「ローカル5Gガイドライン」の押さえておくべきポイントを徹底解説

2023.03.01

Cittecブログ編集部 Cittecブログ編集部

目次

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必要な書類から申請手続きまでわかりやすく解説

ローカル5Gとは、最新通信規格の5Gを独立したエリアで利用できる通信システムのことです。国内・海外問わず幅広い業種で活用されています。ローカル5Gを利用するためには、「ローカル5Gガイドライン」の内容を正確に押さえ、様々な申請や手続きを行わなければなりません。本記事では、「ローカル5Gガイドライン」の押さえておくべきポイントについて詳しく解説します。

ローカル5Gガイドラインとは

ローカル5Gガイドラインとは、総務省がローカル5G導入の促進を目的に、申請手続きなどを明確に規定したガイドラインを指します。
ローカル5Gガイドラインの具体的な内容は以下のとおりです。

  • ローカル5Gや自営等BWAの無線局免許の申請手続
  • 電気通信事業として導入する場合の考え方
  • 電波法及び電気通信事業法の適用関係の明確化


また、申請のハードルを下げるために、令和4年3月にはガイドラインの改定が行われ、手続きの方法が具体化されました。ローカル5Gの導入は、基本的にローカル5Gガイドラインの規定に基づいて行われます。日本国内では、建設現場や工場、農業、スマートシティなどの業界で導入されています。

image1参考:総務省「ローカル5G導入に関するガイドライン

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無線局の免許申請とは?

ローカル5Gを導入する場合、電波法第4条で定められている「無線局の免許申請」が必要です。免許の申請手続きに関しては、無線局免許手続規則(昭和 25 年電波監理委員会規則第 15 号)で様式が定められています。免許申請は常時受け付けており、標準的な処理期間は約1ヶ月半とされています。そのため、ローカル5Gを導入する際には、余裕をもって早めに準備を始めておくとよいでしょう。

免許申請に必要な書類

免許申請に必要となる、おもな提出書類は以下のとおりです。

  • 無線局事項書及び工事設計書等の提出
  • 自己土地利用の場合は、そのエリアの範囲を示す図・登記事項証明書
  • システム構築の依頼を受けている場合、依頼状等その証明書類等


また、自社で免許申請等の対応が難しい場合は、外部のベンダーへ代理申請を委任することも可能です。代理申請を委任する場合、委任状の作成や必要な情報を提供するなど、最低限の対応のみで免許申請を行えます。

参考:総務省「無線局免許手続規則

自己土地利用と他者土地利用とは

ローカル5Gでは土地をベースとした利用形態があり「自己土地利用」と「他者土地利用」の2つが定められています。ここでは、それぞれの利用形態の違いについて解説します。

自己土地利用と他者土地利用の違い

自己土地利用とは「土地や建物の所有権を持つ者がその土地や建物内で通信を行うこと」です。一方で、他者土地利用とは「土地や建物の所有権を持たない者がその土地や建物内で通信を行うこと」と定義されています。

導入を検討する際には、まず自社で想定している用途がどちらに該当するのかを整理しましょう。

ローカル5G設置の優先度は、原則自己土地利用>他者土地利用

ローカル5Gガイドラインでは、「自己土地利用は他者土地利用より優先的に5Gを導入することができるもの」と位置づけられています。利用したいローカル5Gエリアが被る可能性がある場合、他者土地利用側が調整しなければいけません。

image2例えば、他者土地利用のローカル5G無線局の免許取得後に自己土地利用者が申請を行った場合、他者土地利用側で空中線の方向や位置の調整などが必要です。自己土地利用の電波に影響しないように、他者土地利用側で様々な配慮を行わなければなりません。

カバーエリアの調整

ローカル5Gの免許申請を行う際、近接するローカル5G免許人とのエリア調整が必要なケースがあることにも注意が必要です。

image3

ローカル5Gは、カバーエリアの外であっても、干渉の可能性があるエリア(調整対象区域)が存在するため、他のローカルエリアとの間で混信などの影響が起こる場合があります。そのため、無線局の免許申請に際しては、自己土地利用、他者土地利用の区分に関係なく、カバーエリアを必要最小限の範囲とすることを基本としています。

また、周辺のローカル5G無線局のカバーエリアにカバーエリアや調整対象区域が重なる場合、免許申請前に調整を行うなど、状況に合わせた対応が必要です。

 

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周波数毎の使用条件について

ローカル5Gは使用周波数帯ごとに、細かい設置制限が設定されています。

そのため、どの周波数を使用するか、どの地域で使用するかの事前確認が必須です。周波数帯ごとのルールや、押さえておくべきポイントを解説します。

4.6~4.8GHz の周波数帯を使用する場合

  • 原則として屋外は×
  • 屋内は以下の条件を満たしていれば設置可能
    1. 北海道と新潟県、石川県では等価等方輻射電力が3dBm/MHz以下
    2. 北海道と新潟県、石川県以外の地域では等価等方輻射電力が17dBm/MHz   以下
    3. ガイドラインのp26p27に記載されていない地域

地域によって詳細な使用条件が規定されているため、自社の所在地が該当しているかどうかを確認しておきましょう。

4.8~4.9GHzの周波数帯を使用する場合

  • 屋内及び屋外での設置が可能
  • 屋内は、制限なしで利用が可能
  • 屋外の場合、ガイドラインのp27~p29に記載されていない地域

スモールセル基地局を設置する場合

  • 屋内は制限なし
  • 屋外は、ガイドラインのp29・p30に記載されていない地域

※スモールセル基地局とは、通常の基地局(マクロセル)の補完を目的に利用される基地局のことです。

 

このように周波数ごとの使用条件は非常に複雑です。まずは自社の利用目的を明確にして、屋内・屋外どちらで使うか、どの周波数をどの地域で使用するかを決めていくとよいでしょう。

参考:総務省「ローカル5G導入に関するガイドライン

無線局の免許が交付された後の手続き

この章では、無線局の免許が交付された後の手続きについて解説します。

無線従事者選任届の提出

無線局の操作には、原則として第三級陸上特殊無線技士以上の資格が必要です。交付された後、遅滞なく提出する必要があります。

無線局の運用開始等の届出書の提出

届出書の提出は、1局でも運用を開始したら、遅滞なく提出しなければなりません。また、免許時に指定された運用開始期限にも留意する必要があります。

開設無線局数届出書の提出

最初の届出は、運用をスタートした月の月末の開設局数を翌月の15日までに提出する必要があります。

電波利用料の納付

基地局は免許日以降に、陸上移動局は開設無線局数届出書の提出以降に、免許を受けた通信局等から送付される納入告知書を使って、電波利用料を納付する必要があります。

まとめ

ローカル5Gの導入を円滑に進めるためには、「ローカル5G導入ガイドライン」の内容を正確に理解する必要があります。様々な申請や手続きが必要ですが、ローカル5Gを導入することで、業務効率化や業種ごとの課題解決の実現につながります。本記事で解説したポイントを押さえて、申請を進めていきましょう。

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