ネットワークテクノロジー課の山口です。
普段はネットワークの試験自動化やオペレーションの自動化開発を主務としています。
今回は、自社の検証設備 “N Space” に、Raritan インテリジェントPDUを8色揃えて導入した話をお届けします。
N Spaceは、私たちが所有する検証設備です。この設備は、最新の技術や製品を実際に導入し、その性能や利便性を検証するための場として活用されています。
また、お客様への技術的なショーケースとしても利用されており、共創の場として活用されています。
N Spaceは有志のエンジニアによって管理・運用されていて、私も管理メンバーの一人です。
N Spaceに、RaritanのインテリジェントPDU PX3 5000シリーズの全10色中8色(レッド/ブルー/グリーン/マゼンタ/オレンジ/イエロー/ホワイト/ブラック)を導入しました。
こちらはお客様へ公開するショーケースとしての役割も担っています。
ここまで様々な色のPDUを揃えているのはここN Spaceだけで、現物を見たいお客様へ見学ツアーとして案内できるよう現在Raritan社と調整を進めているところです。
N Spaceでは検証機が年々増えていき、マシンルームの電流・電力の使用量の監視・管理が課題としてありました。
消費電力は現地に設置された分電盤を確認するしかなく、リアルタイムでの確認が難しい状況でした。
そこでマシンルームの電源を200Vへ統一し、総アンペア数を削減するとともに、インテリジェントPDUを導入しました。
これにより、各アウトレットごとにリアルタイムで電力の計測を行い、N Space全体の消費電力の可視化できるようにすることがインテリジェントPDU導入のモチベーションです。
ここからはRaritan インテリジェントPDUについて私たちのユースケースを紹介します。
インテリジェントPDUに対してPrometheusとGrafanaを組み合わせて電力モニタリングを行っています。
PX3シリーズでは、Xerusファームウェア [version 4.0.20] からPrometheusとの連携がサポートされており、PDUから直接メトリクスを取得することが可能です。
システム概要は以下です。
各PDUに対してPrometheusがメトリクスを取得し、Grafanaで可視化します。
このシステムにより、NSpace全体の電力使用状況を一目で確認でき、リアルタイム性のある監視が可能となりました。
インテリジェントPDUはリモート電源管理が可能であり遠隔からアウトレットごとの電源ON/OFFを制御できます。
これにより異常時の迅速な対応が可能となりました。
また、この操作はGUIだけでなくAPIでも行うことができます。
そのため、任意のタイミングでアウトレット ON/OFFを実行でき障害試験自動化への応用も可能です。
例えば、ルータが障害時のトラフィックロスを計測するようなネットワーク障害試験に対して、 RobotFramework等のテストフレームワークと連携して試験シナリオの中でPDUのアウトレット操作をすることで、ルータの障害/復旧を自動的に発生させることが可能です。
2024年5月に開催されたRaritanカスタマーイベントにてN Spaceについて紹介いただきました。
私たちも参加させていただき、最新のインテリジェントPDU PX4シリーズの展示やユーザー交流会にて他ユーザーの事例を聞くことができ、とても有意義な経験でした。
Raritan インテリジェントPDUを自社の検証設備N Spaceに8色揃えて、レインボーに並べました。
こちらはショーケースとして公開予定で、見学ツアーができるよう調整中です。皆様へ案内できることを楽しみにしています。
また、Raritan インテリジェントPDUについて私たちのユースケースを紹介しました。
電力モニタリングや遠隔操作によるリモート電源管理により、N Spaceの電力管理は改善されました。
他にもRaritan インテリジェントPDUには各種センサーとの連携など本記事では紹介できていない便利な機能があるため、引き続きこのような情報を発信していきます。