Local5Gを1BOXからはじめよう ~Wireless Japan・Interop後日談付き~

2024.07.10

尾登 和弥 尾登 和弥

目次

→資料ダウンロード:Local5Gを1BOXからはじめよう

ローカル5Gを1BOXからはじめるとは?

ローカル5Gが制度化された2019年から、現在(2024年7月時)まで、およそ5年となりました。この間、ユースケースの発掘、製品品質の向上、製品低廉化が着々と進み、2025年を境に商用導入が本格化すると考えられています。

しかし、ローカル5Gは、通常のIT通信インフラよりも導入ハードルは高めです。このハードルは、コスト面だけでなく、電波の管理や運用も含まれます。

これらにより、複数の基地局の設置が必要な中規模以上のフィールドにおいては、「ローカル5Gが正しい選択なのか?」が検討段階で議論される事は必然と考えます。

CTCは、この議論を少しでも一歩進めるために、ユースケース/設置場所環境に対して柔軟に複数の基地局を設置可能かつ様々な機能を持つローカル5Gのミニマム構成を用意しました。それが、1台のサーバ、1台のスイッチを基礎とした1BOXソリューションです。

勿論、今後の商用展開フェーズまで進む際には、この箱を再利用する事も出来ます。

そして、CTCは、ユースケースに応じた5Gネットワークの選択も重要だと考えています。

その一例が「低遅延/高信頼のURLLC」です。こういった機能は、他のITに親和性のある無線技術にはありません。ロボットの制御など、「1msでも遅延は短くしたい」という声に対しても小さく始められるのがこの1BOXソリューションでもあります。

Local5Gを1BOXからはじめよう

1BOXソリューションの概要

CTCの1BOXソリューションは、1Cellに最大4RUを搭載可能なASOCSのRAN「Cyrus」とDruidの5GC「Raemis」を基礎パックとし、これに加えて、CTONEのエンドポイントセキュリティ「TMMNS」を1つのサーバに集約したソリューションです。この1つのサーバには、2Cell分のRAN機能を搭載可能で、最大8RUを展開する事が出来ます。

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この1BOXが持つポテンシャルを少し具体的なイメージに落とし込みますと、このようになります。

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RU8台を全て屋内もしくは屋外にする事や、8台未満にする事は当然ながら可能です。

スループットはセル内で共有されます。スループットをシェアしつつ基地局を増やす方法としてはDASの採用もメジャーな手法です。ただし、多くの場合、Passive DAS方式となるため、基地局-アンテナ間で同軸ケーブルによる分配施工が必要となり、工事難易度が上昇します。

ASOCSの場合は、gNB側でスループットのシェアによる基地局増加が可能なため、基地局-アンテナ間の同軸ケーブルによる分配は、必須ではありません。

そのため、同軸ケーブルの電力減衰量も抑える事に成功しております。これにより、屋外においてもスループットとカバレッジエリアの両立を目指した基地局の設置が可能となり、1BOXでも広範囲に展開が可能となっています。

そして、ASOCSのURLLCや、CTONEのエンドポイントセキュリティ等、実ユースケースに合わせた機能を選択する事が出来ます。

フィールドに対する実際の電波の飛び方やハンドオーバの影響等もユースケースの適合性や利用者(MR等の支援を想定)目線の「実証」や「確認」には一定規模数の基地局導入が必要です。この1BOXソリューションは、実証段階で十分な数の基地局導入も可能としており、商用時には、この1BOXも再利用して拡張させる事も可能です。

展示会でのお話

ところで、このソリューションにつきましては、2024年のWireless Japan及びInteropでご紹介致しました。

両展示会では、様々な方々と意見等も交換させて頂きました。中には、既にローカル5Gを実験的に導入されている方もいらっしゃいます。そういった方々も含めまして共通している事としては、「どのように使うか?それが費用に合うのか?」が最も多い声だったと感じております。この反応は予想通りではありました。

しかし、「ローカル5Gじゃないとダメなのは分かっているが、社内の合意形成に苦労する」という1つ進んだ声も頂き始めたのも事実としてあります。小さく導入し、修正をしながら商用の拡大をする事も重要な考え方の1つであろうとCTCは考えます。

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詳細はここではお伝え出来ないのですが、ローカル5Gに期待する声は共通している一方で、お客様の抱える課題やフィールドは、同業種であっても異なっております。

これは、非常に興味深い話ではありまして、CTCは、この柔軟性を持った1BOXソリューションも含めて、個社別の課題に向き合ったローカル5Gの提案を行っています。

導入を検討されているお客様は、是非ともCTCへお声がけくださいませ。

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Interopの講演で利用した資料を配布向けに修正した物を以下より入手可能です。
ここで記載した事以上の情報もありますので、是非ダウンロードのほどお願い致します。


謝辞:Interopでは、CTONE様のブース内で展示の機会を頂きまして大変ありがとうございました。

 

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尾登 和弥 尾登 和弥

2019年に中途入社し、3Gや4G RANのエリアオプティマイゼーションや4Gコアの構築・検証・保守に従事。現在はラボに籠り、ローカル5Gの構築・検証、デモ環境構築などを担当中。