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光通信測定|光通信測定器リーディングカンパニーEXFO社と共に技術革新のスピード化を支援

作成者: Cittecブログ編集部|2023.11.08

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は、光通信用測定器を専門とするカナダの測定器ベンダーEXFO Inc.(以下、EXFO)と パートナー契約を締結した。同社は独自性の高い製品開発と確かな品質で業界を牽引し続ける世界的なリーディングカンパニーである。本稿では同社のソリューションの特徴等について紹介する。
(株式会社ビジコミ発行 ビジネスコミュニケーション2023年10月号掲載記事を一部編集)


EXFO JAPAN 株式会社
カントリーマネージャー 竹下 泰司氏(写真左)
リージョナルセールスマネージャー 久保 慎太郎氏(写真中)
リージョナルセールスマネージャー 須本 光氏(写真右)

“誰もが使える計測器”で課題を解決し、業界トップシェアを獲得

光ファイバの問題解析および品質向上を実現するためには、OTDR※1テストが必須である。OTDR テストは光パルスの反射率を人力で解析するため、従来から熟練した技術が必要だとされてきた。

しかしながら、他の業界同様、高齢化に伴い熟練者は減少傾向にあり、新たに技術者を育成するには相当の時間とコストを要する。一方、光ファイバ検査のニーズは増加の一途を辿っており、効率良くしかも簡単にOTDR テストを行える測定器のニーズが高まっている。

こうした背景の下、EXFO は独自技術「iOLM」 (Intelligent Optical Link Mapper:インテリジェント光学リンクマッパー) を開発。欧米・アジアをはじめ、世界中に提供し、大きな評価を得ている。

従来、OTDR テストを実施する際には、まず複数回にわたりデータを取得する必要があった。そしてテスト実施者が経験値に頼ったパラメーターを設定し、得られた波形からテスト結果の評価を行っていた。

実際、日本の測定器業界では“熟練者に向けた測定器”が開発され続けてきたという。しかし、EXFO は全く逆の発想で“誰もが使える計測器”を目指し、実現に成功した。

iOLM の特長

iOLM は、 EXFO 社の38 年にわたるノウハウを統合した業界では類のない画期的な測定器だ。その特長は何と言っても「シンプルなインターフェイス」と「直観的な操作性」にある。

ボタン一つを押すだけでテストがスタート。わずか1 分以内に、① IL・ORL の合格/不合格結果、②連続性、③不具合の場所、④修復のための診断、を取得することができる。結果を表示するタッチパネルモニタはテスト実施経験の少ない初心者でもわかりやすく、緑は問題なし、赤は問題ありを意味する(図1右)。

また、画面下に損失や反射の値、そして障害の対応方法に関するガイダンスが日本語で表示される(英語表記対応も有り)。


図1 従来のOTDR とiOLM の違い

FTTH でもデータセンタでも。世界から高い評価を受けるEXFO のソリューション

EXFO はFTTH※2、データセンタ両領域において測定器の世界シェア1位・ 2位を占めている。FTTH 領域では光ファイバの導通テスト※3、データセンタ領域では多芯ファイバのファイバロステストや端面検査プローブを始めとする幅広いソリューションを提供している。

いずれもボタン1つで作動可能で、テスト実施者によって結果に差が生じない、という点が特長だ。多彩なラインナップを揃えているが、以下に、代表的なデータセンタテスト用のソリューションを紹介する。

MPO ファイバテスタ PXM & LXM

2 波長のMPO-12 ケーブルを史上最速わずか1 秒でテストする。正しい極性タイプとテキストを参照しながら時間を節約できる(図2)。

図2 MPO ファイバテスタ  PXM & LXM

MPO ファイバ端面操作機 FIP-500 

一般に、ネットワーク障害の原因の多くは端面に生じる。FIP-500はトリガーを引くだけで端面テストを業界最速のスピードで実施。煩わしいシングルファイバ用、マルチファイバ用のセットアップの変更も不要。わずか数秒で自動で設定を切り替えられる。日本語対応のカラータッチスクリーンを搭載した自己完結型でタワー上の取り扱いでも問題ない(図3)。


図3 MPO ファイバ端面操作機 FIP-500

小型テスタ(400G 2port) FTBx-88480

ハンディタイプの測定器。独自のオープントランシーバシステムと112G エレクトリックレーンを搭載。現行は400G 対応だが、次世代の400G-ZR/ZR+ トランシーバにも対応済み(図4)。


図4 小型テスタ FTBx-88480

光ファイバマルチメーター OX1 

光ファイバネットワークの診断のための片手サイズの測定器。OTDRの機能がコンパクトに収められている。ファイバ長、損失、光リターンロス(ORL)を3秒以内に表示。現場での検出と障害の一般的な原因を特定。波長は自動選択。(図5)。


図5 光ファイバマルチメーター OX1

今後の展開

CTC は2020 年にNTT とソニーグループ、米インテルが中心となって立ち上げた国際団体 「IOWN Global Forum」に参画している。

今後、次世代フォトニクス技術に関する研究開発用テスト及び機能テスト、 400 G ・800G ・1.6 T ・3.2T レベルの超高速通信テスト等、EXFOの幅広いソリューションを活用し、ネットワークから端末まですべてに光技術を導入する「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」実現に寄与すると共に、新たな社会を創る技術革新のスピード化を支援していく意向だ。

※1 OTDR(optical time-domain reflectometer):光時間領域反射率計。光ファイバの伝送損失、距離測定、断線箇所の検出、接続損失、反射量を評価する測定器。光ファイバを伝播するパルス状レーザー光を送信して解析することにより実施される。
※2 FTTH(Fiber To The Home):通信事業者の基地局から各家庭まで光ファイバを敷設すること。
※3 光ファイバの導通テスト:PONや光パワーメータ、VFLや OTDRテスト、XGS-PON・10Gイーサネット・WiFi6などのパフォーマンステスト、 OTDR 監視等。

問い合わせ先

exfo@ctc-g.co.jp
contact-japan@exfo.com