに貢献できたことは、ネットスターズにとって大きな成果です。 QRコード決済サービス、キャッシュレス決済サービスは今後も生活に必要不可欠なインフラとして広がっていくと考えられます。
※「d払い」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
※掲載情報は情報更新日当時のものです。